【鬼討伝-Enishi】蒼太という男。
先日行われた、「鬼討伝-Enishi」の通し稽古でボクが演じる蒼太という男について少しわかったことがあります。
自分以外のキャラクターを演じるということ
人には性格があります。
物静かな人、明るい人、短気な人、おっとりした人‥
そして物語におけるキャラクターにも当然、各々性格がある。
自分以外のキャラクターを演じる時はこれまでに触れてきた作品から近似したキャラクターを思い浮かべることが多いです。
例えば過去の舞台で演じた、スーツを着こなした悪役であれば天空の城 ラピュタのムスカとか。
今回の舞台で演じる蒼太という男はボクの中ではこれまでに触れてきた作品の中にいるようないないようなそんな気持ちでした。
まぁ彼の性格の一言で言えば堅物でしょうか? なので磯野波平さんのような厳格なイメージがあります。
ところが、先日の通し稽古で様々なキャラクターと関わる内に自分の中で「コレだ!」というキャラクターが頭に浮かんだのです。
それは、林与一さん演じる必殺仕掛人の西村左内です。
もちろん一から十まで蒼太と同じではありません。
必殺仕掛人の西村左内は真面目で人の真心を信じ、家族を大切にしています。
道楽者でどこか世の中を斜に構えて生きている主人公の藤枝梅安とは時にはぶつかりますが結局は一緒にいることが多いです。
それは、仕掛人という汚れた仕事をやっている共犯者意識なのか、自分と正反対の気質を持つものだからこそ磁石のようにひき合うのか。
今回、ボクが演じる蒼太も癖のある仲間たちに囲まれています。正直、みんな性格はバラバラです。梅安のようなキャラクターはいませんが、正反対な気質の仲間はいます。そして仲間ではありますが馴れ合いはしないドライな関係です。
真似はしない。
似ているような気がするキャラクターを発見したのは幸いですが、決して林与一さんが演じる西村左内のしゃべり方などを真似してはいけません。
それをしてしまうと舞台に立っているが蒼太ではなく、西村左内のモノマネをしている誰かになってしまうから。
なので参考にするのは西村左内の思考回路や立ち振る舞いですかね。
泣いても笑っても残り1か月。
やれる事は全部やって舞台に臨みます!
博多佐之助でした!