映画を観たよ

長い長い夏期講習が終わると7日間の休みがある。ノープランのせいで虚空を見つめながら無為に過ごしがちな長期休みをなんとか充実したものにできないかと最終日にチンゲン菜を模刻しながら考えていた。

あ、映画観たいな

　ゆずアカ映画部員のイキイキとしたツイートを普段あれだけ見ていて映像に興味が湧かない訳がない。いつもなら富士のごとく高いハードルも今なら超えられる、そんな気がして昼休みにおすすめを募るツイートをした。

授業後、ツイートを確認したら予想以上の反応の速さ（すぐに返せなくてすみません）と出てきたタイトルの数に驚いた。

急いで全ての映画をメモしてレンタルビデオ店に探しに行き、「レンタネコ」「7番房の奇跡」「インセプション」「そして父になる」「白河夜船」の5本をレンタル、翌日を 映画にどっぷり浸かる日に設定して朝6時からのスケジュールを組んだ。

（ハードだった）

以下から感想文である。ネタバレせずに感想書くなんて高度なことは出来ないので見出しをつけることにする。好きなところだけ読んでください

映画も文章も初心者なのでお手柔らかにお願いします

では行ってみよう。感想ノート垂れ流し。

レンタネコ

涼しげな色彩が好みだった。明度差がなくて彩度の低い夏の色が単純にきれいだし のびのびとそこらを歩き回る猫たちと世界観が合ってて観やすかった。朝に持ってきて正解。アドバイスしてくださってありがとうございます。

猫を借りようとする人たち全員の苗字が「吉◯」で、「口」が穴ぼことリンクしているのか「大吉」「吉兆」みたいに良いことがありますようにっていう意味なのか。

二人目の男性、顔がめっちゃ左利きだった（右利きでした）。 なんかヤバくてよかったんだよなぁ〜。河川敷で背中丸めてガリガリ君食べてるのも猫借りるとき、書類を「まで（まで）って重複させちゃうのも やたら「スイマセン」って言ってるのも猫にマミコちゃんって名前つけるのも何もない薄暗い部屋に猫抱えて必死の形相で正座してるのも 全部「娘に嫌われてそうな中年男性」の感じ出ててツボだった。好きです。

しかしみんなよく借りる期間「〜まで」ってところ日付かかないよね。ゆるい書面がそうさせてるのか。

あと結局猫は貸さなかったけどとなりのおばさんも寂しいんじゃないだろうかと思ってた。おばさんに猫貸す展開を少なからず期待していた私。彼女の穴ぼこはサヨコさんが埋めてたのかも。

あれはおばさんなのk

ずっと思ってたけど言わない約束らしいです。ハイ。

やっぱり気になる 嘘つきハッタリの吉沢。嘘つきは泥棒の始まりか…ビールは袋入ってたけど買ったものなのかなぁ…個人的に彼が一番猫好きそうだと思った。

いい意味で現実味が無くてふわっと観られた映画だった。レンタカーのお姉さん可愛かった。

しかしサヨコさん結婚しなくても全然良さそうだよな、途中から彼女はどうして結婚したいんだろってずっと考えてた。

７番房の奇跡

これホントつっっっっらかった。開始１０分で早くも絶望してた。

字幕で観たんだけど、耳から入ってくる 知らない言語と目で追う 分かる言語がチグハグすぎて「入っていけるかな」と心配したのもつかの間、目線の誘導がうまいというか 画面の中で「見せる」ところが絞られてて気持ちが離れることなく最後まで見せられた。

画面のどこを見ていいか迷うことがなく、俯瞰する時間をあたえられなかったのも何倍も辛い気持ちにさせてるんだと思う。すごい。

個人的にはヨング（父）を見てるときのもどかしさよりイエスン（ヨングの娘）が内緒で入った房中で騒いじゃう時の「しっかりしててもやっぱり小学生かあ～…頼むから静かにしてくれ～～！」感にかなり削られた。（どこにダメージ受けてんだ）

でも尋問のところでイエスンをタネに脅され葛藤し、「やってない」と言えないヨングには頭かきむしった。

このシーン前後の（私含む）阿鼻叫喚はしばらく忘れられそうにない。

ヨングの死刑が確定して喜ぶ被害者側、その中で憎悪を露わに泣き叫ぶ被害者の母親、それを聞かせまいとイエスンの耳を手で覆う先生、晴れやかな顔で何度も頭を下げるヨング、「なぜ誰にも謝られないお前が謝っている！」と怒鳴る課長（彼はヨングが冤罪だと思い、助けようとする人間の一人）。この映画で数ある衝撃的な場面の中でも特にショックが大きかった。

そんなショックシーンとは裏腹に幸せシーンは涙が出るほど明るいんだよ。

煽りに煽られながら読み書きを覚える房長の可愛さも 電波を必死で探し回って、塀の外で生まれた子供の名前をつけて皆で喜んでるのも なにか謀りごとをしてる時のひそひそと団結してる感じも セーラームーンを歌い踊るイエスンの天使のような愛らしさも全部全部そこだけ見たらほほえましいし明るくて笑えるはずなんだよ。

