「今日の仕事は楽しみですか」の本質
昨日はこの話題でもちきりでした。
品川駅港南口への通路、通称「社畜回廊」と言われているところのデジタルサイネージで出ていた広告。1日で広告を取り下げとなったが、いいわるい関係なく広く知れ渡ったので、知らせるという点だけでいえば「強い広告」だったなとおもいます。
そもそも、
「今日の仕事が楽しみなビジネスパーソンを増やす。」
というのが根底の考えというか想いとしてあったわけなので、そこまで見れば「まぁわかる」っていう感じなんですが、そういう前提完全抜きで「今日の仕事は楽しみですか」なんて言われたら、そりゃあキツいわなって思います。
僕自身の場合感じる事は、「自分の裁量であれこれできる仕事だったら、ビハインドな状況でも今日の仕事は楽しみ」ってなると思います。そうでないなら、そりゃ楽しみだなんて思えないなって。そこには心理的枷の問題や会社の文化的問題などいろいろとあるんじゃないかと思いますし、今日の仕事が楽しみとか思える層って、そうじゃない人たちと比べてマインドから動き方までぜんぜん違うわけなので、この「仕事は楽しみ」構文って、刺さらないよなぁ、いや、刺しすぎるよなぁって思うわけです。刺しすぎるが故に話題になるし、正直この状況まで全部織り込み済みで広告展開したっていうなら、仕掛けした人、かなり優秀だと思います。
さて、この「今日の仕事は楽しみですか」の本質に迫っていこうと思います。
これ、品川の例の社畜回廊で流したからこういう話題になったのかと思いますが、これが例えば六本木とか赤坂とか青山とか恵比寿とか、こういう文化に慣れている層の所に出したら、もしかすると話題にあまりならなかったのかなという印象も個人的に受けてます。こういう言葉を割と簡単に使う企業って意外とジョブディスクリプション等の表示がしっかりしてるかなと思って、採用ページを見てみました。
やっぱりです。そこいらの企業さんとぜんぜん違います。ジョブディスクリプションかなりがっちりできてます。Indeed的にも「いいオウンドメディアリクルーティングやってるね」っていう評価がでるレベルです。おそらく、こういう仕事に対するオープンな文化を持っているようなところが増えたら、こんな話題にもなっていなかったんじゃないかなって思います。ここまでちゃんとしているJDなかなかないですから。LINEさんやサイバーエージェントさんのJDもなかなかいいですしね。
じゃあ、その他の企業さんとかの求人情報ってどうなっているかというと、未だに平成初期のようなものしか出てないところが多いです。おそらくまともなJD書けてないんじゃないかなと思います。
所詮、自分の裁量で仕事が出来ないそういう環境が多いなら、せめてJDくらいちゃんと表示して、それで納得して働けるならそういう話にもならないかなぁって思います。
この今回の「今日の仕事は楽しみですか」の言葉の本質というか、あぶりだされたのは「職場格差」「職場文化格差」じゃないのかなって思います。JDちゃんとしてないと、本当に単なる「仕事ガチャ」ですもん。だから、誰もが不幸にならないJDを各企業はちゃんと作る!をマストにしていけばいいんじゃないでしょうかね。
でもまぁ、このままだと10年経ってもそんなに本質は変わらないような気もしますけどね。
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