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24.10.25  ザクロ 鬼子母神

 今日初めてザクロを食べた。

ザクロにも色々な種類があると聞くが、今日食べたのは皮が紺っぽい色のもの。中はピンク色の小さなつぶが無数にあるが、皮のすぐ内側が肌色のような色をしている事もあってあまりグロさは感じなかった。

甘さは個体差あるものの、味は癖がなくてさっぱりとしている、と個人的に感じた。そこまで甘くない個体を食べたとき、なんだか野菜のようだなと思った。食感も、とても面白かった。粒も若干ざらついているだけで、そこまで歯ごたえは感じなかった。

ザクロを食べているとき、不意に鬼子母神の逸話を思い出した。

鬼子母神になる前の、鬼であった彼女が、仏様に人を食べることをとがめられ、自分も人様の子どもをさらったように、罰として仏様は彼女から末っ子を取り上げた、というお話を本で読んだことがある。

彼女は仏様に、娘を帰して欲しくば人間を食べるのをやめなさい、と言われ、泣く泣くやめた。その際、人間の肉の代用として、ザクロの実を与えられたらしい。


遙か昔、自分が子どもの頃読んだ話ではあるが、あまりにも印象的すぎて今でも忘れずにいた。

当時は、人間の肉とザクロって似た味なんだなあ~としか考えておらず、またあまりザクロに興味がなかったため、そういうもんなんだと思っていた。
しかし、今日おもいがけず食べて見て、

「そんな訳ないだろ」

という気持ちと、

「でも赤子とか子どもはみずみずしいと表現されていたし、もしかしたらこんな味だったのかも」

という気持ちが同時に存在し、揺れ動いていた。これのせいで一つめを食べているときは正直味どころではなかったのも事実である。

本当にそういう味だったのか、ただ分かりやすく伝えるための表現の一つだったのか、真意はわからないが、ザクロは普通に味に癖がなく食べやすいので、まだ食べたことがない方は、試しに一度食べてみることをおすすめする。


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