でも常にバッドエンドがチラついてるせいでちょっとした幸せに毎回目潰し喰らってた。インセプションは腫れた目を冷やしながら観てました。

課長かっこよかった。気球の縄が鉄条網に引っ掛かったシーン永遠かと思うくらい長かった。大人になったイエスンが怒りに震えて泣いてるところグッと来た。ボンソンの成長は最高だった。雰囲気自体は暗くないのに相当重かった。子どもができてから観たらもっと辛いんだろうな。オススメされなかったら多分一生観なかったと思います。感謝。

インセプション

まーーー皆さん顔面がお強いこと！とにかくアーサーがドツボ。

顔もいいし体のしなやかさ？身のこなし？好き。スタイルがガチで好み。首とおでこが色っぽいよ～スーツベストに拳銃はずりぃって。性癖ですね～～

トビラの岩沢さんに拳銃持ってほしいんだよねマジチャカじゃなくても全然いいです

最初の方わかりやすい説明もないし結構「？？？？」って感じの世界観でまずついていくのに必死だったんだけど開始30分からいきなり面白くなって度肝抜かれた。

（※次の行から好きなところ語ってるだけなので読まなくて大丈夫です）

コブが次々と人を沈めて進むシーンめっちゃかっこいい。その前の周りを気にしながらサイレンサーつけるところも良かったな。あとモルをなだめるコブ…スゴクイイネ…あんな風に落ち着かせてほしいです。レオ様がレオ様と呼ばれる理由がもう一気にわかった気がした。レオ様だわ。

アーサーがアリアドネにするキスの指示、多分ジョークで、惚れるしかないずるさとか大人の色気とか余裕とかに心臓つかまれて「…グッ…！！」ってなった。無重力状態で戦闘するアーサーがイチオシ。スタントじゃないと聞いて、びっくり。ていうかホテルのシーンのアーサーが言動から服装まで何もかもツボ。顔がよけりゃー声もいいのかよ…ずりいぞォオイ…

「Paradox.」

革ジャン着てるアーサーも優勝してんだこれが。拷問されたい。「シャラップ」って言われたい。雨に濡れた時の髪型がエグい好き。耳後ろの毛のないところフェチズムすぎてニコニコしちゃう。神経質そうに一人一人敵を狙ってくアーサーとそれを押しのけて「夢なんだから」とデカイ一発をブチ込むイームス、いい。イームスといえばエレベーターでサイトーを誘惑するシーン大好き。サイトーの慌てた「ア、ア、ソーリー、…」がとてもいいです。

ユスフ！ユスフも好き！派手にもんどり打ったバンが無事で思わず笑顔で振り返ったらそーいや全員寝てたんだったの時のユスフかわいい

記念日のホテルのモルが美しすぎて本当に怖かった。なんだあの目力。あとアーサーの脚を撃つモルですよ。うっつくし。

アリアドネはタフ。かわいい顔してすっごい度胸

ロバートのおぼっちゃま顔もいいな〜

あーーだめだ、私キャラが刺さるとマジで抜けないタイプなんだな。

※ここまで語り

これ書いてる時点でもう二回観てるから結構いくらでも好きなシーン語れるんだけどこれから二回映画館で観る予定です。いきなりジャンキーになってて笑う。

キックの合図の音楽、それ自体は普通なのにボリュームやスピードの上下でこんなにも夢の中っぽさを出せるのかと感嘆。そうそう！こんな感じの悪夢ある！みんながこっちを見てる不自然な感覚も同じ。そういう夢も時々見るよね。

メイキングも見た。「共感してもらえる部分」と「オリジナリティ」のバランスみたいな話をしてて（うろ覚えですみません）、私も同じようなことを意識して制作してるはずなんだけどそのバランスが極まるとこんなにすっっごいことになるんだなあと感動。なにかを作るってやっぱりかっこいいな。

ちなみに私はラスト、現実（であってくれ）派です。

そして父になる

むむ、難しい何だこの映画。感想がはっきりした言葉にならない。

父にフォーカスされた作品のはずなんだけど、私はずっと母たちを見ていた。独特の覚悟と強くて大きな愛を持ち、他の誰にも背負えない、背負わせられない責任と共に毎日生きている母たち。

たまごで産まれない人間の子供、親が見てないところで羽化するセミ、人間の15年と自然界の15年。

ひっかかるキーワードはたくさんあれど、上手く繋がっていかないので言葉にすることは諦めようと思う。断片的に投げよ。

けいた君、よくあんな絶妙な緊張感の「無意識に大人の顔色をうかがう顔」ができるな

けいた君が逃げていった道が最初二股でそのあと合流するのめっちゃいいな（語彙力）

「内」のリリーフランキーさん色気あるね

「出来損ないだったけど〜…」でんきゃさんフラッシュバックして不覚にもフフってなった

福山さんは呼気が雄弁

エンドロールで井浦さんの名前を見て「えっこの人名前知ってるどこに出てたんだろ」ってなった。まんまと洗脳されているな

Twitterか。

ただ、エンディングはこれ以上、これ以外にはないなとは思った。唯一言葉にできる感想がこれ。

…というわけでね、、

最後の最後でこういった事故が起きましてね、、

これにて終了！！お疲れした！！

チクショー！！！

映画を観たいと思ってゆず垢で質問したのは大正解でした。

彼・彼女たちの「好き」に乗せてもらったら 今までちらりとも見えなかった世界が見えて、大げさじゃなく感動しています。映画ってすごい！

おすすめしてくださった皆さん、良い体験をありがとうございました。見る映画に迷った時はまた頼らせていただきますのでよろしくお願いします。