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"B3 Research" 〜24-25 B3 第6節 香川ファイブアローズvsヴィアティン三重 マッチレポート〜


第7節プレビュー

徳島戦のGAME2でようやく連敗を止めた山口。
ホーム初勝利を目指して今節はヴィアティン三重との対戦となる。

三重はここまで非常に苦しいシーズンを送っている。
開幕戦のしながわとの一戦に勝利した後、立川・岩手・金沢・香川に連敗。1勝9敗と最下位に沈んでしまっている。

さらに、金沢戦の前には笹山の横浜ビーコルセアーズへの移籍が発表され、エースの引き抜きにもあってしまった。

そんな難しい時期を送っている三重であるが、前節の香川との2試合では、それを感じさせない良い内容の試合を見せていた。

GAME1では佐脇が躍動。3Pシュートを7/7本と100%の確率で成功させ、今シーズン初めての2桁得点を記録した。

また、2試合通して宮﨑、マクレイの得点力は香川の脅威になっていた。
宮﨑は機動力、3Pシュートの決定力を持っており、チームのオフェンスを支える選手である。
マクレイはインサイドの強さもありながら、柔らかなシュートタッチが印象的だった。特に左手のフックシュートは非常に決定力が高く、警戒が必要だ。

上記で挙げた3人はスタメンの選手たちであるが、ベンチプレイヤーでは川田に注意をしたい。三重の中では、最もスピードを強調してくる選手で、ペイント内をドライブで切り裂き、得点アシストを生み出していた。

GAME2ではドッドや溝口といった選手らの活躍もあり、オフェンス力としては香川に十分対抗できる力を持っていたように感じた。

GAME2では佐脇の3Pシュートの試投数を終盤まで抑え込まれてしまったことによって、悪い流れを断ち切れなかった印象だったため、山口としても彼の3Pシュートには要警戒をしたいところである。

ディフェンス面ではドッドとマクレイがゴール下で存在感を発揮している時間帯は香川のオフェンスを止めることができていた。

一方で、香川の速攻からのアウトサイドシュートを止められず、流れに乗り切れないシーンが何度かあった。
香川の決定力の高さがなせる技かもしれないが、三重から勝利を奪うためにはアウトサイドシュートの決定力が必要となるであろう。

山口としては、自身のオフェンス面での課題を克服することが、そのまま三重攻略の鍵となる。

GAME1
香川93-86三重 
(25-27,18-15,27-18,23-26)

スターティング5
香川:チャップマン・高橋克・デイビス・満尾・近藤
三重:宮﨑・佐脇・マクレイ・高松・ドッド

-1Q-

立ち上がりから香川が仕掛け、それに三重が対応する展開となった。
香川は3.チャップマンがドリブルでペイント内に進入し、外で待つガード陣が素早いタイミングでシュートを放っていた。
ディフェンスでも4.高橋、5.デイビスを中心に高い位置からダブルチームを仕掛けており、アグレッシブな姿勢が垣間見えた。
ただ、香川の仕掛けに対して冷静な対応を見せる三重。ターンオーバーでボールを失うことなく敵陣へ進入し、良いシュートを放っていった。
7.佐脇の3本の3Pシュート、25.マクレイのゴール下での左手のフィニッシュを中心に得点を挙げながら、ベンチから出てきた3.川田もスピードと外国籍選手のピックをうまく使いながらシュートを放ち、8得点を挙げる活躍を見せた。
香川は嫌な流れになりかけたところで、3.チャップマンの連続得点でそれを断ち切り、放ち続けた3Pシュートを決め切ることでゲームをつないでいた。3.チャップマン、4.高橋、9.請田、13.高橋、22.近藤で5本の3Pシュートの成功がそれを物語っていた。
互角の攻防が続いた1Qは25-27で三重の2点リードとなった。

