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"B3 Research" 〜第100回 天皇杯 2次ラウンド 立川ダイス マッチレポート〜


プレビュー

今シーズンの開幕戦はアウェイでの連戦となった山口パッツファイブ。その相手は立川ダイスとなった。
立川は昨シーズン、惜しくも8位以内を逃しており、今シーズンこそ初のプレーオフ進出を果たしたいところであろう。

その立川は開幕前の天皇杯で2試合をこなした。
天皇杯の試合では、昨シーズンから在籍している選手たちの堅実なプレーが印象に残った。
フィッツジェラルドの得点能力はもちろん、町井、秋山、森のここぞでの得点には警戒が必要だ。
そして、新加入のブルーナーとイングラムは純粋なインサイドプレイヤーというよりは、アウトサイドからのシュートやドライブもあるオールラウンダータイプの選手で、チームの得点パターンを増やすことができる可能性を感じた。

ただ、天皇杯ではチームとしてアウトサイドシュートの確率が上がってこなかったこともあり、オフェンスには苦しんでいるように見えた。
また、新加入の選手とフィッツジェラルドとの連携についてもまだまだ良くなる要素がありそうで、山口としては強度の高いディフェンスで自由を与えないようにしたい。

ディフェンス面ではペイント内へのアタックに対してヘルプができることを重要視しているように感じられた。ある程度コーナースリーのスペースを与えても、ペイントへのアタックを防ぐことで相手のオフェンスを制限する意図があるように思った。

この守り方は山口には刺さる可能性がある。
北海道戦の山口は3Pシュートの成功確率が上がってこなかったが、立川戦でも同様の展開になると厳しい戦いを強いられる恐れは十分にある。
ペイント内を正面突破しにかかるのか、アウトサイドからのシュートの形をオフェンスに組み込んで対応する姿勢を見せるのか、個人的にはその辺りの選択を楽しみにしたい。

第100回 天皇杯 4回戦 
立川69-40山口クラブ
(18-7,14-7,19-9,18-17)

スターティング5
立川:ブルーナー・町井・福田・イングラム・秋山
山口:山田・宗野・川武・上田・清水

-1Q-

先手を取ったのは立川。3.町井、2.ブルーナーでオフェンスをコントロールし、2.ブルーナーを起点にシュートチャンスを作り出す。
2.ブルーナーからゴール下への2つのアシストと3Pシュートで7-0のランを作った。
山口はペイントアタックを起点にアウトサイドのシュートを試みるが、立川の圧を少し感じているのかスコアに繋がらない時間が続いた。
中盤以降の立川はリバウンドからの速攻と21.フィッツジェラルドのインサイドでのオフェンスを試みる。ただ、アウトサイドシュートの精度を欠き、思うように得点を重ねることはできなかった。
それでも、ディフェンスリバウンドを確実に確保して山口の攻撃回数を抑え、18-7とリードを奪った。

-2Q-

2Qも互いにシュート精度を欠く展開が続く。
オンザコート1かつセカンドユニットの立川はアウトサイドシュートが決まらないことで山口にペイント内のスペースを消されてしまい攻め手を失っているように見えた。
3.宗野、7.川武に中心にオフェンスを組み立てる山口。惜しい形は何度も作るものの、最後のパスやシュート精度が足りず、得点にはつながらなかった。
高い位置からのプレスで圧倒するわけではではないが、最低限のローテーションでシュート時にきっちり山口に圧をかけるディフェンスを見せる立川。失点を抑え、オフェンスリバウンドを確保して得点を挙げ、32-14とリードを広げて前半を終えた。

-3Q-

後半最初のオフェンスは、32.秋山の3Pシュートで幸先の良いスタートを切った立川だったが、その後は強引なインサイドアタックが続き、再びオフェンスが停滞した。
それでも、ディフェンスでの集中力は途切れず、強度を少し上げたプレスから山口の自由を奪っていった。
そのディフェンスから速いオフェンスにつなげ、21.フィッツジェラルドのシュートチャンスを作り、得点を重ねていった。
アウトサイドシュートの精度は上がってこないものの、着実に点差を広げた立川が51-23のリードとなった。

-4Q-

1.山田、7.川武の連続3Pシュートを成功させた山口。ペイント内へのカッティングプレーも成功し、オフェンスにリズムが生まれた。
山口にリズムが生まれると、立川のオフェンスにもリズムが生まれるようになる。15.イングラム、14.佐藤の3Pシュートが立て続けに成功し、ようやくアウトサイドシュートの精度が上がってきた。
大勢は決したものの、最後まで攻め続ける山口。7.川武のロングスリーで見せ場を作った。
試合は69-40で立川が順当に勝利を挙げ、5回戦へと駒を進めた。

