【マッチレビュー】山口パッツファイブ 〜新たな航海〜 #9
GAME1
山口71-93横浜
(20-32,17-18,15-22,19-21)
今節の対戦相手は、昇格を目指す横浜エクセレンス。ここまでは11勝5敗と好調な出だしとなっているチームだ。
試合開始直後、山口のゾーンの外から21.増子が挨拶代わりの3Pシュートを決めると、横浜のペースで進んでいった。
コートに立ったメンバー全員が高い位置から激しいプレスをかけて、山口のターンオーバーを誘発していく。ベンチメンバーも含めてローテーション速く、常にフルスロットルでディフェンスを行っていた。オフェンスではピックアンドロールを使いながら、スペースが空けばすぐに3Pシュートを放つ。1Qではチームとして6本の3Pシュートを決め、32得点を挙げた。
山口は横浜のハイテンポなバスケを前にゲームコントロールを失ってしまった。それでも、32.吉川や77.川上の3Pシュートで何とか20得点を奪い、土俵際で踏み止まった。
2Qは、32.吉川のアタックやリバウンドからのファストブレイクで立ち上がりに山口が6-0のランを作り、横浜にタイムアウトを強いる。
1Qほどの確率で横浜のシュートが決まらないこともあり、じりっじりっとした展開となった。
セカンドユニットがコートに立つ時間は相手のボールマンに対して規制がかけられて厳しいシュートを打たせていた山口。しかし、2Q終盤にスターティング5がコートに戻ると、横浜のツーメンゲームに対してアンダーに入ってしまい、ボールマンがフリーに。そこから自由にオフェンスを展開されてしまい再び2桁点差に広げられてしまった。
それでも、横浜のラストポゼッションに対してはブリッツからのダブルチームでターンオーバーを誘発するという成功体験が得られた。これをヒントに後半の戦いに繋げてほしい。
37-50で横浜がリードとなった。
3Qの立ち上がりは横浜がリバウンドを確保しながらブレイクを出し、0-5のランを見せる。山口はタイムアウトで流れを切り、32.吉川の5得点で流れを戻すが、再びディフェンス面で苦戦を強いられた。ピックに対してアンダーで守るところを狙われ、次のピックに引っかかりボールマンがフリーに。それでもスイッチで対応を試みるが、一瞬の遅れもあり、守りきるところまではいかなかった。また、良いローテーションでシュートを落とさせるポゼッションもあったが、リバウンドが確保できず悪循環に陥ってしまった。
中盤から終盤にかけての時間帯、13点差の場面から0.シットンに連続3Pシュートを許し、大きなビハインドを背負うことになった。
52-72で横浜がリードの展開となった。
4Qは横浜のシュートが落ちる中、何とかリバウンドを確保した山口が7.ケンドリック、77.川上のアタックで7-0のランを作るスタートとなった。
横浜のタイムアウト明けのポゼッションも7.ケンドリックがスローインをスティールし、ゴール下にフリーで待つ9.重冨にアシストする。しかし、このゴール下のシュートを外すと、11.チャバルスのフリースロー後のポゼッションも、早いタイミングでの9.重冨のジャンプシュートが外れてしまう。そして、返しのポゼッションで8.西山にクイック3Pシュートを許してしまった。実質的にこの一連のポゼッションで勝負が決まった。
結局オフィシャルタイムアウト時点で19点差、その後も13点差までは迫るものの、その後のプレー精度が上がらず敗戦となった。
GAME1は、横浜が目指すものと日常レベルの差を見せつけ、快勝となった。
GAME2
山口103-80横浜
(28-19,26-25,28-17,21-19)
山口は前日からスターターを変更。31.富田を起用すると、その31.富田が14.ジャクソンに対する合わせ、3Pシュートで5得点を挙げてリズムを作る。ディフェンスも31.富田を中心にファイトオーバーを徹底し、最後までボールマンにプレッシャーをかけることができていた。
しかし、横浜もオフェンスリバウンドを拾ってのセカンドチャンス、そしてベンチから出てきた9.小澤が3本の3Pシュートを決め、反撃を見せる。
一進一退の攻防となる中、最後までディフェンスの強度が落ちない山口。77.川上の連続3Pシュートが飛び出し、最後は点差をつけることに成功。28-19でリードを奪った。
2Qも両チームとも強度が落ちず、激しい攻防が繰り広げられる。横浜は33.俊野を起点としたオフェンスでファウルをもらってフリースローで加点をしていく。
ただ、このクォーターも先に流れを掴んだのは山口。激しいディフェンスからターンオーバーを誘い、速いタイミングでのオフェンスにつなげていた。そして、1.エイブラムの3Pシュートが止まらず、オフィシャルタイムアウトまでで3本沈めて13得点を挙げ、2桁のリードを奪った。
オフィシャルタイムアウト前後の時間には横浜が誇るシューター陣、8.西山、21.増子、33.俊野の3本の3Pシュートが飛び出す展開となるが、終盤は両チームともにターンオーバーが連続して得点が停滞。
54-44で山口リードの前半となった。
3Qも引き続き流れを掴んだのは山口だった。
1.エイブラムがタフショットを決めると、3Pシュートも決めて10得点でチームを引っ張った。中盤にかけての時間帯は両チームともにターンオーバーが連続する展開となったが、77.川上が3Pシュートを決めてからは一気に山口ペースとなった。
ペースを握った要因は相手コートでのゾーンディフェンスだった。このディフェンスで2つのスティールを奪い、イージーショットで畳み掛けることに成功した。
82-61で山口がさらに差を広げた。
4Qになると、後がない横浜が激しいディフェンスと速いタイミングのショットで追い上げを目指す展開となる。山口はそれに対応できず、ターンオーバーを出したり、フリースローを決められなかったりして隙を見せていた。
しかし、横浜のオープンな3Pシュートの確率が上がってこず、点差は縮まらなかった。オフィシャルタイムアウトの時点で山口が18点のリードを持っていた。
オフィシャルタイムアウト明けも山口は横浜のオールコートでのダブルチームに対してターンオーバーを連発。横浜のシュートが外れているだけという嫌な展開が続いた。
それでも、14点差の残り3分の場面で32.吉川が0.シットンから値千金のスティール。そのスティールから14.ジャクソンがダンクを決めて勝負ありとなった。
前日から見事なカムバックを見せた山口。スターター起用された31.富田がこの試合の基準を示すと、それにチーム全体が呼応して30分間は素晴らしいバスケットを披露した。
スタッツ的には1.エイブラムの36得点も欠かせなかった。
プレーオフ進出を目指す上では、このゲームを出力するエナジーの基準としたいところであろう。