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【圧を感じ続けた2日間】〜24-25 B3 第2節 山口パッツファイブvs東京ユナイテッドBC マッチレポート〜


GAME1
山口76-88TUBC 
(24-20,12-19,23-23,17-26)

スターティング5
山口:コラム・末廣・重冨・マックスウェインJr.・川上
TUBC:上田・德川・ガスティス・リース・長尾

-1Q-

試合の立ち上がりは両チームともに簡単なターンオーバーが出てしまう展開となった。
その中で、山口は4.コラムにボールを多く渡すことによってTUBCのディフェンスの圧を減らし、オフェンスの形を作ろうとしているように見えた。それが功を奏する形で山口が一歩前に出ることに成功する。
ボールを回してフリーになった77.川上の3Pシュート、コーナーからの4.コラムの3Pシュート、21.マックスウェインJr.のペイント内の得点でリードを奪う。
さらに、ビックラインナップから21.マックスウェインJr.のミドルジャンパーとアーリーオフェンスから32.吉川の3Pシュートが決まり、8点リードでTUBCのタイムアウトを強いた。

しかし、エンドインプレーで不用意に敵陣に入ってボールを奪われ、23.小倉に3Pシュートを決められると、32.吉川のドライブが狙われスティールから4.田口の得点が生まれ、TUBCにリズムが生まれた。
リズムを掴んだTUBCは十八番とも言える高い位置からのプレスで立ち続けにターンオーバーを誘発し、逆転に成功する。
最後は山口の方も、31.富田の3Pシュートとディフェンスリバウンドの奮闘があり、24-20とリードを奪い返して終了となった。

-2Q-

2Qの入りもディフェンスゲームの展開。互いに素早いローテーションでズレを作らず、ドリブルやパスのコースに手が伸びてきてスティールというシーンを作っていた。
ただ、激しいチェックで山口にだけファウルが嵩む中で、25.リースの連続のドライブアタックで同点に追いついたTUBCが少しずつペースを握っていった。
山口もタイムアウトで流れを切り、9.重冨の3Pシュートやスティールから21.マックスウェインJr.のダンクで得点を挙げるシーンを作るが、どうしてもTUBCのテンポで試合が進む中で、ターンオーバーが止められずTUBCの時間になってしまった。

それでも、オフィシャルタイムアウト明けに、TUBCのピックアンドロールに対するディフェンスで何度かボールを奪うと、8.末廣のバスケットカウントや11.山口の3Pシュートで再びリードを奪う。
しかし、最終盤には敵陣でのボール奪取とファウルドローンによって着実に得点を積み上げたTUBCが流れを掴み、36-39と逆転に成功して折り返すこととなった。

-3Q-

後半は22.ガスティスの圧を受けバランスを崩した4.コラムがバックコートバイオレーション取られるプレーからのスタートとなった。
先制パンチを浴びた山口だったが、高い運動量でパスとドリブルのコースを塞ぎ、スティールを奪い返す形を作ると、中盤を過ぎる辺りまでは一進一退の攻防が続いた。
山口は8.末廣の3Pシュート1本を含む6得点の活躍が光り、TUBCは22.ガスティスと25.リースのインサイドでの得点が中心となった。

その中で、先に流れを掴んだのは山口だった。
ここでも、ビックラインナップを生かしたディフェンスでスティールを奪い、早い攻撃につなげることに成功。
4.コラムの2本の3Pシュート、17.パクのオフェンスリバウンドからの得点、チームで奪ったスティールから32.吉川のレイアップで10-0のランを作り再逆転を果たした。
しかし、タイムアウトを取ったTUBCも7.チョルのインサイドの強さを生かしたバスケットカウント、23.小倉のディープスリー、敵陣でボールを奪って作ったチャンスから46.今林の得点で0-8のランをやり返した。
最後は52.ブラのオープンスリーと7.チョルのアリウープダンクで加点したTUBCが59-62とリードを保った。

-4Q-

4Qも互いに強度の高いディフェンスを出し合い、開始1分半は得点が入らない展開となる。
15.プレストンのスティールからのタッチダウンパスで先にスコアを動かした山口。77.川上のタフショットとフリースローを決め切り、逆転に成功する。
ただ、TUBCも2.川島のドライブからパスを受けた46.今林のミドルショット、そして46.今林のペイントタッチから25.リースがリングへ流し込み、65-68とリード保ってオフィシャルタイムアウトに突入する。

