積み木ゲームを考えてみる
岩沢曲にはいわゆる「スルメ曲」と言われるような大変噛み応えのあるものが数多くある。同じ曲であってもその時々の自分の精神状態や環境の変化、経験によって解釈が微妙に変わることを知ってから、なるべくその時の自分の受け取り方を記録しておくことにしている。今回は積み木ゲーム。
「純情可憐なそんな言葉も朝が来ればすぐに消えちまう」という歌詞をどこで切るかで意味が変わってくることに気が付いたのはつい最近のことだった。
「『純情可憐なそんな言葉』も朝が来ればすぐに消えちまう」
「『純情可憐』なそんな言葉も朝が来ればすぐに消えちまう」
つまり「朝まで純情可憐だったのは『言葉』だったのかそれ以外の何かなのか」という事である。今回 私は「言葉」だと仮定して解釈を進めた。
その仮定でざーーっと読んだところ、曲作りの話かもしれないと思った。
夜、静かな空気の中フと浮かんだまっすぐで澄んだ「純情可憐な言葉」。それを追いかけて少しでもいい形にしようと こねていたらいつの間にか朝、しかも夜感じた 言葉が生まれた感動 なんてどこかへ消えちまってて…みたいなことを繰り返しながら岩沢さんは曲を作っているんじゃないかな
「月日が経つのは早いものさとすぐに確かなもの見失う」
しばらく時間が経って、その夜感じた何かは影すら追えなくなってしまう。
ラッタッタ 雨を待つ 積み木重ねながら
悲しいゲームだね くたびれて眠くなって
なんで雨を待っているんだろう。分からぬポイントその1。
雨を待つのってどんな時だろう。
雨の日には出来ないことをやりたくない時
雨の日にしか出来ないことをやりたい時
家にこもりたい、何もしたくない、
傘を使いたい、期待通りの雨に打たれたい
いや そうだ、岩沢厚治の場合 雨が「雨」であるかも分からないんだった。
雨・・・
恵みの雨を待っているのか!
似通った同じようなカタチをした「日々」という積み木を重ねながら、天からの贈り物を待っている歌詞 と読んだ。
待っても待っても雨が降らなきゃそりゃ「悲しいゲームだね」と笑いたくもなりますさ。笑ってる描写ないけど自嘲気味に笑ってるだろ、岩沢厚治。
ふさぎ込んでいた左手の中 夕べのしわくちゃが萎れてる
不確かだがそこにあったような まるで未確認歩行物体
夕べとはもちろん「純情可憐な言葉」が出てきた夜のこと。いじりすぎてしわくちゃになってしまった歌詞は彼が元の形を確かめる前に歩いてどこかへ行ってしまったよう。
考えてみてもいいが そんなにヒマじゃないけど
さっきすれ違った 場所探している
出たっ
「そんなにヒマじゃないけど」!
「そんなにヒマじゃない」はほんとにヒマじゃないのか。
時刻表の「今だって構わない」が「構わない」じゃなく聞こえるように、十中八九彼はヒマで、しかも考えてみてもいいことは大事なことだろうと思うんだが。
「すれ違った」もまた「交差/点」「交差点」問題みたいだな
食い違った、噛み合わない、みたいな意味で使ってるのか、それとも「すれ違い通信」のすれ違いなのか。私は前者を推す。
そうさ 次を選ぶ 深呼吸
交差 ほづれた糸直す途中
ここね、ちょっと混乱したの。「ほづれた」
「ほつれる」と同じ意味かなあ。
そしてさらに「もつれた」と混ざってた。一つのキレイなものだったのが触ってるうちにほつれてきて、それを直す途中なのね。なるほどなるほど
交差っていうのは編んでる動作だろうか。ほつれた糸の端っこを一本一本交差させて編んで、元の形に直そうとしている みたいな。
だとしたらなんて繊細な作業なの!!
そんな気持ちで歌詞を紡いでいるのね!
おかしなところに胸キュンは転がっているものである。
(※ここまでの解釈は全て妄想です※)
自分のためだけに生きてみれば いつの間にずいぶん背負い込んで
自分のためだけに生きるって?
全部のことを自分一人でこなそうとする
自分の利益しか考えない
やりたいことしかやらない
他人がどうなろうと知ったことではない
…うーん
期間はどのくらいだろうか。
曲ができない少しの間、混乱して周りなんて見えない状態で生きていて 気づいたら随分背負い込んで ってことかなあ。
そもそも自分は彼自身かも怪しいんだよなぁ!
こうなるともうダメである。無限の分岐に踊らされてしまう。岩沢曲はこれだから恐ろしいのだ
次の歌詞に「君」という二人称が出てくるから もしかしたらその人を見て、「あーあーそんなに背負い込んじゃって」みたいな感じかもしれない。
間違って君になれるとしたら逃げ出す準備は怠らない
まあ「間違っても君にはなりたくないね」ってことなんだろうけど
まず君とは誰なんだ(迷)
北川さんか?「なりたくない」にリスペクトを感じるか否かがわからない。未来の自分に託そ。
それは意味のないカタチを急に変えて つまらない話真に受けるカラクリ
それとは??カラクリ?意味のない形を持った何か?どっちだろう
「それはつまらない話真に受けるカラクリ」
「それは意味のない形を急に変えるもの」
「それは」がどこにかかるのか問題発生…
ハイッ、保留!この一節は一個もわからん!ヨロシクな三年後の私☆
もしくは皆様のご意見をお聞かせください!!!
電車の音、目覚まし(発車ベル?)の音
毎日電車に乗って仕事場に行く。行ったかと思えばいつのまにか家に帰って寝ていて、また目覚ましに叩き起こされている っていう速すぎる時間の流れを感じているのではないか。
あと目覚まし二回鳴るんだよね、スヌーズか?
(サビ繰り返しのち赤ちゃんの泣き声、ハープ)
俺も赤ちゃんのように思い切り泣いてしまいたい気持ちだよ!という感じかな
なりふり構わずに泣いたり笑ったりできりゃいいのにな的な。
赤ちゃんの泣き声って割と精神を圧迫する音ではあるからその意味も無くなさそう。
その後のハーモニカも泣き声っぽい感じで鳴らしてるし はっきりした意図があってこの音入れてそうなんだよな。
…あっ、曲終わった
後半に謎がかたまり過ぎてて若干のモヤつきは残るものの、自分的に前半のしっくりき具合が気持ちよかったんで積み木ゲームは
「曲ができねえ!泣きてえ!でも落ち着け俺!」という気持ちを歌った曲、という解釈に着地したいと思う。
長々と書いておいてラストのこの空中分解感。いつかまた書くので許してほしい。読んでくださってありがとうございました
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