見出し画像

"B3 Research" 〜24-25 B3 第13節 香川ファイブアローズvs東京ユナイテッドBC マッチレポート〜


GAME1
香川86-78TUBC 
(17-23,27-21,17-23,25-11)

スターティング5
香川:チャップマン・高橋克・デイビス・満尾・近藤
TUBC:川島・德川・ガスティス・リース・長尾

-1Q-

上位対決となったこの試合。先手を取ったのはTUBCだった。
香川のオフェンスに対して、うまく手をかけてボールを奪いながらディフェンスでの圧によってペースを握る。オフェンスでは22.ガスティスのピックをうまく使って50.長尾や2.川島がシュートを決めて、リードを奪った。
クリーンなシュートチャンスをなかなか作ることができない香川は、ファウルをもぎ取ってフリースローで何とかつなぐ展開となっていた。開始6分経ったところで13.高橋がドライブから最初のフィールドゴールを挙げると、チームとしてのリズムを取り戻し、10.岡田の連続スリーで試合を振り出しに戻した。

順調な滑り出しを見せていたTUBCだったが、フリースローやゴール下の決めたいシュートを外したり、速攻に転じる中でのパスミスが生まれたり、流れを手放すようなプレーが多く、香川の反撃を許してしまった。
それでも持ち前のディフェンスで強引に流れを引き寄せるTUBCは、ダブルチームでトラベリングを誘うプレー、ツーメンゲームからのドライブに対してうまく手を出してタフショットを強いるなど終盤の香川のオフェンスをシャットアウト。
その中で、46.今林が淡々とフリースローを沈め、さらにはトランジションから見事なレイアップを見せて0-7のランを一人の得点で作り出し再逆転に成功。17-23とリードを奪う1Qとなった。

-2Q-

2Qの立ち上がりは香川が素晴らしいオフェンスを展開する。
3.チャップマンのドライブから4得点。そして10.岡田のこの試合3本目のスリーが決まり、1Qから一転してオフェンス成功率100%で一気に点差を詰めた。
その後、トランジションから9.請田にスリーを許し再びリードを奪われたTUBCだったが、またまたディフェンスからリズムを引き寄せて、チームとしてデザインされたペイントアタックにつなげていった。25.リース、7.チョルがバスケットカウントを獲得し、立て続けに3点プレーを成立させた。

13.高橋のトランジションスリーで香川が点数を返して迎えたオフィシャルタイムアウト明けは、香川の16.満尾が躍動。狭いスペースを力強いドライブで突破し、連続得点。ファウルももらってバスケットカウントも獲得し、5得点を挙げて、再び香川が前へ出た。
アウトサイドからのシュートがなかなか決まってこないTUBCは速攻のチャンスを見逃さず、得点をつなぐと、46.今林と7.チョルや52.ブラのツーメンゲームから良い形で4得点を挙げる。
ただ、香川もTUBCのディフェンスが整う前にペイント内へ仕掛けながら25.ダマのインサイドでの得点やセカンドチャンスから3.チャップマンのスリーで得点を重ねた。
香川の3点リードで迎えたTUBCのラストプレーでようやく25.リースのコーナースリーが成功。
上位対決に相応しい一進一退の試合は互いに全く譲らず44-44の同点で前半を終えた。

-3Q-

後半立ち上がりも互いに譲らない攻防が続く。
香川は3.チャップマンのドライブ、22.近藤のスリー、スティールから5.デイビスのダンクで得点を挙げる。
対するTUBCは50.長尾のジャンプショット、25.リースのスリー、22.ガスティスのゴール下の強さを生かした得点を挙げる。
ただ、その中でも、香川がTUBCのディフェンスでの仕掛けに対して徐々にアジャストしているようなボール回しが印象に残った。
TUBCがフリースローを決め切れない分だけ、香川がリードして試合が進むが、TUBCも10.岡田にシュートの形を作らせず、リバウンドやスティールから速い展開に持ち込んで得点を挙げ、再び同点に追いつくなど、どこまでいっても互角の攻防が続いた。

ただ、終盤にTUBCが抜け出すことに成功する。
4.田口のジャンプショットを皮切りに、香川の速攻を7.チョルの完璧なブロックショットで防ぐと、52.ブラのオフェンスリバウンドからのダンク、香川のゾーンプレスを交わして23.小倉の3Pシュートで立て続けに得点を挙げリードを奪った。
61-67とTUBCが6点を上回った3Qとなった。

