ある男の物語=誕生日に感じる事①足裏の隘路と足の神様
●ある男の物語=誕生日に感じる事①足裏の隘路と足の神様
その男はROJINか老仁か老春か、「移ろう、映ろう」この世界に運命のひとひねりが欲しいと願う。
首肩の痛みが治まったと思ったら、今年に入って、足裏の痛みを特に感じるようになった。左右の身体の歪みからか、足の母指球辺りの皮膚が固まり、全身を巡る神経が圧迫感を感じている。その男は歩くことが面倒になり、外出さえを避けるようになってきた。本当は歩行運動などで筋肉を鍛えなければならないのに。
その男は朝の散歩やストレッチなどは毎日続けており、週1回のカイロプラテックで骨と筋膜の矯正をしている。足の専門医で足の形に合った中敷きまで作って、足裏の形を整えている。普段から、歩く時でもお腹を引っ込め、深呼吸を意識し、身体の中心線を考え、建物や歩道などで真っ直ぐな線を見るようにしている。
どうやら、強剛母趾(きょうごうぼし)と呼ばれるもので。足裏母趾の付け根の関節が腫れて、関節炎や骨の突出(骨棘)が出て痛みが出ているようだ。今は左足親指の母趾が上にそり返り、足が攣る時がある。消炎鎮痛剤や靴の中敷きで治療を行うが、改善がない場合は手術になるようだ。
足の守り神はいるのだろうかと、その男は考えた。大阪府豊中市の<服部天神宮>「足の神様」として知られているようだ。菅原道真公が足の病からご回復され、太宰府まで無事到着されたことにちなんでいるが、この辺りにその男は40年以上前に住んでいたいたのに知らなかった。また、岡山県赤磐市和田の<足王神社>は大国主之命、手名椎之命、足名椎之命の三神を祀り、足のけが、病気に霊験あらたかと評判らしい。
その男の足裏に隘路のように取り付く疫病神は、頭をぼんやりさせ、喉や肺も想像以上に弱らせ、神経圧は精神まで影響する。物書きとして言葉は出て来るが、文章を紡ぐことが出来ず、投稿などを少なくなった。「くわばら,くわばら」とまじないの言葉を唱えたくなるが、神仏頼みに「心映えの旅」に出ようかとその男は本気で考えている。