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山口ペイトリオッツ 挑戦の軌跡 #27

第17節 vs湘南ユナイテッドBC
GAME1
山口104-106湘南
(21-25,21-30,30-28,32-23)

試合の入りは湘南が大黒柱の31.オリビエを軸としたオフェンスを展開し先手を取った。彼のところはもちろん、それを囮に9.中野がドライブやアウトサイドシュートで得点を挙げていたのが印象的だった。また、トランジションオフェンスから効率良く得点を重ねていたのも山口に対する正しい対策だった。

1Qはフリースローや個々人のシュートタッチで踏ん張っていた山口だったが、2Qでオリビエの圧に屈する形に。彼の左側への進入を防ぐことができず13点のビハインドを背負うことになってしまった。

後半に入りゴール下のスペースをうまく使って得点を挙げるようになった山口。77.川上のトランジションスリーも決まり2ポゼッション差まで迫る。しかし、湘南も7.クロフォードや9.中野の連続スリーなどで粘りを見せ、リードを保ったまま勝負は4Qへ。

4Qは山口の8.土居の活躍で一気に追い上げ、25.田中と9.重冨の強烈なプレッシャーで湘南に圧力をかけていった。その中で99.リチャーズのゴール下で押し込んで逆転に成功。そこからはリードチェンジを繰り返す展開で99.リチャーズvs31.オリビエの構図になっていった。勝負を分けたのは残り1:10、3点ビハインドで湘南が取ったタイムアウトだったように思う。

湘南がタイムアウトでデザインしたのは、ここまで40点を挙げていた31.オリビエのショットではなく、7.クロフォードのスリーポイントだった。24.髙木のドライブからアウトサイドで待ち構えていた7.クロフォードにパスが渡ると迷わずシュートを放ち決め切った。その後、山口もデザイン通りに99.リチャーズがゴール下のシュートを沈めたものの、7.クロフォードのピックから31.オリビエがスリーポイントを決めて再逆転。最後は35.マンダーソンの2ポイントで104-103山口リードの中で、湘南がオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスで47.平良がスリーポイント沈めて決着となった。

最終盤に怒涛のスリーポイント攻勢で山口を攻め倒した湘南が接戦を制して大きな1勝を挙げた。


GAME2
山口77-87湘南
(15-22,27-21,18-25,17-19)

GAME2の立ち上がりは一進一退の展開。山口は31.オリビエに対するディフェンスが前日よりも良かった。マークをする35.マンダーソンのディフェンス力に加えて
ガードの選手の左側へのヘルプも早かった。その中で27点を取った31.オリビエの能力は何と言っていいやら・・・。

試合は、1Q終盤の34.大野の4点プレーでリードを奪った湘南に山口がついていく展開。2Qは山口に8-0のランも生まれるなど1ポゼッション差の接戦となった。特に山口の持ち前のテンポの速いバスケットが展開されていた2Qの流れは良かった。試合を分けたのは非常に小さなところだったように感じた。個人的には3Q終盤の99.リチャーズのアンスポからの湘南の5得点はダメージが大きかった。3点差から8点差に広がって4Qに向かうのは、この僅差の試合の中ではインパクトのあることだったと思う。

それでも32.吉川のキレの良いドライブなどで最後まで追い上げを見せた山口。その32.吉川のアタックが終盤連続でミスとなり、湘南に逃げ切られてしまったが、これは責められないことであると思う。その前のリチャーズのポストを起点としたアタックがミスとなったこともあり、チームでこの日よかった32.吉川でオフェンスを選択したのかもしれない。個人的にはそれでダメならしょうがないと思えるので、次の試合に期待したいところである。

順位が近いチーム同士の対戦は、湘南がアウェイで2連勝を収めた。


第18節 vsしながわシティバスケットボールクラブ
GAME1
しながわ88-86山口
(19-27,26-17,16-20,27-22)

しながわとのGAME1では7.フィリップスが復帰。まずペースを掴んだのは山口。11.山口の連続スリーで0-10のランを作り、リードを奪った。チームとしてもカメラが追いつけないほどのスピードでファストブレイクを繰り出していた。