-4Q-

4Qは香川の素晴らしいプレーから幕を開けた。
TUBC46.今林と7.チョルのピックアンドロールを9.請田が完璧なタイミングでのヘルプでボールを掻っ攫い、13.高橋がそのまま速攻につなげてバスケットカウントを獲得。3点を奪う滑り出しとなった。
さらに、TUBCのオーバーヘルプ気味なディフェンスの隙をつき、ボールを回してフリーになった3.チャップマンの3Pシュートで再び試合を振り出しに戻した。
TUBCは4Q最初のオフェンスから、ペイント内の深い位置に進入することができず、アウトサイドからのシュートが続き、それを決め切れないことで香川の強みが出る速い展開を許してしまっていた。
畳み掛ける香川は、9.請田とのピックアンドロールから25.ダマのゴール下の得点、9.請田の3Pシュート、4.高橋のドライブによって獲得したフリースローにて連続得点。4Q頭からの13-0のランで一気に試合をひっくり返した。
ただ、TUBCも11.德川とのツーメンゲームから22.ガスティスがゴール下のシュートを沈めると、50.長尾が3Pシュートを決め切って2点ビハインドでオフィシャルタイムアウトに持ち込むことに成功する。

オフィシャルタイムアウト明けはTUBCが十八番の強烈なプレスで二度のターンオーバーを奪い、22.ガスティスのゴール下からの二度のシュートで逆転を果たす展開に。
オフェンスが停滞していた香川だったが、5.デイビスのピックを生かしてスペースを作った3.チャップマンが3Pシュートファウルを受け、3本のフリースローを全て成功。再び香川が前へ出る。
TUBCが22.ガスティスの得点でまた勝ち越せば、香川も9.請田のジャンプシュートでまたまた前へ出るという展開の中、オフェンスリバウンドの局面で22.ガスティスが叩いた後のルーズボールを、3.チャップマンが拾ってそのままダンクを決め、残り1分を切って香川が3点のリードを奪う。
大事なTUBCのオフェンスは、46.今林のペイント内のアタックをこの試合幾度となく壁として立ちはだかった5.デイビスがここも防いで、香川が大きなポゼッションを得る。
そのポゼッションで時間を使いながらファウルをもらった香川。5.デイビスがフリースローを1本決めて2ポゼッション差に開いたところで勝負あり。
TUBCの事実上最後のオフェンスはオフェンスファウルの形で失敗となり、香川が逃げ切りに成功した。

最後まで分からない展開が続いた好ゲームは86-78でホームの香川が先勝を飾った。

-ひとこと-

どこまでいっても点差がつかない試合だっただけに、勝敗を分けた点を挙げるのは難しい。
本当に紙一重の試合だったが、一つ挙げるとすれば香川がTUBCの圧力に対して、ある程度屈しないで対応できていた点であろうか。
TUBCと対戦するチームの平均ターンオーバー数がぱっと分からないが、この試合の香川の16という数字は何とか圧に負けないで耐えたと言えるものではないかと感じる。

TUBCはこうなってしまえば、GAME2もディフェンスでの圧を強めてホーム岩手戦の再現を狙いたい。


GAME2
香川64-76TUBC 
(28-12,9-20,10-13,9-21)

スターティング5
香川:チャップマン・高橋克・デイビス・満尾・近藤
TUBC:川島・德川・ガスティス・リース・長尾

-1Q-

挨拶代わりのトラップディフェンスをGAME1以上に繰り出す立ち上がりのTUBC。
しかし、香川の方がトラップに捕まらないように速いタイミングでボールをリリースすることで冷静に対応をしてみせる。
もちろん、TUBCがボールをスティールできそうなシーンも何度か作っていたが、ルーズボールが全て香川に溢れていたことも手伝って、香川のスタートダッシュが成功した。
3.チャップマンの2本のスリーと4.高橋のスリー、そしてトランジションから3.チャップマンのドライブで立て続けに得点。15-0のビックランとなった。
得点差はつけられてしまったものの、やりたいことを表現し、GAME1以上に足が動いているTUBCは次第にオフェンスでのリズムを取り戻し、ピックアンドロールから22.ガスティスのインサイドでのフィニッシュ、速攻から4.田口のドライブ、そして4.田口の3Pシュートで得点を挙げる。

しかし、4.田口のスリーの直後、香川9.請田のトランジションスリーが成功。
香川の強みとする、流れが悪くなりかけたところでトランジションに持ち込み、スリーで強引に状況を打開してくるプレーがここで飛び出し、再び香川にリズムが生まれる。
5.デイビス、25.ダマのインサイドでの得点に、3.チャップマンのスリーが生まれ、さらにリードを広げて28-12のスコアで1Qを締めくくった。

-2Q-

2Qの序盤、立て続けに香川のターンオーバーを誘うディフェンスを展開するTUBCだったが、スコアを動かせないことで香川22.近藤に3Pシュートを沈められ、差を詰められないまま時間が経過していく形となってしまう。
ただ、香川の方も良い形のオフェンスのフィニッシュが3Pシュートに頼りがちになり、そのシュートを落とし続けると、TUBC2.川島がバスケットカウントによる3点プレーと3Pシュートで連続得点を挙げ、TUBCが31-20と11点差まで詰め寄ってオフィシャルタイムアウトに突入する。

