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【終盤の入口で迎えた首位との対峙】〜24-25 B3 第18節 横浜エクセレンスvs山口パッツファイブ 見どころ〜


第18節プレビュー

前節は八王子とのアウェイゲームに臨んだ山口。
GAME1は良い形で先勝を飾った中で、GAME2は敗戦。1勝1敗となった。

今節はいよいよ首位横浜とのアウェイゲーム。
ここからシーズン終盤に向けて、真価が問われる山口にとってその戦いの入り口でいきなりラスボスとの対峙となる。

今シーズンの横浜とは10月に下関で顔を合わせている。

GAME1の第1Qに強烈なプレスを受け、面を食らってしまいそのままオフェンスを立て直すことができず、ディフェンスでもボイドやウィリアムス、増子といったスコアラーを止められず、完敗と言える2試合だった。

そこから3ヶ月が経ち、山口はホームでの雪辱を果たすとともに、チームとしての成長を表現したいところである。


vs横浜 越えるべき三つの壁

さて、横浜と対等に戦うためには、最低限三つの壁を越える必要があると考えている。
ここからはその壁を一つずつ紹介していきたい。

その1 〜横浜が仕掛けてくるディフェンスの圧力を跳ね返せ〜


1点目は横浜のディフェンスの圧に屈せず、着実なボール運びからオフェンスを展開することである。

ここまで、何試合か横浜の試合を見ていて感じることとして、本質的にはディフェンスのチームであるのではないかという点だ。

特に、スターターの選手たちはまず守備面で試合を壊さないことを優先されて起用されている側面があると思う。

そのディフェンスを打ち破るための要注意人物が大橋と杉山。この二人のプレスに嵌まらないことが重要である。

マンツーマンでもゾーンプレスでも強度高くディフェンスを行ってくるため、ここでボールを運ぶことができないとその時点で試合が終わってしまう。

前述した通り、10月の対戦ではGAME1の入りでその圧に見事に屈してしまった形だった。

今回の対戦では、おそらく杉山が吉川のマークにつくことから試合が始まっていくのではないかと考えているのだが、それぞれのチームが誇る怪盗同士のマッチアップでボールを失わずに運び出せるかどうかが山口にとっての最初のキーポイントとなるであろう。


その2 〜スターターのウィリアムスと増子を調子付かせるな〜


2点目もスターターに関することであるが、ウィリアムスと増子。この二人を中心としたオフェンスをあまりにも簡単にやらせてしまうと、この後に控えるオフェンスマシーンが登場する前に試合が決まってしまう。

立ち上がりの5分でそれを可能とする選手たちを擁するところが横浜の恐ろしさでもある。

10月の対戦でもこの二人の選手にはGAME1で30得点、GAME2では25得点を献上しており、特にGAME1の序盤に増子にやられた印象は強い。

今年に入ってウィリアムスのシュートタッチはやや落ちているような印象もあるが、先週の香川とのGAME1では19得点を挙げており、警戒すべき選手であることには変わりはない。

増子は直近3試合こそ一桁得点となっているものの、安定したパフォーマンスで得点を重ねているという印象である。

山口としてはチームスタイルとして3Pシュートを最優先に警戒するディフェンスを採用することが多いため、横浜が繰り出してくる増子に3Pシュートを打たせるデザインプレーを防ぐことができるかどうかが彼らを止める上でのキーポイントとなるだろう。


その3 〜リーグトップクラスのスコアラーであるボイドを止めろ〜


ここまで挙げてきたスターターに対する2つの壁を越えられたとしても、それだけでは試合にならない可能性があるのが横浜というチームだ。

なぜなら、1Qの途中からゲームに入ってくるボイドという存在を擁しているからである。

山口は昨シーズンの福井時代からここまで4試合、ボイドと対峙をしているものの、毎試合やられてしまっている。

福井に所属していた昨シーズンの2試合では66得点、今シーズン10月の2試合では54得点を献上。止められたためしが無いという選手である。

試合展開上、三つ目の壁として書いたものの、優先度としては一番高く、この壁を越えるところからゲームプランを組むべき、そういった選手であることは間違いない。

五度目の対戦となる山口はどのように対応するのだろうか。

予想としては今年の4試合、金沢・八王子との試合の文脈を踏まえてプランを立てるのではないかと考えている。

金沢にはグリーン、八王子にはサリバンという3番ポジションに強力な外国籍選手がいるチームと戦ってきた今年の4試合であるが、八王子とのGAME2を除いた3試合はかなりディフェンスがうまくいったと言えるゲーム内容だった。

その時は山口力也を中心として末廣や富田が代わる代わるマークにつき、ボールを持たせないほどの密着マークで相手のオフェンスを制限できていた。

対戦相手の流れやそれまでの内容を考えると、ボイドに対しても同じように山口力也を中心としながら厳しいマークで対応を試みることが考えられる。

その上で、年始のTUBCや香川の守り方も参考にしながら、とにかくドライブを止めることに注力して対応をし続けられるかがポイントになるだろう。

正直、3Pシュートが当たっている試合はもうどうしようもないので、それは当たらないことを祈りつつ、まずはドライブを自由にさせないこと、良い距離感で素早く囲い込んでしまうことができるかどうかに全てかかっているといってもいい。

横浜も直近の山口の試合を見て、ディフェンスシステムへの予想は立てやすい面があるかもしれないが、山口としては金沢・八王子との試合の流れでボイドと対峙できるのは一番良いタイミングであるだろう。

今回こそは、彼から少しでも自由を奪い、制限をかけた中で、プレーさせたい。


三つの壁を越えた先に待つ最終関門


ここまで横浜との対戦で越えるべき三つの壁を紹介してきた。

この三つの壁を越えることができれば、1ポゼッションを争う試合に持ち込むことは可能だろう。

ただ、それだけで勝利ができるほど甘くないのが横浜というチームである。

最後は河合HCの繰り出す戦略を打ち破る必要がある。

試合終盤の横浜にはその日最も効果のある戦略を繰り出し、選手起用ができる柔軟さがあり、それが非常に的確である。

TUBC戦ではその日大当たりの西山を終盤に起用し、彼のドライブアタックで勝負を決めたり、ディフェンス面でマイナスに働いていたボイドの起用を諦める選択をして、ビックラインナップも活用しながら逃げ切ったりして連勝を勝ち取った。

先週の香川戦では香川の3Pシュートが決まらないと見るや、ゾーンディフェンスを長い時間採用し、失点を防いでいた。

このように、最後の最後で横浜ベンチが繰り出す戦略を上回る必要があるのだ。


ここまで見てきたように、横浜に勝つということは非常に困難なミッションである。

山口にできることは自分たちのゲームプランを着実に遂行し、一つずつ壁を越えていくことだ。

今年に入って横浜を追い詰めたTUBCや徳島、香川のように横浜にプレーをさせないような戦い方を山口が繰り出すことは考えづらい。

今年の山口はゲームをコントロールした中で、着実にプレーを積み重ねることで強みが発揮されると考えているからだ。

私個人としては、自分たちができるプレーで、今シーズンここまで積み上げてきたものを全て発揮して、その上でどこまで勝負ができるのかを見てみたい。

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