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【5524人のブースターが作り出した熱狂】 〜24-25 B3 第6節 徳島ガンバロウズvs山口パッツファイブ マッチレポート〜


GAME1
徳島95-84山口 
(13-18,23-23,30-18,29-25)

スターティング5
徳島:オリビエ・塚本・ジャワラ・大﨑・マックスウェル
山口:コラム・重冨・山口・パク・マックスウェインJr.

-1Q-

立ち上がりから0.オリビエで攻めてくる徳島。
ハイロープレーから27.マックスウェルで先制し、0.オリビエが連続得点で6点を奪うスタートを切った。
山口は、0.オリビエのアタックを4.コラムが止めてからようやくリズムを掴み、11.山口の3Pシュートや9.重冨のフリースローで得点を挙げた。
その後は15.若狭や11.山口のシュートが外れる展開の中で、互いに前節あまりプレータイムのなかった選手がコートに立つ。
山口は6.松田が17.パクセジンの役割でコートイン。15.プレストンの得点をアシストし、11.青木へのディフェンスやリバウンドの確保でチームを助ける活躍を見せた。
6.松田に引っ張られた山口は徳島のディフェンスの仕掛けをうまく交わし、3Pシュートの形を作り、32.吉川、77.川上が決め切ってリードを奪った。
徳島はアウトサイドシュートが決まらず、終盤はスコアを動かせず、13-18と5点ビハインドを背負う入りとなった。

-2Q-

2Qも山口が徳島のシュートミスと21.マックスウェインJr.のスティールからオフェンスにつなげ、15.プレストンと32.吉川の得点で点数を重ねる。
ただ、徳島も2.塚本のアシストから24.大﨑がコーナースリーを沈めると、15.若狭も続き、ようやくアウトサイドシュートが決まり、オフェンスにリズムが生まれ始めた。
リズムを掴んだ徳島はゾーンディフェンスで山口のオフェンスを2度止めることに成功。返しのオフェンスにて、0.オリビエのインサイド、2.塚本のスリーで5得点を挙げ、逆転を果たしてオフィシャルタイムアウトに突入した。
タイムアウト明けも徳島はゾーンを継続。山口は足を止められながらも、15.プレストンのオフェンスリバウンドで何とか得点を繋いでいく。
対する徳島は2.塚本のドライブを起点にボールがよく回り、クリーンなシュートチャンスを作っていた。
ただ、0.オリビエのやや強引なアタックを止めてから山口が再び流れを掴む。この時間は速攻で攻め倒すことができており、8.末廣がシュートは決め切れなかったものの、ファウルをもらってフリースローを4本成功。
さらには、4.コラムがスペースを見逃さず3Pシュートを沈めて0-9のランを作り出した。
そのままの流れでラストプレーを握った山口だったが、オフェンスを完遂できず、ターンオーバーから徳島の速攻を許し失点。
終わり方は悔やまれるものの、終盤に流れを掴んだ山口が36-41と5点のリードを守った。

-3Q-

後半立ち上がりは0.オリビエ、27.マックスウェルがインサイドで確実に得点を挙げて、徳島がペースを掴んだ。
山口は徳島ディフェンスの戻りの隙を突いた9.重冨のドライブが得点とならず、さらには9.重冨の3Pシュートが27.マックスウェルのブロックにあい、速攻からそのまま決められて、逆転を許してしまった。
2Qのラストプレーから10-0のランとなった徳島はその後も0.オリビエ、27.マックスウェルのインサイドの得点やドライブでファウルを獲得し、優位に試合を進めていく。
11.山口の孤軍奮闘の活躍に合うものの、それ以外の選手のオフェンスは完璧に封じ込め、さらには27.マックスウェルが3Pシュートの成功を含む12得点の大活躍でリードを広げた。
山口はディフェンス面で準備が遅く、徳島の仕掛けに立ち遅れてファウルが増えてしまっているように見えていた。
11.山口の11得点1アシストの大活躍で何とか望みはつないだが、徳島が大きな流れを掴んだクウォーターとなり、66-59と7点のリードを奪った。

-4Q-

4Qも流れは徳島。
山口の強引なアタックのリバウンドをきっちり確保し、27.マックスウェルのゴール下の得点と7.アディリのトランジションスリーにつなげ、リードを2桁に広げた。
山口は、スティールを奪うなど徳島のオフェンスを止めるシーンも作るが、返しのオフェンスを全く決められず、流れを持ってくることができない。
ただ、8.末廣がファウルになるシーンもあったが、激しいディフェンスで徳島のボールマンに嫌な印象を与えるとチームとしても少しずつリズムが生まれ、11.山口のフリースローと4.コラムの3Pシュートで得点を挙げて点差を詰めてオフィシャルタイムアウトに突入する。

