見出し画像

Project Management Professional(PMP)試験を受験した話

先日(8/17)、Project Management Professional(以後PMP)試験を受験しました。例のごとく、つらつらと感想を述べてみたいと思います。

PMP試験とは

以下の内容がPMI日本支部に記載がありましたので、抜粋しておきます。まぁ、ざっくりいうとプロジェクトマネジメントのプロフェッショナルということです(そのまま)

PMP® とは、PMI 本部が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。

PMP® 試験は、受験者のプロジェクトマネジメントに関する経験、教育、知識を測り、プロフェッショナルとしての確認を目的として実施されます。

専門知識を有していることを証明するために、米国PMI本部が資格認定を行うものであり、法的な資格、免許ではありません。

PMP® 資格は、プロジェクトマネジメントに関する資格のデファクト・スタンダードとして広く認知されており、プロジェクトマネジメント・スキルの評価基準として、IT・建設をはじめとする多くの業界から注目されています。

受験したきっかけ

私は勤務しているゆめみという会社でプロジェクトマネージャーを担っています。はるか昔にIPAのプロジェクトマネージャ試験に合格してたような気がしなくもない印象が割と強めだったんですが、そんなアンニュイな感じなのでもう一度プロジェクトマネジメントの知識を身に付けなおそうと考えたことが直接のきっかけです。

資格手当がもらえることとか関係ないんです。ないったらないのです。たぶん。しらんけど。
そういえば家にあるテントが壊れてたので買い換えないといけませんでした。

研修受講まで

とりあえず、自分のレベルを知っておかないと話にならないなーと考えて、適当な無料PMP問題にトライしたところ、書くのも憚られるようなぶっちぎりの低得点を叩き出しました。

うわっ… 私の点数低すぎ?

さすがにこれはやゔぁいと思うとともに、よく見ると事前の研修を35時間受講する必要があるって書かれていることに気づいてしまいました。結局、ノー勉で特攻ぶっこむのはあきらめ、事前の講習を受講することにしました。

受講した研修

いつものようにGoogle様にお伺いを立てたところ、山のように研修が出てきました。先輩からアドバイスをもらったなんとかいうハズレ講師を避け、精査と検討および熟考につぐ熟考を重ねた結果、よくわからなくなったので適当に研修を選びました。ゆめみ名物っぽい「えいや!」です。それが以下の研修です。

あとから知りましたが、諸先輩方も受講経験のある有名どころだったようです。内容も、研修はもちろん、試験申し込みから受験日までのフォローなど、非常にしっかりしたものでした。詳細は後述します。

研修について

形式は一日7時間の研修を2日間、一週間空けて2日間、更に二週間空けて1日という合計5日間、35時間の研修でした。研修の間もeラーニングの宿題が出るなど、やはり難易度の高い試験対策の研修なんだと実感しました。

内容としては、最初の4日間はオリジナルのテキストを使用した座学でした。とはいえ、割と頻繁に名指しでの回答を求められること、そもそもの学習内容が多いことから、眠気を感じている暇は一切ありません。

宿題は、テキストの学習内容の復習問題(いっぱいあります)と実践形式の問題(こっちもいっぱいあります)の実施(全問正解するまで)となります。多いです。多いですが、これだけやってれば合格するんじゃね?という変な自信が付きます。話はそう簡単ではなかったですが。

研修の間で、受験申し込み(全文英語です)に必要な内容を事前に準備するシートに記載を求められたり、その添削結果が返ってきたり、宿題やってるかどうかのフォローが入ったりといたれりつくせりな感じです。

最後の1日で模擬試験と質疑応答の時間を取り、35時間の研修が終了となります。模擬試験の結果も結構よかったため、なんとかなるだろうと思いながら受験の申し込みを行いました。

一応、提供された問題は何回やっても9割以上は取れるくらいまではやっておきました。

受験申し込みについて

前職在職中からPMPの存在自体は知っていたのですが、完全にアウトオブ眼中(古い)だったのには当然理由があり、その中の最たるものが高い受験料でした。円安なこともあり、価格がより一層アゲアゲです。パリピか。

受験より先にPMIの会員になると受験料が割安になるとのことで、先にPMIの会員になりました。会費は139ドルと書かれていたのですが、消費税が掛かりました。んー? 会員の割引額が150ドルなので、損してないかな?

