HLAB Alumni Interview #7-4 山根寛(大学生としてHLABを経験して得たこと)

HLABは2011年以来、高校生、そして大学生の多くの参加者が、各々のフィールドで活躍しています。

今回は、HLAB Alumniにインタビューをしていく企画第6弾として、2011年参加者、2014,15年大学生スタッフであった山根寛さんのインタビューを掲載します。

インタビューは4回に分けてお送りしてまいります。(第1回/第2回/第3回

第4回では、大学生として参加したHLABでの経験と、そこからの学びについてお話いただきました。今にも通じる、HLABでの経験や、大学生・高校生へのメッセージも存分に語っていただきました!

──2014年にHLを経験した後、2015年にもう一度HLABをやろうと思ったきっかけと、その経験と2011年含めた3年間を通して、日本の教育や高校生の教育に対してどう考えたかを教えてください。

山根:2015年にHLABに戻った時の理由としては海外大生としてセミナーを教えたかったということがあります。ECをすることになったのは、吉田茉祐さん(2015年副実行委員長)に「人が足りないから手伝ってほしい」と頼まれたからです。

それだけ当時ECをやっていたメンバーがすごく魅力的だったからですね。今でいう宇都木くんとかあすかさんとか、一緒に働いてみたいなと思ったからです。

HLABに関わり続ける理由として人の要素が大きいですよね。すごく消耗するというか、沈んだりとかもするんですけれども、人がすごく魅力的だから、その人たちと働きたいなという気持ちにさせるズルさがありますね。

──セミナーは教えなかったんですか?

山根:SL(Seminar Leader、海外大生として、高校生にセミナーを教える役割)とECの兼任をして、教えていました。兼任はいいとこ取りしてたっていう感じがあって。もともと条件としてはSLの方を優先するっていう条件でECを兼任させてもらっていました。

──ECとHL, SLはかなり違いがある役職ですが、2014年にやった時と違いはありましたか?

山根:僕の立場としては実はあんまり変わっていませんでした。SLといっても日本人SLと海外の大学生のSLは、良くも悪くも、高校生との距離感が全然違いました。だから、僕は一般的な海外の大学生のSLと日本人のECの、真ん中、ややECよりの立場だった感じがしていて、だから変わらなかったというのがあるかな。

セミナーは、日本人だから言葉の壁もないし、楽しかったです。自分の学んでいるテーマでセミナーをすることができて、自分自身がすごく楽しかったです。

──セミナーでは何について教えたんですか?

山根:即興劇について教えました。

──ある高校生は、山根さんの即興劇のセミナーを受けて、「すごく良かった。演劇に興味を持つようになった」と言ってましたよ。

山根:その子は、前から興味はあったみたいだけれども、さらに興味を持ってくれて。自分は大学で即興的の授業受けて、すごくいいなって思ったから、演劇に興味はなくても、全然授業として教えるのすごくいいものだなって思ったから、教えていたんですけれども、そういう話を聞くとやはり嬉しいです。

──HLABが終わって、社会人として働き始めてから8ヶ月経っている中で、HLABの経験が役に立っているなってということはありますか?

山根:仕事選びではかなり活かせていて、例えば1番大きかったのは横山さんが毎年講演でお話しされているPay Forwardって言う意識です。お世話になった人にじゃなくて、自分の次の世代の人に何ができるかということを考えていく意識は、自分が教育をやるにあたってきっかけにもなったことで、すごく大きい影響を与えた。

仕事の面では正直、まだ残念ながら職場で他の人に対してValueを発揮できている状態にはなってないです。でも、今でも高校生と大学生からいろんな相談を受けることはしていて、そういう機会があったら絶対に全力で返すようにしています。どう生きるのかは全然わかんないんだけれども、いつか良い形になるかなと思っていて。

別に、自分が好きでやってることだから、帰って来なくてもいいんだけれども。「次世代につなげていこう」という意識はHLABの経験ともつながっています。HLABにはその意識がすごく詰まっていて、とても素敵だと思います。だから、「また戻ってきたいな」ってふうに思うんです。

──アラムナイとしてのHLABへの関わり方ってやはり難しいのかなと思っているのですが、コミュニティの外部からHLABに関わるというのはどうですか?

山根:やはり、海外大生というステータスもあったりして、声をかけてもらえる機会がすごくありがたいなって思います。

もう1つは、何か頼まれ続ける、搾取され続ける(笑)。頼まれたら基本的に「やります」と言ってるからこそ、ちゃんとこういう関係性が続いているのかなっていうふうに思います。

僕も楽しいし、大学生や高校生と話す機会がもらえて嬉しいので、ありがたくもらっているんですけれども、お願いをされたら、まず「できるかな」というところから考えて、スタート地点はとりあえず「やります」から考えてお返事をするようにしています。だから、こういうような関わり方が今もできているんじゃないかなと思います。

──その関わり方はこれからも続いていくと思いますか?

山根:HLABの優先度が高校生・大学生の時に比べると落ちてきてはいますが、細々でもいいから何かしらコミュニテイに関わることができれば自分も嬉しいし、入っていてほしいなと思ってもらえるような人になりたいと思っています。

──山根さんの教育との関わり方を見ていくと、仕事では学校の先生と関わっている一方で、HLABでは高校生の生の声が聞けるかなと思うんですけど、実際はどうですか?

山根:僕の仕事だと先生という断面でしか学校教育を見れないんだけれども、やはりHLABだと現状の日本の教育システムに不満を持っている高校生とかとも話せる場だし、大学生もそういう意識を持っている方が多いので、視点が違うっていう意味で、本当に貴重ですね。

──これから応募をする大学生の方へメッセージを

山根:迷ってるんだったら、応募した方がいいと思います。全員に合うものではないけれども、HLAB嫌いだったという人もいるけれども、そういう人もHLABというプログラムは嫌いでも、人との出会いやつながりだけでも参加する意義はあるんじゃないかなと思っています。

1年を通しての時間的な投資は大きい分、HLABを通して何を得たいのかという点を考えた上で応募すると、HLABで実行委員として働くことになった場合に、得るものは多いと思うので、なんでHLABをするのかを考えることはいいことだと思います。

──高校生に対しては何かメッセージはありますか?

山根:高校生は、応募した方がいいと思います。僕は少なくともそうだったけど、大多数の高校生って自分の学校というコミュニティしか知らないし、わからないし、自分ではなかなか気づけない。

そして、楽しいので応募してください。迷ってるなら間違いなく応募した方がいい。HLABに対して迷ってるということは、HLABに参加してもいい経験をするだろうから。難しいこと考えずに応募したら、後悔しないと思います。

HLABと一緒に「多様な人々が共に住みながら学び合う」環境をつくっていきませんか?小さなサポートから、新しい時代の教育を!