HLAB Alumni Interview #3-4 林剛弘(HLABに大学生メンターとして戻った理由)
HLABは2011年以来、高校生、そして大学生の多くの参加者が、各々のフィールドで活躍しています。今回は、HLAB Alumni Interviewの第3弾として、2012年に高校生としてサマースクールに参加し、2016年に大学生メンターとして活動されていた林剛弘さんのインタビューを掲載します。
高校生としてHLABに対して抱いていた熱い想いから、大学生メンターとして戻ってくるに至るまでのストーリーを、全4回に渡ってお送りしてまいります。( 第1回 / 第2回 / 第3回 / 第4回 )
第4回は、大学生メンターとして再びHLABに戻ってきたときのお話、これからのキャリアについて伺いました。
──大学生として戻ってきてくれた理由はなんですか?
林さん: HLABが終わったとに恩返し的な気持ちもあったのですが、大学1年生で戻ってる人を見て、自分は大学生として戻れる力もないと思っていました。それで、修業しなきゃと思って大学のサークルを選んでたかもしれないです。ちょうどよく学園祭をやってみたかったというのもあったので、少しHLABのイベント企画に似てるなと思いながら、サークルを選びました。
──じゃあ戻ってくることを目標に、それまでの間、自分が好きだと思えることをやったのですね。
林さん: 満を持して感はありましたよね。かける思いは絶対誰にも負けないってのはありました、大学生として。
──高校生時代に圧倒されるがまま9日間終わったけど、あの雰囲気には帰ってきたいということや、自分が刺激を与えられるようになりたいと思いました?
林さん: 自分みたいな高校生が多いと思っていたんです。自分の高校時代は、決められた環境で育って、別に本人もそれでもいいとか悪いとか思ってないみたいなところがありました。だから、みんな東大に行くの当たり前で、もしかしたら先生の思惑通りなのかもしれないし、もしかしたら親の思惑通りなのかもしれないし、後々振り返れば本人にとっても幸せなことだったのかもしれないけど、自分としてはもったいないなという気持ちが当時ありました。
そういう経験をさせてもらったからじゃないですけど、それを強要するのも押し付けになってもいけないだろうなとも思いつつ、ただそういうチャンスを逃してるであればそういう人も教えてあげられるような機会くらいはあってもいいんじゃないのかなということは考えていました。
──では、高校生の時に参加して、進路についても考えるきっかけになったんでしょうか?
林さん: ありましたね、そもそも、特進クラスからSFC行く人はいませんでした。HLABを経て、自分が面白いと思えるところに進学したいという気持ちがふくらんで、アメリカに行きたいという選択肢まであるくらい、選択肢が広がっていました。
そこで、たまたま気晴らしでSFCの入試問題を解いてみたときに無茶苦茶おもしろくて。 いまだに覚えているんですけど、自分で新しい単位を生み出してく問題なんですよね、グラムとかcmのような単位を新たに自分で考える問題で、「なんじゃこりゃ」と。
今までは答えがある問いにしか答える訓練をしてなかったので、全然頭の使い方が違って、オリジナリティーみたいなのが求められて、自分自身の経験みたいなものがにじみ出てくる解答になるし、おもしろいと思って。気づいたら進学することを熱望していました。
──林さんは高校生としても大学生としてもサマースクールを経験してると思うんだけど、それぞれ違う体験だったのかなというのもあるし、かかわるかどうか迷ってる人に対して、高校生に対してメッセージがあればいただきたいです。
林さん: 高校生に関しては、僕はどっちかというとかなり狭い世界しか見てこなかったので、すごく不安なことがたくさんありました。英語もそんなにしゃべれないし、英語でエッセイ書くことも絶対無理だなって思っていたんですけど、やっぱりやる気があれば、どうとでもなるというのがあって、高校生だからこそできることっていっぱいあるなって思っています。親身に相談に乗ってくれる先生も学校に一人くらいはいるかなって思うので、自分で踏み出す経験は今でも役に立っているなと思うんで、迷っていると思ったら踏み出すという経験をHLABでしてみてはいかがでしょうかという
──ありがとう。たしかに応募する時からから始まっていたんですね。
林さん:ただHLABにかかわらずだと思うんですけど、自分がやりたいなって思うことに、自分の直感を信じて一歩踏み出すという経験は、なかなか大人になるとできないなって思います。なので、純粋に「これやりたい!」という気持ちで動ける時期で、やってみるということは大事だと思います。
──最後に、林さん自身が、どういうふうに今後仕事やキャリアを捉えてどういうビジョンを描いているかを教えてもらってもいいでしょうか?
林さん: 僕はまだ入って3か月目とかなんで、まだまだ揉まれている感じなんですけど、やっぱり大学生時代と違ってお金をもらって仕事をしているという、プロフェッショナルの意識をもって仕事に取り組むってやっていきたいって思います。うちではまだアシスタントって形なんですけど、クライエントからすればディレクターという立場で接しなければいけない、もちろんクリエーターさんに対しても、メールを書く時にもプロフェッショナルとしての意識をもって、一つ一つのアウトプットを出していきたいなーみたいな感じですね。メール一つとっても、メールもデザインだと思ってやってて、ビックリマークの使い方から丸の使い方から言葉遣いから全部デザインなので、プロジェクトマネジメントのコミュニケーションデザインとして意識していきたいです。
──林さんのお話を聞いていると、コミュニケーションや、人と人とをどうつないでいくかや、チームをどう作っていくかとかってところにすごく重きを置いてるんだろうなというのをすごい感じました。
林さん: 一番難しいところもあるんですよね。プロジェクトの成功にキーとなるのは、チームビルディングのところで、一番最初のキックオフの段階よりどれだけいいチームを作れるのかというのがほんとに技術的にも大事です。
やっぱりプロジェクトって最初に計画した通りには進まないものなので、そのときに状況を理解して柔軟に進められるチーム体制を作っておけるかどうかというところが、プロジェクトの満足度や、いいものを作るという観点からは本質的なのかなというふうに思いますね。そして、いい関係は、普段の細かなメールのやり取りからというところから生まれてくるのかなと思いますね。
──最後に、高校生としても大学生としてもHLABにいろんな形でかかわってくれている林さんですけれども、プロフェッショナルとしてHLABとかかわれるようなことってありそうですか?
林さん:もともとサマースクールは、亮介さん含めて、やったことのないことに取り組む姿勢はすごくあるなって思っています。そういう時にプロジェクトマネジメントの概念は、あまりなかったと思うので、そこら辺を伝えられるようになったら素敵です。そのためにいまは第二の修行として、プロジェクトマネジメントを極めていくつもりです。
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