受験料は会員だと405ドルでした。こちらは消費税なし。でも日本円で55,000円強ですか。今まで受けた試験の中で一番高い感じですね。

とはいえ、費用はすべて会社が出してくれました。ゆめみ最高です!
さらっとスポンサーからの広告(自主的)を挟んだところで話を進めます。

PMPの試験では、36ヶ月以上のPM経験が必要(高卒だと60ヶ月だったかな?)となり、受験申し込み時にどんな内容だったのかを記載して提出しなければなりません。しかも英語で。

研修先の資料に例文もあり、特に苦労せずに盛って書いたのですが、問題はごくたまにPMIの監査対象になってしまうことがあることです。ほんとにそのプロジェクトをやったのか、ほんとに大学出てるのか、のチェックが入るらしいです。私の場合、記載したプロジェクトは前職在職時のものとなるため、前の会社に頭を下げにいく必要が出てきます。だいたい退職した人間のために一筆書いてくれるのかという問題もあり、試験会場を予約できるようになるまで終始びくびくしてました。

結果としては対象からは外れていたので杞憂に終わったんですけどね。

試験について

本当は大阪で受験したかったのですが、テストセンターが一箇所しかなく、さらに日程が全然空いていなかったため、次に近い名古屋での受験にしました。高く付くなぁ……

試験形式はPCの前でかちかちやるあれなんですが(正式名称知らない)、4時間の長丁場です。合計180問で60問回答するごとに10分の休憩を取ることができます。合計二回ですね。私はさっさと終わりたかったので二回目の休憩をスキップしたのですが、とても疲れたので休憩はちゃんと取ったほうがいいです。

割と今回はきっちり目に学習したので、そこそこ自信をもって本試験に臨んだのですが、いきなりよくわからない問題が出題され、その印象は試験が終わるまで変わりませんでした。なにこれ。

俗にいうシチュエーション問題(状況が書かれていて、こういう場合はどうしますか?ってやつ)ばかりで、単純な知識のみを問われる問題は一問もなかったような気がします。自信をもって正解だと思えた問題は一割にも満たない状況でした。

これだけ「問題解けた感」がない試験も珍しく、試験中は終始落ち込んだ状態でしたが、合格していてびっくりしました。あとで試験結果みてけっこうな高成績だったので二度びっくりしました。

本資格を学習・受験した感想など

少し真面目な話をすると、プロジェクトマネージャーは判断を迫られる職種だと思っていて、その基準は人によります。また、それは今までの経験に裏付けられているケースが多いわけです。前はこうやったらうまくいった、とか。

この資格(というかPMBOK)を学ぶことで、そういう状況下においての正解に近い判断基準を身につけることができると思っています。ただ、こちらを盲信するだけではうまくいかないことも事実で、そこを補完できるのが経験です。

よって、経験の浅いPMであればあるほど、この資格の学習を行うべきという結論になります。型を知らなければ型破りにはなれない、という言葉もありますし、まずはしっかり型(基本)を学ぶのが大事だと思います。しかし、経験が浅いと受験資格を満たせないんですよね。なにこの感じ。

この手の資格は合格して終わりではなく、どう使っていくかが重要なんですよね。精進しよう……


本試験について追記

この試験の勉強法について悩まれている方からお問い合わせをいただきました。いつもとは違い、ちょっと真面目に試験の勉強方法と解答の際に留意すべき点について述べておこうと思います。

PMBOKの知識について

PMP試験はPMBOKの理解度を試される試験でもあります。当然、この試験の対策テキストのようなものがたくさん出ていると思いますし、受験を検討されている方なら、そのいずれかをお持ちだと思います。そのテキストの内容は基本、完全に暗記してください(さすがに参考情報の部分は覚えなくてもいいですが)。うろ覚えで対応できるほど甘い試験ではないです。

また、受験される方は三年ないし五年のプロジェクトマネジメント経験があるはずですが、この試験は経験に基づく解答ではなくPMBOKに基づいた解答を求められています。解答に悩んだ場合は、PMBOKの理念に従って考えると正答にたどり着きやすくなります。

アジャイルとウォーターフォールのハイブリッドプロジェクトについて

現状の教材や模試で一番薄いのがここだと思います。どちらか一方の場合の知識は当然お持ちのはずなので、それらが組み合わさった場合にどうなるのかをしっかり学んでおきましょう。

シチュエーション問題について

最後は学習法ではなく解答法となります。この試験の問題は、ほとんどが「シチュエーション問題」と言われる、状況とシナリオが描かれていて、対応の選択肢を選んでいく形式です。模試も当然この形式の問題がほとんどを占めていますが、時折、解答に困るひねりを加えた問題が出題されることがあります。本試験のほとんどの問題はその「ひねりを加えたシチュエーション問題」でした。

これらは例えば、「今まで認識していなかったステークホルダー」といった形で出題されますが、わざわざ書かれている「今まで認識していなかった」という点が解答に関係があると考えれば正答に近づくことができるはずです。私の場合はかなり早い段階でこのことを違和感として気づけたのが合格できた要因だと考えています。

最後に

この試験は勉強さえしていれば四択問題を二択に絞ることは容易です。そこからPMBOKの理念や知識や勘、上記の違和感を読み取る国語力を総動員して一択に絞ります。これを正答の確信がないまま180問続けるわけです。気力も体力も削られる大変な試験ですが、最後までやり切ればチャンスはあると思います。応援しています。頑張ってください!


ここまでお読みくださり、ありがとうございました。拙いレポートですが、みなさまの一助になれば幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?