オフィシャルタイムアウト明けも46.今林のドライブでファウルをもらってフリースローから得点を挙げるTUBC。
しかし、2本目のフリースローを失敗した後で、マークにつくのが遅れ、トランジションから3.チャップマンのダンクシュートを許してしまう。
冷静さを取り戻した香川はその後、4.高橋、13.高橋の連続ドライブで得点を重ね、再びリードを広げる。
それでも、TUBCは、46.今林が3Pシュートを決めると、リバウンドから25.リースによる速攻からのフィニッシュ、香川のターンオーバーにも付け込んで、25.リースのジャンプショットと22.ガスティスのインサイドで0-9のランを作って猛追を見せた。
ラストプレーでは9.請田のアタックをうまく止め、リバウンドから23.小倉のポストアタックでさらに得点を重ねたTUBC。
終盤の0-11のランで一挙に点差を詰め、37-32で折り返すこととなった。

-3Q-

互いにターンオーバーからスタートした3Qだが、TUBCのターンオーバーから速攻で16.満尾が3Pシュートを成功させ、香川が先にスコアを動かす。
その後もトランジションから次々にスリーを放つ香川だが、シュートを決めることができず、ペースを握りながらもなかなかリードを広げることができない時間が続いていた。
対するTUBCは香川のシュート精度に助けられながら、46.今林の3Pシュートなどで何とかついていく展開となっていた。
すると、7.チョルが25.ダマからボールを奪い、速攻から11.德川がフォローしてTUBCが得点。
その後も立て続けにスティールを奪って流れを掴みかけたTUBCだが、それを得点につなげられず1Q序盤の再現のような形で香川がリードをキープする。

終盤にかけての時間帯は両チームともに流れを掴みきれず膠着状態が続く。香川は3Pシュートを決め切れず、ペイントを狙うアタックはターンオーバーになってしまうというポゼッションが続き、TUBCはゴール下からシュートを放つことはできているものの、香川のインサイド陣の粘り強いマークにあい、決め切れずという展開となっていた。
結局、膠着したまま3Qが終了。TUBCが少し点差を詰め、47-45と香川の2点リードとなった。

-4Q-

4Q最初のプレーで11.德川にファウルを受けながらのミドルジャンパーが飛び出したTUBC。
直後の香川のペイントアタックを22.ガスティスが壁となって防ぎ、さらにはターンオーバーまで誘発すると、2.川島に連続ジャンパーが生まれ、0-6のランでついに逆転に成功する。
ディフェンスの足が止まらないTUBCは5.デイビスのインサイドアタックに仕向け、22.ガスティスを中心にそれをブロックすることで香川のオフェンスをシャットアウト。
50.長尾のドライブによって獲得したフリースロー、オフェンスリバウンドから50.長尾の3Pシュートと22.ガスティスのインサイドアタックでさらに点数を重ね、0-13までランを継続。
劣勢の香川だが、4.田口の3.チャップマンへのスティールを狙ったプレスを交わし、フリーになった9.請田が3Pシュートを沈めると、二度のオフェンスリバウンドから4.高橋のスリー、そしてトランジションからTUBCがマークにつく前にフリーになった9.請田のスリーが成功。一気に9得点を重ね4点差に迫ってオフィシャルタイムアウトへ突入した。

タイムアウト明けはTUBCが46.今林のドライブ、スティールから46.今林のゴール下のフィニッシュ、4.田口のジャンパーでTUBCが立て続けに得点を重ねる。
しかし、速攻に向かうところで22.ガスティスがアンスポを犯し、直前のテクニカルファウルとの合わせ技で退場となってしまう。
チャンスをもらった香川だが、TUBCブースターのブロックショットにあい、フリースローを決められず、9.請田のスリーの成功はあれど、なかなか点差を詰めることができない。
3Pシュートを狙い続けながら、残り2分を切る辺りからファウルゲームをしかける香川。
しかし、シュート精度は上がってこず、TUBCに着実にフリースローを決められて万事休す。大激戦に決着がついた。

4Q出だしのビックランで試合を決めたTUBC。
64-76でGAME2を制し、上位対決は1勝1敗の痛み分けの結果となった。

-ひとこと-

TUBCからGAME2を勝ち切ることの難しさを改めて感じた試合だった。

強度の高いディフェンスをやり続けることを信条とするTUBCに対して、GAME2を取るためには、GAME1と合わせて60分、70分と経った時に自分たちの足も止まらずに押し返す必要があるのだが、それができるチームはいくつあるのだろうか。
岩手、香川という力を持つチームでさえ、そのミッションをやり遂げるのは簡単ではないということである。

今シーズンここまでGAME2全勝のTUBCが改めてその力を見せつけた試合となったが、TUBCの次戦の対戦相手は横浜だ。
首位を走る横浜がここを乗り越えられるのかどうか、非常に興味深い年始のゲームとなる。


いいなと思ったら応援しよう!