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【分厚い壁に跳ね返された2試合】〜24-25 B3 第4節 山口パッツファイブvs横浜エクセレンス マッチレポート〜


GAME1
山口63-90横浜 
(11-21,14-27,17-25,21-17)

スターティング5
山口:コラム・重冨・山口・プレストン・川上
横浜:大橋・増子・ウィリアムス・ロート・杉山

-1Q-

試合の入りは両チームともにターンオーバーやタフショットのポゼッションが多く、重苦しい展開となった。
この展開はディフェンスの厳しさの裏返しでもあると思うが、試合が進むにつれて、横浜のディフェンスが山口を押し込み始め、横浜がリードを奪っていった。
22.ウィリアムスと31.ロートのゴール下の強さを生かし4得点を挙げると、21.増子が3Pシュート2本とドライブアタックから8得点を挙げる活躍を見せ、チームを引っ張った。
山口は横浜のピックアンドロールに対して、ドライブを警戒し、アンダーの形で守っていたが、21.増子にその守り方をきっちり咎められてしまった。
その山口はオフェンス面でも横浜の密着マークを剥がすことができず、停滞する時間が長く続いた。
中盤以降はボイドの独壇場となり、山口は彼に7得点を献上。最後に何とかフリースローやオフェンスリバウンドから得点を挙げたものの、11-21と2桁点差をつけられるクウォーターとなった。

-2Q-

2Qになり、ようやく足が動き始めた山口。
1.ボイドとビックマンのツーメンゲームに対して、スイッチで守るようになり、少しずつ光が見え始めるように。
1本はボールを上手く回されて16.ソウのダンクのシーンを作られてしまったものの、それ以外のシーンはうまく守り、スティールやリバウンドの確保に繋げることができていた。
31.富田のフックシュートや速攻での得点で6点差に詰め寄って、横浜が最初にタイムアウトを請求する流れとなった。
タイムアウト明けの横浜は、山口の1.ボイドへの警戒を逆手に取り、22.ウィリアムスのドライブで状況を打開。力強い連続アタックで4得点を挙げ、山口にタイムアウトを取らせる流れを作った。
流れを掴んだ横浜はトランジションから再び21.増子のスリー、そして1.ボイドの連続ドライブで0-7のランを作り、21-36とリードを広げた。
その後も横浜のランは止まらない。
オフェンスでは、1.ボイドと22.ウィリアムスのドライブがとにかく効果的で、その形を徹底。ディフェンスではインサイドへの寄りが非常に早く、山口にペイントタッチからの展開を許さなかった。
また、15.谷口が4.コラムを封じ、アンスポまでもドローンする活躍を見せたことは大きなポイントだった。
結局、残り28秒で9.重冨が得点をするまで、0-17と横浜のランが続き、トータルスコア25-48と横浜が大きなリードを奪う前半となった。

-3Q-

3Qの立ち上がりも横浜のペースが続く。
22.ウィリアムスのゴール下のアタック、21.増子のドライブから33.杉山のコーナースリー、そして21.増子のスリーも決まり、いきなり0-8のランを作る。
山口は、アウトサイドからのシュートが決まらず、ペイントタッチすると素早く囲まれてしまうため、攻め手をなかなか見出せない状況となっていた。
ただ、横浜がピックアンドロールからのリングアタックをし始めると、山口が最後のところで守り切れるようになり、少しずつ速攻の形からシュートを放てるようになっていく。
8.西山、21.増子に3Pシュートは許すものの、21.マックスウェインJr.や77.川上のドライブで、得点を返していった。
終盤は、山口にファウルが溜まり、横浜がフリースローと1.ボイドの個人技での2本の3Pシュートで点数を追加。
このクウォーターも横浜が上回り、42-73とさらにリードを広げた。

-4Q-

4Qの頭から17.パクセジンを投入し、ビックラインナップを見せる山口。
21.マックスウェインJr.のペイントタッチから77.川上の3Pシュートや17.パクセジンの高さの優位性で得点を挙げられるようになるものの、31.ロートや16.ソウのインサイドアタックを止められず、フリースローから得点を許してしまう。
それでも、その後は高い位置からのプレスと高さの優位を生かして横浜のオフェンスを制限し、ターンオーバーを誘発する形を作る。
ペイント内のスペースは依然と狭いが、17.パクセジンが続けてねじ込んで7-0のランを見せる。