タイムアウト明けは、46.今林がスティールにアシストに攻守に渡る活躍を見せ、TUBCがリードを広げにかかる。
早めのタイムアウトを取って流れを切りたかった山口だったが、3Pシュートを決め切れず、ターンオーバーから痛恨のアンスポを献上したところで連続得点を許し、大きく離されてしまった。
50.長尾とのピックアンドポップから25.リースが3Pシュートを沈め、TUBCの9点リードで残り2分を切った。

タイムアウトを取って最後のチャンスを掴みにかかる山口は、ビックラインナップの高さを優位を生かした17.パクの得点。そして、17.パクの体を張ったプレーによって生まれたディフェンスリバウンドから4.コラムがオープンスリーを沈め、4点差まで迫る。
残り1分強でタイムアウトを取ったTUBCは、46.今林が21.マックスウェインJr.をスピードで振り切ってレイアップを決めると、9.重冨のダブルドリブルのミスに漬け込み、50.長尾がドライブからレイアップを決めて、試合を決めた。
最後の山口のファウルゲームを難なくやり過ごしたTUBCが76-88でシーズン初戦を勝利で飾った。

-試合後の感想-

山口にとってのホーム開幕戦は、アウェイチームのTUBCが自分たちの強みを存分に発揮したゲームとなった。

今年のTUBCの目指すディフェンスを考えれば、今日の試合のようなテンポの速い展開になることは十分考えられた。
山口のターンオーバー27という数字はTUBCのディフェンスの圧に屈したという他ないであろう。

ただ、山口の良いところも見られた試合であったことは間違いない。TUBCの方もターンオーバーは21となっており、山口のディフェンスが十分効いていた証である。

中でも、TUBCのピックアンドロールに対するディフェンスは良かった。
相手のツーメンゲームに対して、ドライブのコース、そしてロールするビッグマンに対するパスコースをうまく消すことができていた。

GAME2に向けては、GAME1で感じたTUBCの強度をうまく消化し、自分たちのテンポで進める時間帯を増やしてほしいと思っている。

映像で見ていても、いざコートに立った時に想像以上の圧を受け、面を食らった部分はあると思うので、GAME2では最初からTUBCの圧を正面から跳ね返してくれることに期待をしている。

その上で、タイムアウト明けのTUBCの仕掛けには十分注意が必要だ。不用意に敵陣に入らないこと、そして守から攻の場面で休まないこと、この辺りを改善できれば、十分勝機はあると睨んでいる。


GAME2
山口67-99TUBC 
(12-20,23-26,14-31,18-22)

スターティング5
山口:コラム・末廣・重冨・マックスウェインJr.・富田
TUBC:上田・德川・ガスティス・リース・長尾

-1Q-

立ち上がりはやや山口のペース。
9.重冨、8.末廣、15.プレストンのゾーンプレスからTUBCのオフェンスの時間を削り、GAME1と同じようなイメージでツーメンゲームに対して守ることができていた。
オフェンスでは、8.末廣や9.重冨のドリブルからのフックシュート、アーリーオフェンスから31.富田の3Pシュートでリードを奪った。

対するTUBCは、セカンドユニットの投入から徐々にリズムを作っていった。
46.今林のドライブからパスを受けた2.川島の3Pシュートと山口のターンオーバーから7.チョルがゴール下の得点を挙げ流れを掴む。
すると、2.川島、7.チョルのツーメンゲームから7.チョルの得点、ファストブレイクから46.今林の3Pシュート、2.川島のスティールなどで0-13のランを作り、一気にリードを奪っていった。
とにかくディフェンスで足が良く動くTUBCに対して、山口は効果的な持ち運びができず、シュートチャンスを作り出すことに苦労していた。
ファウルをもらってフリースローラインに立つものの、3/10と決め切れず12-20と8点差をつけられる展開となった。

-2Q-

互いにオフェンスリバウンドから得点を取り合う展開となった2Q。32.吉川のリングアタックによる5得点で山口が追い上げ体勢を整える。
しかし、セルフジャッジからアンスポを献上すると、掴みかけた流れが手を離れ、混沌とした展開に。
TUBCが0.上田の3Pシュート、52.ブラから22.ガスティスのハイロープレーで得点を挙げると、山口も4.コラムの個人技や17.パクセジンの高さの優位性を生かして得点を挙げる。
27-36と拮抗した展開のままオフィシャルタイムアウトへ突入する。

