"B3 Research" 〜24-25 B3 第10節 横浜エクセレンスvs新潟アルビレックスBB マッチレポート〜
GAME1
横浜92-78新潟
(24-22,29-16,23-17,16-23)
スターティング5
横浜:大橋・増子・ウィリアムス・ロート・杉山
新潟:五十嵐・上江田・ハント・田中・ラベネル
-1Q-
15連勝中の横浜とのアウェイゲームに臨んだ新潟。最初のオフェンスは事前に決めていたかのような7.五十嵐の3Pシュートで先制点を挙げる。
その後も新潟は7.五十嵐と30.ラベネルのツーメンゲームを中心にオフェンスを組み立て、7.五十嵐がそのままスリーを決めたり、インサイドの22.ハントを使ったりすることで得点を挙げていた。
対する横浜は13.大橋の積極的なアタックと21.増子の3Pシュート、31.ロートのインサイドで得点を重ねていた。
序盤は点の取り合いの展開となるも、次第に横浜のペースへ。
フリースロー後のゾーンプレスからディフェンスで仕掛けを見せると、7.五十嵐のマークにつく33.杉山がその7.五十嵐から2度ボールを奪い速攻のシーンを作った。その速攻も確実に得点につなげ、リードを奪うことに成功した。
その後、横浜がリードを奪った状態で1.ボイドを投入するが、新潟も対面に55.ネルソンをコートに送る。その55.ネルソンが1.ボイドを出し抜いて連続得点を挙げ、新潟が反撃に出る。
ただ、1.ボイドも素早く敵陣に運んでファウルをもらっフリースローで初得点を挙げると、新潟のダブルチームを出し抜いて15.谷口のスリーをアシスト。新潟のダブルチームに2度ターンオーバーを出してしまったものの、最低限の仕事は果たしてみせた。
1Qは24-22と横浜が2点のリードを奪った。
-2Q-
2Qは1.ボイドのジャンプシュートで最初の得点を奪った横浜がペースを掴む。
新潟が30.ラベネルをベンチで休ませている中、22.ハント主体のオフェンスを2失点でとどめると、13.大橋と1.ボイドが立て続けに3Pシュートを成功。
さらに、13.大橋が敵陣でボールを奪ってそのままリングへ流し込み点差を二桁に広げる。
新潟は30.ラベネルをコートに戻し、55.ネルソンや14.冨岡とのコンビネーションで攻撃を組み立てるも、横浜のディフェンスのズレを作ることに苦労していて、何とかファウルをもらってフリースローでつないでいる形となっていた。
オフィシャルタイムアウトを挟んだ後半もペースは横浜。
10.パブ月瑠を投入した後の新潟のディフェンスのズレを見逃さず、16.ソウがインサイドで簡単に得点を挙げながら、22.ウィリアムスがスリーを決めるなど多彩な形で得点を量産。
新潟は55.ネルソンのドライブ、30.ラベネルのディープスリーで得点を挙げるが、横浜のオフェンスに制限をかけることができず、失点が嵩んでしまった。
横浜が大きく上回った2Q。
前半終わって53-38と15点のリードを奪った。
-3Q-
3Q序盤も横浜の時間。
21.増子のスリーに始まり、31.ロートのポストアタック、トランジションから13.大橋のスリーが決まり、8-2の入りを見せる。
新潟は横浜のディフェンスに手を焼いている印象だった。ツーメンゲームでなかなかズレを生み出すことができず良い形でのシュートが放てていなかった。
7.五十嵐がかなり深い位置から30.ラベネルのピックを使って3Pシュートを決めたが、このようなスペシャルなプレーがないと得点を重ねられないような状況だった。
止まらない横浜は、8.上江田の治療のブレイク明けも8.西山のスリー、1.ボイドのペイント内への飛び込み、1.ボイドのクイックスリーと立て続けに得点を挙げ、さらにリードを広げる。
最後は3.大矢のスリー、55.ネルソンとのピックアンドロールから30.ラベネルのフィニッシュで連続得点を挙げた新潟だったが、このクウォーターも横浜が上回り、76-55と21点の差をつけることに成功した。
-4Q-
4Qも6.小林のスリーと16.ソウのフリースローで横浜が先に得点を挙げる展開となる。
