2.説得
ここからは軽度のアニマルホーダーである叔母とのやりとりについて書いていこうと思います。
正直、Instagramを始めて、動物たちとの生活の仕方についてや我が家のライフスタイルについて書いている者としては書くのを躊躇いました。ですが、皆さんには少しでも早く身近にいるかもしれない「アニマルホーダー」に気づいて欲しい、不幸な動物を減らしたい、その思いで綴りたいと思います。
結論から言うと
猫17匹の保護はできませんでした。
これは私がアニマルホーダーについて十分な知識のないまま叔母の説得をしたことと叔母と保護団体様の間に何らかの亀裂が生じてしまったためです。
本当に猫達には申し訳ないことをしてしまったと思っています。
〇叔母の家
叔母の家は山間部で土地も広く、車通りもあまりない場所です。
猫が少数であれば、最高の庭付きの家だと思います。
ですが、実際は庭に猫が数匹、木陰に数匹、家の中にも数匹と歩けば必ず猫に遭遇するぐらいいました。
玄関に入った瞬間から勝手口に置かれた猫のトイレから漂う糞尿の臭いと、あちこちに置かれたご飯のにおいがしました。
夏場は勝手口に置かれたトイレとご飯のにおいが風に乗って漂い、冬場は閉め切りで暖房をつけるため、マーキングのオシッコの臭いとご飯のにおいが合わさり、かなりの臭いになります。
決して叔母がトイレやご飯皿の掃除をしていないというわけではないんです。ただ、どんなに掃除をしても匹数が多ければその分臭います。
猫と暮らしている私でも感じられるほどの臭いなので、暮らしたことのない方からすればかなりの臭いだと思います。
〇叔母の猫の暮らし
猫の数が13匹から17匹になった時でした。
叔母の娘である従姉と話していると、あまりの猫の多さに家族が疲弊しきり、空気が悪いと伝えられました。
猫達にも亀裂が生じているようで、最初に保護した子猫は成猫になり、いなくなってしまいました。また、三毛猫の1匹はストレスからかもう1匹の三毛猫を虐めるようになっていました。別の猫はストレスからマーキング行動を取り、子供たちに追いかけられ、人間不信になっていました。
外で暮らしている子の中には身体が生まれつき小さく、私が叔母の家に行った時、目ヤニが付き、毛並みも悪く弱っていました。恐らく「猫風邪」のようなものになっていたのでしょう。
そして、ある日、衰弱し、庭で横たわっていたのを見つけた時には虫の息で、その日のうちに亡くなったそうです。
「保護施設や保護団体に保護してもらうのはどうか?」
叔母と従姉に伝え、近くの保護団体のサイト、保護団体の活動の様子などを送りました。また、多頭飼育崩壊を起こした実際の現場の動画なども従姉には送りました。
ですが、動く様子がありません。
ここから「アニマルホーダー」との戦いが始まります。
〇孫の説得
猫が17匹です。もう個人が飼育できる数は超えています。
従姉は猫の数を少しでも減らして猫達が平穏に暮らせるようにしたいようでした。
せめて子猫4匹だけでも里親に出そうと私の友人に子猫をもらってくれないか?と聞きましたが、良い返事はもらえませんでした。
叔母に「猫をどうしたいのか?」と聞くと、
「多くて困ってはいるけど、孫が泣きつくのよ」
と、言ってきました。
なんとか子猫を手放す説得をするため、「孫が泣きついてきてかわいそうで」と言う叔母に「孫の説得は私がしようか?」と言うと、「お願い」と言ってきました。
ビデオ通話で孫に「今の猫の数をどう思う?」と聞くと「多い」と答えました。このまま、孫を説得できれば!と思いましたが上の子は終始無言、最終的には部屋を出て行ってしまいました。
せめて下の子だけでも、と思い、命の大切さや飼育状況の説明などをしました。そして、そのことを教えなかった大人として彼らに謝りました。
最後に「保護団体に引き取ってもらって幸せになってもらおう」と言いました。この時、すでに下の子は大泣きです。気持ちは分かります。突然、猫との別れを告げられたのですから。
ここでビデオ通話は切れました。
電話の後、叔母から電話がかかってきました。
叔母は「孫が泣きついてくる」「孫がかわいそう」と言い。
「このままじゃ、猫も人も幸せになれないよ」と言うと。
最終的に、叔母は「やっぱり、うちで子猫4匹引き取る」
と言ってきました。
孫は多いと理解しているのに、なぜ大人が理解できないのか?腹立たしくも思いましたが、私もこれ以上この問題に関わるのは、自分のストレスにもなるからやめよう、と思いました。
最後に嘘で
「友人が子猫引き取ってくれそうだったけど断るわ」と伝えると
「お友達に渡すにしても検査やワクチンとかするんでしょ?」と言ってきました。
命よりお金なのか?
確かに友人に渡すときは最低限の検査は受けさせようと思いました。これは子猫の持つ感染症によっては友人の猫にも感染してしまう可能性があるからです。しかし、費用は私の方で持とうと思っていました。
ですが、まさか最初に聞いてくるのが子猫をもらってくれる人がどういった人なのか、本当に幸せになれるのかではなく、1万円もかからないお金の話ということには流石に呆れて物が言えませんでした。
〇次回から
2章を読んでいただきありがとうございます。
次回からは叔母への説得を書いていこうと思います。
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