初めての通し稽古を終えて。
昨日、出演する舞台「鬼討伝-Enishi」の初めての通し稽古が行われました。
作品への理解を深める
この作品は人間と鬼との戦いが主軸でありますが、もちろん人間は人間たちの。鬼は鬼たちの生活があります。
ボクは今回、蒼太という人間なので普段の稽古では鬼役の方々と絡む機会だったり登場シーンというのは、そこまで知らない状態でした。
物語の上でも人間と鬼は互いの気持ちを知る場面はあまりないので鬼たちのことを知りすぎるのも良くないな~と思いつつも、同じ座組の方々の芝居がどんな感じなのかはやっぱり気になってしまうのです。
何より作品の全体像を知ることで自分の意識下から切り離す場面などがよりくっきりと浮かんできますからね。
緊張感との戦い
セリフを覚えるだけなら、そこまで大変な作業ではありません。
しかし舞台上でボクたちの口から放たれるのは「紙の上に書かれた文字」ではなく「血の通った言葉」なのです。
セリフを間違わず順序よく言うことは無論大切ですが、「この人が言った後に自分のセリフだ!」という意識が強すぎると詰めなくても良いリズムを詰むことになります。
…まぁ自戒を込めてのことです笑。「あ!この後が自分のセリフだ!」という思いが焦りとなり同じ文字数の次の次のシーンのセリフを言ってしまったり、二段目の上手からはけなければいけないのに一段目の上手からはけたりと緊張感に誘導されるようなミスを連発しました。
アクションシーンも自分も相手も体が強張っているのを肌で感じました。
本当に難しいことだらけです。
素晴らしい発見もあった
緊張しっぱなしの通し稽古でしたが素晴らしい発見もありました。
同じシーンにいるキャラクターの言動や行動が自然と蒼太の言動や行動を導き出してくれました。
正直なところセリフは脚本に書かれているので、どうとでも感情を乗っけることはできるんです。
ただ自分が話していないけど、板の上でお客様に見られている場面では腕の置き所1つから悩みます。
「動かない芝居」と「何もせずにそこで立っている」では同じ静の状態でも雲泥の差があります。
「何もせずにそこで立っている」では舞台上に蒼太ではなく博多佐之助がそこにいる訳ですからね。お客様から見れば「何で出演者でもないやつが舞台に立ってるの?馬鹿なの?」となりますよ。
部品は出来上がった
昨日の通し稽古はいわば、やっと部品が出そろった状態。ここから試行錯誤を繰り返して組み立てて大きなもの建設していきます。
本番に向けてますます燃え上がる博多佐之助でした!