さらに6.小林、1.ボイドのスリー、31.ロートから16.ソウへのアリウープも決まってこの日最大の30点の差がついた。
しかし、ここから新潟がようやくリズムを掴んでいく。
30.ラベネルのインサイドアタック、55.ネルソンと22.ハントのコンビネーションで得点を挙げると、オフィシャルタイムアウト明けには55.ネルソンのトランジションスリーが成功。
ディフェンス面でも、横浜のペイントアタックに対して、マークマンが自由なスペースを与えず、オフェンスをシャットアウトすることができていた。
横浜はフリーなシュートを落とし始めたところで、1.ボイドが負傷し、コート上の面々もあまりない組み合わせとなったこともあってオフェンスが停滞してしまったような印象だった。
残り1分半で1.ボイドが戻ってきた横浜だったが、新潟も最後まで反撃の姿勢は崩さず、22.ハントのダンクシュートや55.ネルソンの3Pシュートで得点を返して試合終了となった。
横浜が首位に立つ力を見せつけて92-78と先勝。
連勝を16に伸ばした。
-ひとこと-
横浜が強いという試合だった。
ただ山口の対戦相手として考えた時に、新潟のオフェンスもそう簡単には止められないだろうなという印象を持った。
やはり五十嵐はスペシャル。彼と外国籍選手たちをどう止めていくのかが重要なミッションになってくるだろう。
GAME2
横浜87-76新潟
(20-18,12-29,25-10,30-19)
スターティング5
横浜:大橋・増子・ウィリアムス・ロート・杉山
新潟:川村・五十嵐・ハント・田中・ラベネル
-1Q-
前日のゲームで負傷した8.上江田に代わって、1.川村をスターターとして起用した新潟。
横浜はその1.川村を狙ってオフェンスを展開する。1.川村と対面する21.増子と31.ロートのピックアンドロールを起点にオフェンスを組み立て、21.増子のステップバックスリーや33.杉山のドライブが成功。
一方の新潟は横浜の積極的なプレスの前に、ボールを奪われるシーンを作られるものの、逆にそのプレスの穴をついてシュートを放つ。
22.ハントのインサイドアタックに、24.田中のドライブと3Pシュートで得点を挙げ、リードを奪った。
1Qの横浜は13.大橋と33.杉山でかなり強いゾーンプレスをかけたり、相手のピックに対してかなり早いタイミングでスイッチを行ったり、積極的な姿勢が目立った。ただ、その姿勢がゲームコントロールに結びつかず、ディフェンスで穴を開けてしまうシーンやオフェンスでシュート精度が上がらないシーンが見受けられ、裏目に出てしまっているように見えた。
その横浜はリードを許した状態で1.ボイドを投入。
すると、1.ボイドのシュート精度を持ってゲームコントロールを取り戻した。
3Pシュートは決まらないものの、緩急を生かしたドライブでシュートチャンスを作って得点を重ねながら、21.増子の3Pシュートや33.杉山のルーズボールダイブで流れを掴んだ。
新潟は55.ネルソンのオフェンスを横浜のローテーションで止められてしまい、自分たちの得点がなかなか伸びない時間となってしまった。
それでも、3.大矢の3Pシュートや14.冨岡の素早い持ち運びからのフリースローでつなぎ、踏ん張ることには成功した。
激しい攻防が繰り広げられた1Qは20-18で横浜がリードを奪った。
-2Q-
2Qの序盤は新潟のペース。
8.西山のドライブで最初の得点を許すものの、32.池田の3Pシュートからリズムを掴む。競り合いで優位に立ち、1.ボイドからボールを奪うシーンも作ると、速い展開から22.ハントのゴール下で得点を重ねて逆転に成功した。
その後は得点を取り合う展開に。
横浜は1.ボイドのドライブでペイント内をこじ開けて得点を挙げる。
対する新潟は22.ハントがゴール下を支配。オフェンスリバウンドと55.ネルソンとのピックアンドロールから得点を重ねた。
オフィシャルタイムアウト明けは流れが新潟へ。
