100kmウォークを完歩するために (1)
はじめに: このnoteの位置づけ
100kmウォークの大会は沢山開催されていて,当然,参加者数も多いです。
100kmウォーク完歩に参考になりそうな良い記事もすでに沢山あって,どれもとっても役に立つのですが,最適な方法は当然ひとそれぞれ。
紹介されている方法がバッチリ自分に合うこともあれば,「うーん,ちょっと違うな」と思うこともあります。
(例えば,こちらの「えだ旅」さんの記事や,こちらの「せいじ」さんの記事,「すもっしー」さんの記事などは,とても良い記事だと思います。)
とりあえず,参考になる情報が沢山あれば,自分にぴったりな情報を見つけられる可能性も高まるはず!
そんなわけで,私の体験をご紹介したいなと思います。
私について
年齢は30代後半〜40代前半。
普段はこの10年程度,週に2,3度,1キロ7分くらいのペースで5キロを走るくらい。(キロ7分は学生時代から全く運動してない人ならちょっとキツい。でも,運動に慣れた人なら軽いウォーミングアップ程度。ジョギングを始めて1ヶ月くらいで到達できるペースです。私にはキツいですが…)
年に1-2回,日本北アルプスの表銀座,立山,八ヶ岳など,有名どころの高い山にお出かけしたりもしています。(これらの山は「縦走」と呼ばれる山小屋なんかに泊まりながら2-3日,1日8時間くらい歩くスタイルで歩いています。)
決してよく運動する方でも,運動が得意でもない。
とはいえ,まったく運動しない・嫌いというわけでもない。
…という,とっても微妙なラインです。
100kmを歩くなんて,運動が苦手な人はまずしない。なんなら,普段からフルマラソンとかやってて,体を動かすの大好き!っていう方でないと,やろうとは思わないだろうから,100kmウォーク参加者の中ではかなり特殊な層だと思います。運動能力面でもやや下位に位置すると思います。
私と100kmウォーク
これまでに参加した100kmウォークは2回(2回とも完歩)。
2回とも小田原〜東京を歩く「東京エクストリームウォーク100」。
初参加は2019年6月。2回目は2022年6月。
掛かった時間はそれぞれ,24時間半と,22時間半でした。
初回は,事前に2回くらい,各30km程度を歩いて「まぁ登山とかで,多少荷物を背負って,8時間くらい歩くんだから24時間切りはなんとかいけるよね」と思ってトライし,30分オーバー。
2回目は「少なくとも24時間は絶対切ろう」と,結構練習をして臨んだ結果,なんとか,満足いくレベルの結果を出せました。
ちゃんと準備してたら,初回でも,もう少し楽にいけた&目標通り24時間切りできたのでは…と,後悔しています。
ちなみに,2回目用の練習から長距離移動が楽しくなってきて,練習をはじめてこの1年,月に3回位の頻度で1回20kmを越える長距離お散歩に出かけています。
100kmウォークにはどんな人が参加しているか
男女とも20代くらいの若者から,60代。数は多くないですがそれ以上の方もちらっとお見かけすることがあります。
そんなに運動しているように見えない,ふくよかな方や,線が細くて大丈夫かなと思うような方,そんな装備で大丈夫かと思う軽装・カジュアルスタイルの方など,バラエティ豊富です。
が,そこは,わざわざこういう大会に参加しようという人々。
上記のような方々に限って,ものすごいスピードで歩いて行かれます。びっくりします。
どのくらいの人が100kmを歩ききることができるのか?