-2Q-

2Qになると、1Qでは我慢できていたターンオーバーが三重に出るようになり、徐々に流れが香川に移っていった。
香川のディフェンスに大きな変化があったというよりは、立ち上がりからかけ続けていた圧力がようやく効いてきたといった方が正しいような印象を受けた。
ただ、1Qでチームを引っ張った1.宮﨑、3.川田、7.佐脇を投入した三重が再び流れを引き戻すことに成功する。
入ってすぐに7.佐脇が3Pシュートを決めると、25.マクレイがゴール下での強さとシュートタッチの柔らかさを発揮し、0-7のランを作ってオフィシャルタイムアウトに突入。
タイムアウト明けは16.満尾のバスケットカウント、1.宮﨑の3Pシュートで3点ずつを挙げるがその後は重苦しい展開が続く。
香川はペイント外から放つシュートがなかなか入らず、三重は25.マクレイ、7.佐脇以外の得点パターンがなかなか見つけられていないように見えた。
終盤は互いにフリースローで得点を奪い合いながら進み、最後に香川4.高橋が3Pシュートを決めた。
43-42と香川が逆転を果たして前半を終えた。

-3Q-

後半立ち上がりは35.ドッドのインサイドの強さを強調し、三重が最初に得点を挙げる。
ただ、香川の方もリバウンドからの速攻、機を見てのダブルチームの仕掛けとディフェンス面から三重を押し返していく。16.満尾の3Pシュートに始まり、4.高橋や3.チャップマンらが速いタイミングでシュートを決めていった。
すると、香川のディフェンスの圧が少しずつ三重のシュートタッチをずらしていき、香川がじりっじりっとリードを広げていく。
敵陣での圧力を強め、三重にスピードを上げさせてペイント内からのシュートタッチを狂わせ、三重が強引に中の突破を試みれば、全員でスペースを消し、三重のオフェンスをシャットアウトした。
オフェンス面では、フリースローで着実に得点を重ねながら、4.高橋の3Pシュートが良いところで決まり流れを作った。
55-55の同点の場面から15-5のランで三重を突き放した香川が10点のリードを奪った。

-4Q-

4Qは25.マクレイのインサイドと25.ダマのミドルショットで得点を取り合う入りとなる。
その中で、3Qは1本も試投することができなかった7.佐脇のコーナースリーが決まると、1.宮﨑もスリーで続き、三重が流れを掴みかける。
しかし、すぐにタイムアウトを取った香川は、直後に4.高橋のスリーと3.チャップマンの得点で流れを断ち切ることに成功する。
その後は三重7.佐脇がスリーを決め続けるのに対し、香川も4.高橋のドライブと3.チャップマンのスリーで決め返す展開となり、そのままオフィシャルタイムアウトに突入した。
タイムアウト明けは時間のコントロールをしながら試合を進める香川に対して、三重の1.宮﨑が懸命にシュートチャンスを狙うという構図に。
なかなか得点を伸ばせない香川であったが、1.宮﨑へのマークを強め、三重のオフェンスも時間を使わせることで逃げ切る体勢を整えていく。
三重は1.宮﨑の3Pシュートが1本成功したものの、7.佐脇のシュートチャンスを作ることができず、またフリースローも落ちていく中で時間だけが過ぎていってしまった。
最後はファウルゲームを見せるも、香川がフリースローを決め切って逃げ切りに成功。
93-86で香川が先勝、5連勝を飾った。

-ひとこと-

三重にも勝つチャンスはあったと思うが、3Qに香川の圧を受けてクリーンなシュートチャンスをクリエイトできなかったところと、4Qの中盤で7.佐脇がon fireしていた時間に香川のオフェンスを止められなかったところが、敗因だったと感じる。
逆に言えば、三重に流れを渡さなかった香川の集中力が光った試合だった。


GAME2
香川76-67三重 
(18-17,23-7,20-18,15-25)

スターティング5
香川:チャップマン・高橋克・デイビス・満尾・近藤
三重:宮﨑・佐脇・マクレイ・高松・ドッド

-1Q-

試合の立ち上がりは35.ドッドのインサイドを強調した三重が優勢に進める。
ペイント内でボールを持ってからのシュートとパスで全得点に絡む6得点2アシストでチームを引っ張った。
対する香川はシュートの精度に苦しむ入りとなるが、3.チャップマンのシュートでスコアを動かすと、中盤辺りでようやく22.近藤の3Pシュートが連続で決まり、リズムを掴む。
その後は1.宮﨑のスリーや3.川田のドライブで得点を挙げる三重に対し、香川は9.請田、13.高橋の積極的なアタックで獲得したフリースローや9.請田のスリーで逆転に成功。
一進一退の攻防となった1Qは18-17で香川の1点リードで終えた。