最後まで圧倒し続けたい横浜はタイムアウトを取って流れを切り、22.ウィリアムスと15.谷口の3Pシュートが見事に成功。とどめを刺してオフィシャルタイムアウトへ突入する。
タイムアウト明けの山口は3.栗原や6.松田を投入し、次を見据えた戦いに移るが、横浜は1.ボイドや31.ロートを投入し、13.大橋がゲームをコントロールしながら、さらに点差を広げにかかる。
その横浜は、13.大橋の3Pシュートや1.ボイドのフローターで得点を挙げ、最後まで圧倒する戦いぶりを披露した。
最終スコアは63-90と横浜が完勝を果たし、4連勝を飾った。

-試合後の感想-

この試合は、横浜が力の差を見せつける内容となり、山口のやりたいバスケを破壊したという言葉が相応しいような展開だった。

まずは横浜のディフェンスの素晴らしさを挙げたい。
何度も書いているが、山口のペイントタッチに対する寄りの速さがお見事だった。中に入るとすぐに囲いこみ、外に出させる前にスティールを奪ったり、タフショットを強いたりと統率の取れたディフェンスだった。

また、1Qに見せた挨拶代わりの密着マークは山口のオフェンスのセットを完全に壊し、試合を優位に進めた大きな要因の一つだった。

先週のMVPである15.プレストンのゴール下の強さを完全に封じ込めたところも、横浜としてはしてやったりだったはずだ。

オフェンス面では、21.増子がチームに勢いをつけ、1.ボイドが止められかけたところでの22.ウィリアムスのアタックがポイントとなった。
15.プレストンのポジションをゴールから遠ざけたところからのドライブは、15.プレストンを完全に翻弄し、彼の良さを出させないことに繋がっていた。

それを徹底して続けた部分も非常に強かだったと言える。

一瞬に山口に止められかけた1.ボイドだったが、結果的には29得点を挙げる活躍を見せた。

ただ、今日は1.ボイド個人というよりも、それを生かして戦った横浜のチームオフェンスが素晴らしかったと思う。

山口は、やりたいバスケを完全に封じ込められてしまったので、もう切り替えてGAME2に臨むしかない状況だ。

数は多くなかったが、ディフェンスリバウンドを一度で確保することができていたのは、唯一良かったところだと言える。

横浜にオフェンスリバウンドを取らしてはいけないため、その点は明日も継続し、その他の部分の修正を期待したい。


GAME2
山口68-94横浜 
(17-17,8-30,18-30,25-17)

スターティング5
山口:重冨・プレストン・パク・マックスウェインJr.・富田
横浜:大橋・増子・ウィリアムス・ロート・杉山

-1Q-

GAME1の4Qで有効だったビックラインナップをスタメンで起用してきた山口。
まずは横浜が31.ロートを使って17.パクセジンを攻めたてる。31.ロートとのツーメンゲームから13.大橋のドライブ。31.ロートがインサイドでファウルをもらってフリースローで計3点を先制する。
対する山口は17.パク、15.プレストンに2つずつファウルがついてしまうものの、ビックラインナップの優位性を生かし、21.マックスウェインJr.のミドルジャンパー、31.富田のフリースロー、17.パクのダンクで6得点を挙げ、リードを奪う。

山口は明らかに高い位置からのプレスを強めているのと、ボールマンやボールを受ける選手に対する距離感が近く、ミーティングで強度の高さを相当強調されていることが伺えた。
実際、そのディフェンスは効いており、リードを奪ってからは一度もリードを奪われずに試合を進めることができていた。
終盤は4.コラムと16.ソウのマッチアップがポイントとなり、お互いにやり合う中で得点を重ねていった。
山口が前日からディフェンスを修正したことで拮抗した展開となった1Qは17-17の同点となった。