いくつかの大会サイト見てみた感触では,多くの大会の完歩率(規定時間内に最後まで歩く人の割合)は概ね75%くらい。移動時間のボリュームゾーンは22時間から23時間くらいのようです。
全体の3/4の人が100kmを普通に歩ききり,リタイヤするのは1/4程度。
途中,信号待ちや休憩もあるので,終始時速5キロ(1キロ12分ペース)で歩いている感じですね。(公道なので当然信号があり,「信号待ち」が生じるんです!時速5kmぴったりで歩けても20時間でゴール!にはなりません。)
きついって聞く割に,3/4が最後まで歩けるって,結構楽勝じゃない?と,思いますよね?でもこれ,数字のマジックなんです…。
練習も重ねたし,バッチリ!と自信満々で臨んだものの,コースも終盤にさしかかり,疲れてのろのろ歩いているところを,ご高齢のほんわかした女性参加者の方に追い抜かれていったりして「わっ…わ…」と,なったりすると,この数字のマジックを思い知ります。
わざわざお金を払って,20時間以上かけて100kmを歩いて移動する大会に出ようという方々です。面構え…は,一般人と違わないのですが,体力などは「世の中一般の平均値」とは全く異なるということですね。
なので,「3/4がゴール」「22時間から23時間がボリュームゾーン」という情報は,実はあんまり当てになりません…。
そもそも「まる24時間近く,時速5km位で行動し続けられる/すくなくともその自信がある」アスリートが参加しているから,一般人の集団ではない。
まれにそうではない方(お友達に誘われて軽い気持ちで参加,思っていたより体力が落ちてた,体力レベルの自己認識が苦手で難しさが分かってなかった,など)・思わぬアクシデントに見舞われた方(足にマメができてしまった,足をくじいた,前日寝不足で疲れている,など)が,脱落していて,それが全体の1/4くらいいる。
…という風に見るのが正しそうだなと思います。
自分のレベルを正しく知ろう
この視点が入門系サイトを見る上でも,とても大事かなと思っています。
たとえば,既に紹介したこちらの記事の「えだ旅」さんは運動慣れしておられるご夫婦なご様子。ベースが3/4の完歩者,さらにその中の少なくとも中位以上には位置しそうです。
一方,こちらの記事の「せいじ」さんや,こちらの記事の「すもっしー」さんは,元々は余り運動慣れしておられず,その視点からのサポート記事を書いてくださっています。
おのずと視点は異なってきますので,まずは自分を「100km歩くような運動が苦手ではない/体力が一定以上ある」人という枠の中に当てはめてみたときに,どの辺りに位置しそうかな?というのを「正しく」認識しておくとよさそうかなと思います。
では,どうしたら正しく認識できるのか?それは「有料ゾーン」で公開…しても良いのですが…
とりあえず,20km歩いてみる。あるいは10km走ってみる。というのである程度判断できるのではと思います。
20kmを休憩時間込みで5時間くらいで歩ければ,あるいは,10kmを1時間半以内で軽く走り抜けられたら,ひとまずエントリーはしてもよさそうかなと思っています。
(歩くとの走るのとでは,色々違いもあるので歩く方が良いと思うのですが,走る方なら色々時間を節約できて手軽なのでひとまず…。)
もちろん上記は目安。下回ってしまっても,この後の練習で巻き返せる可能性はバッチリあります。現状で,上記をクリアできたら,この後少し練習していくと完歩の確率はかなり高そう。完歩できた3/4の人たちに近いベースを持っていそう。というのが私の感覚です。
おまけ:例外
何事にも例外はあって,学生時代に何も運動してなかったし,今もそんなに運動もしてないけど,余裕で100kmいけちゃいました。みたいな人もネットの世界ではそこそこ見かけます。うらやましいですね。
私は週に2-3回まじめにジョギングしてるつもりですが,冒頭に記載の通りのペース。冬場に調子が良いときで,キロ6分でなんとか5kmを走るのが精々で,フルマラソンなど想像も付きません。
一方で,こちらの「地主さん」みたいに,練習するとどんどん成果が出ちゃう人もいます(全く運動してこなかった30代がフルマラソンを走る)。
おまけ:練習
この後のnoteで記載する予定ですが,練習はやはり大事です。
上の「地主さん」もしっかり練習なさってからのフルマラソンです。
慣れていない人が,練習なしに100kmに挑んだ場合にどうなるかについては,こちらのヨッピーさんの記事が参考になります。
むしろ,ぶっつけ本番でここまでできてスゴい!!フィジカルエリート!!という印象。(途中で温泉なんか入るから,足の裏がふやけてマメが破れて,リタイヤになってるんですよ。って教えてあげたい。)
私は初回練習の30kmが本当に大変だったので,事前練習なしでは40kmも歩けなかったと思います…。