-ひとこと-

この試合はあまり参考にしない方が良いかも。
ブルーナーのオフェンス能力が厄介になるかもしれない。

第100回 天皇杯 5回戦 
仙台87-73立川
(27-25,26-16,21-16,13-16)

スターティング5
仙台:フェリシオ・キッド・ヤン・タリキ・渡辺
立川:町井・イングラム・甲斐・フィッツジェラルド・秋山

-1Q-

立ち上がりは仙台のペース。
15.渡辺、7.キッドの2ガードのコントロールから13.タリキの3Pシュートで先制。先制後はディフェンスで立川のターンオーバーを誘発しながら素早いオフェンスで連続得点を挙げた。
立川としては、ガード陣が仕掛けるところでターンオーバーが出てしまい、仙台に走られるという悪い展開になってしまった。
11-3からのタイムアウト後、立川は32.秋山にボールを集め、彼の5得点で流れを断ち切る。
しかし、9.ヤンジェミンの高さと合わせの動きに対応できず、6得点を許し、再び点差を広げられてしまう。
それでも、53.森のドライブアタック、21.フィッツジェラルドのシュート力を中心に2点を積み重ね追随する立川。14.佐藤が45.ブースのアタックを止めたところから2.ブルーナーのブザービーター3Pシュートが決まり27-25と2点差で1Qを乗り切った。

-2Q-

2.ブルーナーのジャンプショットと3Pシュートで迫る立川に対し、6.フェリシオのオフェンスリバウンドと45.ブースのフェイダウェイシュートで突き放す仙台。
一進一退の攻防から先に抜け出したのは仙台。タイムアウト明けにペイントへのアタックからフリースローでの加点、トランジションから7.キッドの3Pシュートで7-0のランを作る。
立川のタイムアウト明けも、45.ブースのオフェンスリバウンド、7.キッドの3Pシュート、91.片岡のドライブと多彩なオフェンスでさらにリードを広げた。
タイムアウトを取った立川だったが、オフェンスでズレを生み出すことができず、相手の外国籍選手の圧を受け、クリーンなシュートを放つことができなかった。
それでも、終盤には収縮の速いディフェンスで仙台の攻撃を連続で止め、インサイド陣の得点につなげた立川が少し盛り返して前半終了となった。
中盤で19-1のランを作った仙台が53-41とリードを広げることに成功した。

-3Q-

後半立ち上がりは互いに得点が思うように挙げられない重苦しい展開となった。
仙台は15.渡辺と45.ブースのツーメンゲームから形を作るが、シュートが決まり切らない。
立川はクリーンなシュートの形を作れずタフショットを打たされる流れとなった。
タフショットを沈めてチャンスを待つ立川は、ファストブレイクから3.町井のドライブが3点プレーとなり、流れを掴みかける。
しかし、ここで痛恨のターンオーバー、そしてタフショットのリバウンドから15.渡辺に走られてしまい連続失点。千載一遇のチャンスを掴むことができなかった。
仙台は、3Qの頭から立川にオフェンスの形を作らせていなかった中で、立川のミスに漬け込み、一気に流れを持っていく試合運びが見事で、15.渡辺の連続得点から11-0のランを作り試合を決定づけた。
3Q終わって74-57と仙台の大きなリードとなった。

-4Q-

大きなビハインドを背負った3Q終盤以降も集中力を切らさず良いプレーを続ける立川。
ペイント内のスペースを小さくし、ファウルを使いながらうまく仙台のオフェンスを抑えていた。
とは言え、良い守備から速いオフェンスに移行する中で、オフェンスの精度を欠き、得点に繋げることはできていなかった。
その点では、仙台もセカンドユニット中心の構成の中、うまくローテーションしてズレを作らないように守ることができていたと言える。
終盤は、オンザコート1でクロージングを図る仙台に対して、スターター中心に最後まで挑む立川という構図に。
ディフェンス面では奮闘を見せたものの、オフェンス面では有効な形をなかなか作ることができず敗戦となった。
立川が一瞬見せた隙から一気に流れを掴み取る強さを見せつけた仙台。87-73で2次ラウンド突破のかかる最終戦へと駒を進めた。

-ひとこと-

やはり山口クラブとの試合は参考にすべきではなかった…
ブルーナーだけじゃなくイングラムもオフェンス能力が高く厄介そうなのが不気味。
そして秋山と森が良いところで挙げる得点が相手からすると面倒すぎる。

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