しかし、2Qは逆にしながわのペースに。しながわのファストブレイクが連発し、11-0のランを作って逆転した。山口はオープンなアウトサイドのシュートが外れたところからリズムを失い、なす術なく簡単に逆転を許した。

3Qも山口のアウトサイドシュートの確率が上がってこないとみたしながわが、ペイント内のスペースを徹底的に消していた。ただ、11.山口のスリーポイントが決まった後にしながわの遂行力がやや落ちて7.フィリップスの進入を許した。点差が3で最終4Qへ。

4Qは終盤にドラマが。山口の連続ターンオーバーでしながわ3点リードから、11.山口のスリーポイントで同点に。その後1.上松のアタックで勝ち越したしながわだったが、山口のファウルゲームに対して93.高橋がフリースローを2本とも落としてしまう。逆に11.山口は2本フリースローを沈めて同点。

残り4.6からしながわのラストオフェンス。ラストオフェンスは直前でフリースローを落とした93.高橋のドライブアタックだった。93.高橋はドライブからゴール下の22.ディクソンにパス。ディクソンはタフな体勢だったが、何とか沈めてブザービーター。しながわが接戦を制して今シーズンの3勝目を飾った。


GAME2
しながわ84-93山口
(18-19,21-32,23-23,22-19)

GAME2の1Qは接戦となった。山口は11.山口がスリーポイント2本を含む10得点でチームを牽引。しながわは山口ディフェンスの隙をついて的確に得点を挙げていった。試合が動いたのは2Q。1Qから見せていたガード陣のペイント内へのドライブインがオフェンスにリズムを生み、得点を量産。99リチャーズのディフェンスリバウンドからのファストブレイクも飛び出し39-51で折り返しとなった。

3Qはいつものインサイド陣のポストアタックの比重が増え、ドライブインをアクセントにしながわディフェンスに的を絞らせない山口のオフェンス。開始15分弱で2得点だったリチャーズが躍動し、試合全体で28得点を挙げる大活躍となった。

4Qはポストアタックがターンオーバーになるなど、オフェンスのリズムがやや悪くなった山口に対して、しながわが反撃。アウトサイドシュートを立て続けに決めて6点差まで迫る。しかし、山口がスターティング5で再びペイントタッチを見せ、この試合のプランを遂行し84-93で逃げ切ることに成功した。


第19節 vs鹿児島レブナイズ
GAME1
山口87-93鹿児島
(25-22,16-24,23-18,23-29)

しながわ戦のGAME2からの流れを継続した山口は、ペイントタッチとローポストアタックを組み合わせて得点を重ねていく展開。鹿児島はペイント内で相手を押し込み着実に加点をしていった。また、互いにファストブレイクが強力で一進一退の攻防が繰り広げられた。

2Qになると、山口のオフェンスが停滞。ペイントタッチのスペースを生み出さず、個人の突破を図るしかない形になり、鹿児島がリードを奪う展開となった。それでも9.重冨や8.土居のディフェンスで何とかつなぎ被害を最小限にとどめて勝負は後半に。

後半は鹿児島の31.ロートと23.ゲインズジュニアの活躍が目立った。特に23.ゲインズジュニアは外からのドライブが強力で77.川上としてはタフなシュチュエーションとなっていた。それでも、2Qからオフェンスを修正した山口が3Qを終えて同点に追いついた。

勝負が決まったのは4Qの入り。鹿児島が0-15のランを作り一気に山口を突き放した。山口はセカンドユニットがプレーする中でペイント内への進入ができていたものの、入れたいシュートが入らず傷口を広げてしまった。

その後は32.吉川のフローターを中心に追い上げを見せたが、鹿児島が着実に試合を終わらせ勝利を飾った。鹿児島はこの勝利でプレーオフ出場を決めた。山口はスターティング5がベンチにいる間に勝負を決められてしまったのが痛感だった。