タイムアウト明けも徳島のスローインがターンオーバーとなり、4.コラムが3Pシュートを決めて山口が押せ押せの展開を作る。
しかし、ここで2.塚本が大きな4点プレーを成功。ここは8.末廣の激しいディフェンスが仇となってしまった形だった。
その後は、ギャンブル気味のディフェンスを仕掛けボールを奪う形を作るが、シュートが全く決まらずに点差を詰めることができない山口に対し、徳島はディフェンスリバウンドを確実に取って時間を消化していく。
山口の最後のファウルゲームも冷静に振り切った徳島。3000人弱のブースターの後押しを受け、95-84て逆転勝利を果たし、連敗を止めた。

-試合後の感想-

前半は良い戦いを見せていた山口だったが、3Qの試合運びで差をつけられてしまった形となった。

その3Qは、11.山口の孤軍奮闘の活躍に続く選手が現れず、ディフェンス面でも踏ん張ることができないという負けゲームにありがちな展開となってしまった。

ディフェンス面でたらればを挙げるとすれば、徳島のオフェンスを受けるだけになってしまっていたことだろうか。
早い段階でファウルが5つ貯まってしまっていたので、ディフェンスで仕掛けたり、激しいチェックを行ったりがしにくい状況だったことは想像できる。

ただ、徳島のオフェンスを受けているだけでも、結局ディフェンスが後手後手に回り、シュートファウルをすることになっていた。

であるならば、悪い流れの中でそれを断ち切るディフェンスでの仕掛けがあっても良かったのではと思う。

実際、4Qは8.末廣の激しいディフェンスから流れを掴みかけることができており、もう1Q早くそれを出せていればもう少し違う展開もあったかもしれない。

とはいえ、たらればはたらればなので、今日の試合をどう分析して明日につなげるのかに気持ちを向けていきたい。試合の大枠は悪くなかったように感じるので、細かいディティールと決められるシュートを決め切ることが必要になるであろう。

最後に、徳島について。
勝負を分けたワンプレーを挙げるとすると、やはり2.塚本の4点プレーだろう。その直前は8.末廣のディフェンスを嫌がっているようにも見えたが、激しいディフェンスを逆手に取ってシュートを決め切る力はお見事だった。

また、この試合は27.マックスウェルのステップアップが大きかった。連敗中は得点が伸びず難しい状況だったと思うが、今日は22得点10リバウンドのダブルダブルの大活躍。
オフェンスリバウンドも非常に効いており、勝利の立役者だったと言えるであろう。


GAME2
徳島65-78山口 
(14-17,21-18,13-23,17-20)

スターティング5
徳島:オリビエ・塚本・ジャワラ・大﨑・マックスウェル
山口:コラム・重冨・山口・プレストン・富田

-1Q-

スタメンを変更し、通常のラインナップで試合に臨んだ山口。0.オリビエのインサイドでの巧みさで得点を奪われるものの、徳島のスイッチディフェンスを逆手に取り、24.大﨑とのミスマッチから4.コラムで連続得点を挙げる。
流れに乗った4.コラムはさらに得点を重ね、1人で9得点を挙げる活躍を見せた。
この試合の山口は、オフェンスでは9.重冨が素早く敵陣に運ぶこと、ディフェンスでは高い位置からゾーンプレスをかけることを準備してきたように見えた。自陣でのゾーンからマンツーマンへの移行がうまくいかないシーンはあったが、主導権を握ろうとする姿勢は良い方に出ていたと感じる。
高い位置での4.コラムのスティールからの得点などを作り、山口がリードを奪う展開となった。
山口の仕掛けを受ける形になった徳島は、苦しいオフェンスの中で、7.アディリが3Pシュートと2本のフリースローを成功させ、試合をつなぐ。
終盤は2-3ゾーンで山口のオフェンスを3度ストップし、最小限の得点差で乗り切ることに成功。
14-17で山口の3点リードとなった。

