『記憶:リメンブランス』より
「そのため、「織物絵画」は、一般的な絵画のように自然を模倣することを目的とはしておらず、「みずからが生みだす色・形あるいは感触などに刺激されながら、新たな要素を産出する」、「それ自身のなかに自然を生みだす絵画」だという。そして、「織る」「描く」という行為を繰り返すことに村山はこだわる。そこには身体が手順を記憶していくこと(身体記憶)と繰り返しのなかから生まれる自身の思考に興味が向けられている。」
関口昭郎「記憶の文法」『記憶:リメンブランス 現代写真・映像の表現から』東京都写真美術館、2024、140ページ(「記憶は遺伝するか:身体で問う 村山悟郎」)。