GAME2
山口89-101鹿児島
(27-20,22-20,22-31,18-30)

GAME2は山口の11.山口と鹿児島の23.ゲインズジュニアが得点を挙げる入りとなった。11.山口が11得点、23.ゲインズジュニアが7得点で12-7のスコアとなったが、そこから鹿児島が0-10のランで逆転、しかし山口が77.川上と7.フィリップスのスリーポイントで再逆転し、リードを奪っていった。

2Qは9.重冨の活躍と速攻で1Qの流れを継続した山口。鹿児島はチームとしてのアウトサイドシュートの確率が悪く、23.ゲインズジュニアのスリーポイントやフリースローで何とか点差を維持する展開となった。

後半は23.ゲインズジュニアと31.ロートのツーメンゲームから流れを掴んだ鹿児島が一気に同点に追いつき、クロスゲームに。互いにファストブレイクを繰り出しながら同点で4Qに突入すると、鹿児島の1.中島と15.濱田が得点でチームに勢いをつけて山口を突き放した。特に濱田はオフィシャルタイムアウト付近の連続ドライブとスリーポイントで勝利に大きく貢献した。

山口は7.フィリップスと35.マンダーソンが何らかのアクシデントでプレーができず、オンザコート1で戦う時間が長かった中でよく粘り終盤まで競り合いに持ち込むことができていた。チャンスがあった試合であったことは間違いなく、しながわ戦GAME2からの流れがフロックではないことを証明したと思う。チーム状態が上向いてきた中で、残りの試合でどのような結果を残してくれるのか楽しみにしたい。


第20節 vsトライフープ岡山
GAME1
岡山72-91山口
(17-25,20-23,15-13,20-30)

山口は13.サンプソンが加入してロスター入り。ステーティングメンバーは変わらないものの、昨シーズンのエースの帰還が今年のチームにどのような影響を与えるのかが注目ポイントとなった。

試合は最初の得点を素晴らしいボールムーブから32.吉川のドライブインで挙げた山口がペースを握った。13.サンプソンも99.リチャーズとの良い連携を見せ、違和感なく入っていたように感じた。岡山はミドルショットの試投が多く、コンスタントに得点を積み重ねる形にはなっていなかった。

2Q以降、次第にディフェンスゲームとなっていく中で、岡山がゾーンディフェンスでペイント内を封鎖してリバウンドから走る展開を繰り出して追い上げる時間もあった。山口もディフェンスのローテーションが機能して、相手に24秒バイオレーションを強いることができていた。

4Qの立ち上がりまでは一桁点差で推移していた試合であったが、山口がオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントと13.サンプソンのスリーポイントで突き放し、オフィシャルタイムアウト明けすぐに勝負を決めた。
最終スコアは72-91。山口が上位のチーム相手に久しぶりの勝利を飾った。


GAME2
岡山102-85山口
(21-23,23-17,22-23,36-22)

GAME2の入りは山口のシュート確率がよくリードを奪っていた。ペイント外からのミドルショットの割合が多かったように感じていたが、チームとしてよく決まっていた印象だった。

しかし、2Q以降は山口のシュート確率が収束していき、次第に岡山のペースに。とはいえ、2Qから突然山口のオフェンスが悪くなったわけではなく、1試合を通して岡山のディフェンスの圧が山口のオフェンスを上回っていた試合だった。

岡山はゾーンとマンツーマンの併用で山口のオフェンスに対して圧力をかけ続けていた。特にゾーンディフェンスの練度が高く、ペイント内を完全に封鎖。山口のオフェンスを外回りにさせていた。そして、オフェンスでは14.マドゥアバムの強さに加え、33.ティルマンのアウトサイドシュートや17.岩松のスピードで山口のディフェンスを切り裂きリードを奪っていった。

山口は、個人の頑張りやトランジションオフェンスで終盤まで何とか食らいついていったが、99.リチャーズ頼みのオフェンスの割合が増え、最後は力尽きた格好となった。

2月最後の連戦は1勝1敗の結果となった。

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