-2Q-

ゾーン継続の徳島は7.アディリがスティールからそのまま得点を奪い、良い入りを見せる。
ゾーンの攻略に苦労していた山口は、リバウンドからの速攻でようやくスコアを動かし、直後に投入された3.栗原の3Pシュートで状況を打開する。
ただ、その後の3.栗原の2本の3Pシュートは決まらず、再び徳島が15.若狭のドライブと0.オリビエのインサイドで盛り返して2点差でオフィシャルタイムアウトに突入。
タイムアウト明けは徳島0.オリビエ、山口15.プレストンの得点の奪い合いとなる。
24.大﨑のオフェンスリバウンドから0.オリビエが得点を挙げて徳島が逆転するも、直後に11.山口が3Pシュートを沈めて山口が再逆転を果たすという互角の攻防が続いた。
終盤は山口がファウルトラブルに陥る苦しい流れの中、4.コラムがペイントへのアタックで何とか2点を獲得。徳島のアウトサイドシュートが決まらないことも相まって、35-35の同点で折り返すこととなった。

-3Q-

3Qの序盤はペースの握り合いとなる。
徳島は27.マックスウェルのインサイド、2.塚本のドライブなどで得点を挙げ、山口はテンポの速いオフェンスから9.重冨のスリー、11.山口のドライブ、4.コラムのインサイドなどで得点を挙げる。
この流れを嫌がった徳島はタイムアウトを取るが、逆に山口が少しペースを掴む。
15.プレストンと17.パクセジンのインサイドのディフェンスで徳島のオフェンスを止め、31.富田のドライブや11.山口3Pシュートでリードを奪った。
その後はオープンのスリーを立て続けに外し、31.富田のオフェンスファウルもあり、嫌な雰囲気が漂うが、最後までディフェンスを継続できたことが大きかった。
その結果、終盤に17.パクセジンのオフェンスリバウンドからの得点、そして31.富田のコーナースリーで突き放すことに成功した。
48-58と山口が10点リードを奪うクウォーターとなった。

-4Q-

4Qも3Qに流れを掴んだメンバーを継続する山口。
31.富田、9.重冨のドライブと15.プレストンの左手のフックシュートにより、ポゼッション成功率100%で得点を挙げる。
対する徳島は、0.オリビエの理不尽な得点力で5得点を挙げるが、その他の選手のシュートが決まらず、少しずつリードを広げられてしまう。
ここで2回目のタイムアウトを取った徳島は、敵陣からのゾーンプレスを強め、流れを引き戻しにかかると、77.川上のタフショット1本の成功に山口のオフェンスをとどめ、15.若狭、0.オリビエのフリースローと2.塚本の3Pシュートで点差を詰めてオフィシャルタイムアウトに持ち込む。

タイムアウト明けもペース自体は徳島にあったように見えた。ただ、アウトサイドからのシュートが決まらないこと、15.プレストンの壁を打ち破れないことで点差を詰められず時間だけが過ぎていた。
苦しいオフェンスが続く山口だが、ここでチームを救ったのは31.富田。徳島のディフェンスの隙を見逃さないドライブで4得点。さらには0.オリビエにボールが入るところで自分のマークを捨ててスティールを奪う活躍を見せ、勝利を引き寄せた。
終盤、0.オリビエにボールを入れるところを山口に立て続けに狙われた徳島。最後にオフェンスの課題を残す形となった。
インサイドのディフェンスからペースを掴んだ山口が65-78で勝利を挙げ、連敗を5で止めた。

-試合後の感想-

試合内容としては17.パクセジンと15.プレストンの2人がインサイドで壁として立ちはだかってくれてから流れを掴んだ試合だった。

また、77.川上のタフショットの成功や31.富田の連続ドライブなど、ベンチプレイヤーの活躍も大きくチーム全員で掴み取った勝利だった。

ようやく連敗を止めることができたので、来週ホームに戻って、自分たちのバスケットを披露し初勝利をあげてほしい。

さて今回は、試合内容とは離れたところについて少しだけコメントしたい。

この2試合映像を見ていて、アスティとくしまの会場の雰囲気に感銘を受けた。

まだB3加入2年目が始まったところだと思うが、2日間で約5500人の観客を集め、さらにただ人が集まっているだけでなく、ホームチームを後押しする熱狂が会場にあったのは、すごいものだなと感じた。

たった1年と少しでここまでの会場の雰囲気を作ったチーム、ブースターの皆さんは尊敬に値する。

今シーズンの徳島はB ONE初年度の参入に向けては、観客数基準の達成がまずは求められるところだと思うが、会場の問題を度外視すれば、そこは全く心配がないように思えた。

外野の人間で申し訳ないですが、山口を応援する人間としては羨ましい気持ちもあり、また素直に応援したい気持ちもあり、ここでコメントをさせてもらいました。

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