オフィシャルタイムアウト明けは、互いにオフェンスファウルからテクニカルファウルを取られるという判定に振り回される中で、TUBCが2.川島のドライブアタックや25.リースのゴール下の強さで少しずつ抜け出していった。
TUBCのセカンドユニット、とりわけ2.川島の活躍が印象的だった前半は、35-46と2桁点差がつき、TUBCのリードとなった。

-3Q-

3QはTUBCが大きな流れを掴むクウォーターとなった。前半から見せていたピックを起点にしたチーム全員が絡むオフェンスでファウルを受けてフリースローで得点を挙げると、50.長尾の山口の隙を見逃さない、スピードを生かしたドリブルから6得点を挙げ、リードを広げることに成功する。
山口は、31.富田のシュートや15.プレストンのオフェンスリバウンドから得点の形は作っていたものの、とにかく戻りが遅く、あまりにも簡単に50.長尾に走られてしまってからは攻守にリズムを失ってしまった。

ゾーン気味のマッチアップディフェンスもインサイドを攻略され、オフェンス時もTUBCのトラップに引っかかり、ターンオーバーを重ねた。
新加入の6.松田をコートに送るが、一度TUBCに傾いた流れは止められず、2.川島の内外からの5得点と52.ブラ、7.チョルのフリースローでさらにリードを広げられてしまった。
山口の隙を見逃さず、一気呵成に攻め込んで、コートを制圧したTUBCが49-77と大きなリードを手にするクウォーターとなった。

-4Q-

4Qの立ち上がりは、両軍落ち着かないポゼッションが多く、ターンオーバー合戦のような形となった。アップダウンの激しいカオスと言っていいような状態で試合が進んでいった。
このような展開は、山口のシュートをなかなか決め切れないオフェンスと、そのオフェンス後にディフェンスのためのポジションを取ることができていないことがもたらしているように見えた。
そんな中で、57-91とTUBCがさらにリードを広げてオフィシャルタイムアウトに突入した。

タイムアウト明けはセカンドユニット同士の戦いとなり、山口は77.川上の3Pシュートや32.吉川のパスから4.コラムや15.プレストンがゴール下で得点を挙げていった。
TUBCは4.田口のドライブアタックや23.小倉、46.今林の3Pシュートで100点ゲームに迫るオフェンスを繰り広げた。
最終スコアは67-99。TUBCが完勝で開幕2連勝を飾った。

-試合後の感想-

TUBCが連勝を飾った2連戦となったが、まずはTUBCのプレーレベルの高さに目を向けたいと思う。
チームのベースとなる高い強度で圧をかけ続けるディフェンスを80分間見事にやり切ってみせ、80分間続けることができなかった山口とは大きな差を感じた。

また、GAME2で見せたオフェンスの修正も見事だった。GAME1ではピックアンドロールによるツーメンゲームを山口にうまく止められていたように見えていたが、この試合では、2人だけの関係ではなく、3人目、4人目がうまく連動し、スペースを作っていた。
ビッグマンのポストアップやハイロープレーなど、オフェンスの多彩さも見せ、山口のディフェンスを完全に攻略した。

天皇杯で受けた印象の通り、チーム力の高さを感じる開幕2連戦だった。

強いて課題を挙げるとすると、ディフェンスリバウンドの確保のところではないかと感じた。
運動量多く積極的にプレスをかける分、相手にシュートを打たれた際に、リバウンドを確保するためのポジションに戻り切ることができない場面があるように見受けられた。

とはいえ、全部戻り切るのも現実問題難しいはずなので、この辺りの折り合いをどうつけていくのかを、次の試合を見るときの楽しみにしたい。

山口の方はというと、TUBCに一枚も二枚も上手なところを見せつけられる格好となった。

GAME2の2Qまでの60分間は決して内容も悪くなかったと思うが、TUBCの修正力に対して、山口の二の矢は物足りなかったという印象だった。

何よりも反省が必要なのは3Qの崩れ方だ。
今シーズンはここまで見られなかったような戻りの遅さによって、50.長尾にあまりにも簡単に、それも連続で走られることは、あってはならないはずである。

この2試合を教訓に80分間、自分たちが目指すプレーをやり続けられるように、次戦に向かってまた進んでほしい。

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