歴史的瞬間 / #青ブラ文学部 #毎週ショートショートnote
「アンニュイとは、どことなく儚げな印象や気だるい雰囲気のこと。男はアンニュイな女性に魅かれる、か。なるほど……」
博士はそこまで読んで「ふっ」と儚げにため息をつく。
「もう! 博士、この忙しいのにナニやってるんですか!」
「ねぇ、魅力的でしょ。鈴木くん、アンニュイな私にドキッとしたでしょ」
「なにバカなことやってるんですか。それどころじゃないです! 気球船の燃料が底をつきかけてるんです。代わりになる燃料を探していると思ったら、なんですか。この忙しいのに……アンニュイなんてどうでもいいです!」
「わかった、わかった。そう怒るな。実は代わりの燃料はもう見つけてある。そこにあるそれ、タンクに放り込んどいて」
「これですか?」
「そうそう、その枕、硬くて眠れないから燃やしちゃって。蕎麦殻ってバイオコークス燃料の原料なのよ」
気球はなんとか浮力を取り戻し、墜落を免れた。
蕎麦でも気球は浮かんでる。それが実証された瞬間である。
(おしまい)
(410字)
こんばんは。はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
2日続けてのコラボ参加です。
蕎麦殻はバイオコークス燃料がいろいろと実用化されているようです。近畿大学が研究しているようです。気球に使われている例は調べた限りありませんでした。
参加企画です。
#青ブラ文学部
お題: #忙しいのにアンニュイ
山根あきらさん。
アンニュイという言葉、わかるようでわからなかったので、グーグル先生に聞きました。私はアンニュイではありません。気だるいのではなく、ただ、だるいだけです。
#毎週ショートショートnote
お題(裏): #蕎麦でも気球は浮かんでる
たらはかに(田原にか)さん。
初めて裏のお題に挑戦しました。むずかしかったです。ちなみに、うどんでも気球は浮かぶと思います。パスタでも…… (゚O゚)\(- -; ソレクライニシトケ。
以上、よろしくお願いします。
いつきさんの #賑やかし帯 にはいつもお世話になっています。保管庫はこちらです。