-2Q-

2Qも山口は高い強度のディフェンスを継続。
ただし、昨日もそうだったが、嫌な流れの中で状況を打開してくるのが22.ウィリアムスだった。
今日はインサイドの強さを強調。タフショットのシーンもありながらも、4.コラムを押し込んで4得点1アシストでチームを牽引した。
山口は1.ボイドのスティールにあってからオフェンスが崩壊。昨日から継続してフリーの3Pシュートが決め切れず、強引なインサイドへのアタックで打開を図るが、スペースが無く攻め切れない時間が続いた。
横浜が0-8のランを作り、21-27のスコアでオフィシャルタイムアウトへ突入となった。

タイムアウト明けも、流れは横浜。
ここもオフェンスリーダーは22.ウィリアムスだった。山口の高い位置からのプレスの裏を取り、自陣からのドリブルでダンクを決めると、ドライブと見せかけて大外の谷口の3Pシュートをアシスト。
15.谷口も攻守で複数回のファウルドローン、フリースローと3Pシュートの成功とこの2人の活躍で大きなリードを奪った。
もちろん、オフェンスだけではなく、ディフェンスでも山口を圧倒。山口のアウトサイドが決まらないことを頭に入れた上で、ペイント内のスペースを消すことを徹底。4.コラムにタフショットを2度決められただけにとどめ、山口の得点を8点に抑えたクウォーターになった。
そして、終盤には流れに乗った1.ボイドが本領を発揮。少し距離のある3Pシュートを連続で決めて、10得点を挙げる活躍を見せた。
8-30と圧倒した横浜が25-47と22点のリードを奪い前半を終えた。

-3Q-

3Qも流れは変わらず横浜が優勢に進める。
というよりも山口のオフェンスのリズムが変わらないと言った方が良いであろうか。
アウトサイドからのシュートは決まらず、強引に中を攻めてタフショットを放つ展開が続く。
ギリギリでファウルをもらったり、77.川上がタフショットを沈めたりで得点は挙げるものの、試合の構造自体に変化は見られなかった。
対する横浜は山口のファウルトラブルを生かし、フリースローでの加点と33.杉山の2つのスティールと1本の3Pシュートでさらに点差を広げていく。
13.大橋もゲームコントロールと33.杉山の3Pシュートのアシストで活躍を見せ、層の厚さを感じさせる戦いぶりを見せた。

苦しい山口は、9.重冨、32.吉川の両ガードが速く攻めることを意識しているプレーは伝わってくるが、横浜の戻りも速く、それが効果的に得点へと繋がってはいなかった。
終盤には序盤からファウルトラブルとなっていた15.プレストンがファウルアウトとなり、さらに厳しくなった山口。
このクウォーターも横浜が圧倒。43-77で横浜のリードが続いた。

-4Q-

後がない4Qの山口は、開き直って積極的に3Pシュートを試投すると、11.山口と77.川上が1本ずつ沈めることに成功する。
横浜は1.ボイドがアシストマシーンと化すプレーを披露するも、シューター陣がそれを決め切れず得点が伸びない流れとなった。
山口はそれを生かし、11.山口、4.コラムがジャンプショットを沈め、4Qのスコアでリードを奪ってオフィシャルタイムアウトへ突入する。
タイムアウト明けも山口の流れは続き、高い位置でのスティールからの得点や4.コラムのジャンプショットで加点をしていく。
横浜は、思い切ってシュートを放てずターンオーバーで終わってしまうオフェンスが多く、最後の最後に課題が露見する格好となった。
それでも、最後は1.ボイドがドライブ、スリーで得点を挙げて68-94のスコアで横浜が2試合続けての完勝を飾った。

-試合後の感想-

この2試合は横浜の圧倒的な強さがただただ印象に残った。

山口は、GAME1前半の横浜のディナイの厳しさに対して、面を食らった格好となり、それがGAME2まで尾を引いたように感じる。

ここまで3Pシュートが決まらなければ厳しいオフェンスになってしまうのは仕方がないが、横浜の最初のディフェンスがそうさせたと言った方が正しいように思う。

GAME2は1.ボイドに対する11.山口のディナイに代表されるように、ディフェンスのエナジーを上げてきたことは、非常によく伝わってきた。
GAME1からの修正という点では成果はあったと思うが、それ以上に横浜の対応力やチーム力の高さが上回った試合だった。

横浜はとにかく強かった。
次回の1月の対戦までに山口がどれだけチーム力を向上させることができるのか、その時を楽しみにこの2試合の振り返りを締めくくることとする。

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