55.ネルソンがブロックショットも含めて1.ボイドのアタックを二度止めると、55.ネルソンと22.ハントのツーメンゲームから22.ハントの得点。ブレイクから32.池田のこのクウォーター3本目の3Pシュートでリードを広げた。
止まらない新潟は22.ハント、3.大矢、14.冨岡と圧倒的なオフェンスリバウンド力を見せ、55.ネルソンのドライブ、1.川村と55.ネルソンの3Pシュートでさらに得点を重ねた。
横浜はディフェンスリバウンドがほとんど確保できなかったといってもよい状況の中、良い形でオフェンスにつなげることができず、強引な形でシュートを試みて外すというシーンが多かった。
2Qは、10分間通して新潟が横浜を圧倒。32-47と大きなリードを奪った。
-3Q-
反撃に転じたい横浜は13.大橋、33.杉山の強烈なディフェンスから流れを掴もうと試みる。特に33.杉山は7.五十嵐にボールを持たせないだけではなく、30.ラベネルからオフェンスファウルを奪取するシーンも作り、チームに流れを持ってくる大きな貢献を果たした。
また、2Qでは22.ハントに支配されたペイント内のスペースも、31.ロートが存在感を発揮することで勢力を取り返すことに成功。リバウンドの確保や22.ウィリアムスとのハイロープレーで得点を挙げる活躍を見せた。
ジリジリと横浜に詰められる新潟は状況の打開を試みて55.ネルソンを投入する。ただ、33.杉山の激しいマークを掻い潜ることができず二度のポゼッションを失敗。
ターンオーバーから速攻を許し、21.増子の3Pシュートで逆転されてしまう。
ただ、その後のポゼッションで55.ネルソンがドライブをやり返し再逆転を果たすと、33.杉山をファウルトラブルに追いやって、3.大矢がバスケットカウントを獲得し、3点プレーを成功させる。
終盤に1.ボイドを投入した横浜は、彼のオフェンスもうまくいかない雰囲気が漂うも、22.ウィリアムスのゴール下での鉄壁のディフェンスから彼の3Pシュートと1.ボイドの意地のドライブアタックで得点。
新潟も55.ネルソンのスリーでスコアを重ね、57-57のタイスコアで4Qの戦いに勝負の行方が委ねられることとなった。
-4Q-
4Q序盤も得点を取り合う両チーム。
新潟が30.ラベネルのインサイドの強さと55.ネルソンのドライブ、3.大矢のスリーで得点を挙げれば、横浜も決して絶好調とは言えない1.ボイドの2本の3Pシュートと22.ウィリアムスのダンクシュートで得点を挙げる。
一進一退の攻防が繰り広げられる中、65-66と新潟が1点リードでオフィシャルタイムアウトへ突入する。
タイムアウト明けもフリースローを決め合って一歩も引かない両チームだったが、戦略的なタイムアウトを取った横浜が完璧なデザインプレーで1.ボイドの3Pシュートを作り出し、3点のリードを奪って残り2分間の攻防へ。
すると、1.ボイドと8.西山のスクリーンの動きに対して、新潟の14.冨岡と55.ネルソンのマークの受け渡しがうまくいかず、1.ボイドがオープンでボールを受ける。
ボールを受けた1.ボイドは、当たり前のように3Pシュートを沈めて、大きな得点を挙げた。
2ポゼッション差となった新潟はタイムアウトを取るが、直後のスローインを失敗。1.ボイドにスティールを許し、フリースローからさらに2点を献上してしまった。
余裕が生まれた横浜は、ほぼ失敗とも言えるオフェンスで22.ウィリアムスが3Pシュートを沈め、勝利を決定づける得点を挙げた。
その後、新潟にファウルゲームを仕掛けられるが、それをきっちりやり過ごして試合は終了。
15点差を跳ね返した横浜が87-76で新潟を下し17連勝を飾った。
-ひとこと-
素晴らしい戦いを繰り広げた新潟。
3.大矢と14.冨岡がどれだけプラスを積み上げられるかが今後の戦いに向けては重要になってくるのだろうと感じた2試合だった。
2Qにあれだけ圧倒された横浜だったが、チームの根幹であり、プライドを持っているディフェンスから逆転を呼び込んだところは強いと言うしかない。
33.杉山の存在の大きさを改めて感じた試合だった。