-2Q-

2Qに入ると、三重のスコアが動かない時間が続く。フリーになってスリーを放ったり、ペイント内から形を作ってシュートを打ったりはしているものの、リングに嫌われる回数が多かった。
対する香川は、13.高橋のドライブによるバスケットカウントの3点プレー、10.岡田のアシストから3.チャップマンのスリーでリードを広げると、25.ダマのブロックショット、13.高橋のスリーが生まれ、11-0のランを作って大きな流れを掴んだ。
すると、香川のディフェンス強度が増していき、三重にシュートの形を作らせない時間に入っていく。その中で、何とか25.マクレイが左手シュートを決めて13-0で香川のランを止めてオフィシャルタイムアウトに突入した。

タイムアウト明けも流れは香川。
9.請田が34.高松からボールを掻っ攫って得点を挙げると、3.チャップマンがスリーを沈めてさらにリードを広げる。
その後、三重の35.ドッド、25.マクレイにインサイドから得点を挙げられてしまうが、タイムアウトで流れを切り、16.満尾のスリー、4.高橋のストップジャンパーで連続得点を挙げる。
終盤は再びディフェンスで24秒バイオレーションを奪い、三重のディフェンスをストップ。反撃を許さず前半を終えた。

-3Q-

3Qも序盤は香川がペースを握る。
16.満尾のドライブ、3.チャップマンとのツーメンゲームから4.高橋の3Pシュートで連続得点を挙げた。
三重は25.マクレイや12.アブのゴール下、7.佐脇の得点を挙げるものの、香川のオフェンスをファウル無しで止めることができず、フリースローも含めて失点を重ねてしまう。
香川が優勢に進める時間が続き、最大で24点のリードを奪った。
終盤になり、ようやく三重が香川のオフェンスをストップ。35.ドッドがゴール下で存在感を発揮し、リバウンドを確保すると、相手陣でもペイント内を支配して得点を重ねる。
さらに9.溝口がこのクウォーター2本目の3Pシュートを沈め、反撃の狼煙を上げてクウォーターを終えた。
61-42と香川のリードとなった。

-4Q-

4Qの最初のプレーでまた3Pシュートを決めた三重の9.溝口。直後のプレーでスティールを奪うも、レイアップを沈めることができず、勢いをつけることに失敗。
嫌な空気になりかけた香川だったが、10.岡田が3Pシュートを決めてリードをキープする。
ただ、連敗を避けたい三重はここで25.マクレイのインサイドでの得点力を強調し、連続得点を奪う。
すると、5.デイビスのフリースローの失敗の後のポゼッションで、7.佐脇がこの試合最初の3Pシュートを沈め、追い上げ体勢を作った。
そして、3.川田が手を出して生まれたスティールからペイント内を崩し、7.佐脇がレイアップを決めて10点差でオフィシャルタイムアウトに突入した。

タイムアウト明けの香川は、25.ダマが自身のシュートのこぼれを拾って何とか得点を決めてバスケットカウントを獲得し、3点プレーを成立させる。
対する三重も4.マドゥアバムのフリースローの後、25.マクレイとのパス交換から1.宮﨑が3Pシュート、さらに25.マクレイがフックシュートを決めて7点差まで追い上げる。
ただ、その後の追撃のチャンスをトラベリングによるターンオーバーとテクニカルファウルでもらったフリースローの失敗で逃し、点差が変わらないまま残り1分を切った戦いとなってしまう。
終盤は思ったように得点を挙げられなかった香川であったが、3Qまでの貯金を生かし逃げ切りに成功。
76-67で連勝を6に伸ばした。

-ひとこと-

前日大活躍の7.佐脇の3Pシュートを封じた香川が完勝かという流れだったが、3Q終わりからの三重の反撃も素晴らしかった。
どちらも手強い相手だなという印象の2試合だった…

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