死んだあとに残るもの
親しい人を亡くす経験は、まだ1度しかない。
小学2年か3年のとき、曾祖母が亡くなった。癌だったけど、最後までお家で過ごすことを選んだらしい。年に1度会いに行くだけだったけど、曾祖母は最後に会った時も変わらず明るくて床に臥せている様子もなく、私は病気だということすら知らなかった。亡くなったと聞いても、全然実感が湧かなかった。泣かなかったと思う。お通夜に行ったけど、曾祖母の名前が「ハルミ」だということを初めて知ったことしか記憶にない。そういえば私、ずっとひいおばあちゃんって呼ん