"B3 Research" 〜24-25 B3 第4節 岐阜スゥープスvs立川ダイス マッチレポート〜
第5節プレビュー
アウェイさいたまで連勝し、良い流れでホーム下関に横浜を迎えた山口だったが連敗。横浜の高い壁に跳ね返された格好となった。
ホームで未だ勝利のない山口は、2週連続でのホーム開催となる今節で初勝利を挙げたいところだ。
その対戦相手は岐阜スゥープス。
今シーズンの岐阜はここまで2勝4敗。開幕戦で岡山相手に勝利を挙げた後、4連敗。前節のGAME2立川との一戦でようやく連敗を止めたという状況となっている。
今シーズンの岐阜は2.古賀と7.高橋を中心にアグレッシブなバスケットを展開するチームである。
まず注意すべきなのはディフェンスでの仕掛け。
良い流れの中で畳み掛けたい時、悪い流れの中で状況を打開したい時、いずれの時もディフェンスから何かを仕掛けてくる印象がある。
高い位置からのゾーンプレス、機を見てのダブルチームと足を良く動かしてスティールを狙ってくる。
また、自陣のディフェンスでも、通常のマンツーマン、ゾーンに見せかけてからのマンツーマン、ゾーンディフェンスと様々なパターンの守り方を使い分け、相手を混乱させる。
岐阜と対戦するチームは、このディフェンス面での仕掛けに屈することなく、上手くいなして戦う必要がある。
オフェンス面でも、岐阜の仕掛けに注意すべき点がある。
それは2.古賀や7.高橋のペイント内への飛び込みだ。自分がボールを持っているいないに関わらず、機を見て積極的にペイント内へ飛び込んで得点機会を作ってくる。
特に、2.古賀の飛び込みには注意が必要で、合わせの動きやリバウンドをうまく封じることがポイントとなる。
岐阜の試合を横浜戦、立川戦と視聴して、気になっていたのがアウトサイドからのシュート精度だった。
特に、本来高いシュート確率で決めてきてもおかしくない岩松と卜部がそれに苦しんでいるように見えた。
実際、立川戦のGAME1までの5試合で3Pシュートの成功率がそれぞれ10%台という数字となっていた。この点が連敗が続いている要因の一つだと思って見ていた。
しかし、直近の立川戦GAME2でようやく彼らが本領を発揮した。岩松は3/4、卜部は3/5の成功率で3Pシュートを沈め、チームに良い流れをもたらした。
また、岩松はスピードを生かしてディフェンス面でもチームに貢献。スティール局面に積極的に絡み、15得点の活躍を見せた。
日本人選手たちの活躍に外国籍選手も続き、エドソムワンはゴール下の強さで12得点14リバウンドのダブルダブル、ローガンは抜群のシュートタッチでスリーを3本沈め14得点、フォトゥは内外どちらからも得点できる万能さを見せ、12得点の活躍となった。
この立川戦GAME2は攻守においてアグレッシブに仕掛け続けるという岐阜のやりたいバスケットが存分に披露できた試合だったのではないかと感じている。
山口としては前述した通り、岐阜の仕掛けに後手を踏まないことが重要となるであろう。
また、個人的には前節横浜にやられたような、GAME1の立ち上がりで岐阜のシュートタッチを破壊する強度の高いディフェンスを見てみたい。
その上で、ペイント内のスペースをしっかり消すことができるか、岐阜のアウトサイドのシュートタッチが良かった場合はどう守るのか、この辺りの臨機応変さが求められる試合になるであろう。
※第2節の横浜戦のレポートはこちら。
GAME1
岐阜65-78立川
(17-22,17-15,18-19,13-22)
スターティング5
岐阜:古賀・エドソムワン・高橋・ローガン・岩松
立川:ブルーナー・町井・福田・フィッツジェラルド・秋山
-1Q-
先手を取ったのは立川。
21.フィッツジェラルドがインサイドでボールを持ち、振り向き様のシュートを3本入れて6得点を挙げる。
対する岐阜は、パスミス、ドリブルミスによる2本のターンオーバーを出してしまうものの、速攻から最初の得点を決めると、11.ローガンが抜群のシュートタッチで8得点を挙げてリズムを掴む。
立川は2.ブルーナーが5得点を挙げて続いたものの、それ以外の選手がシュートを決め切れず、岐阜のディフェンスでの仕掛けを前に得点ができない展開となっていった。
速攻から8.田中の3Pシュートを許し、タイムアウトを取った立川は、21.フィッツジェラルドから15.イングラムへのハイロープレーを成功させて流れを断ち切る。
すると、32.秋山のペイントタッチから20.甲斐のスリー、21.フィッツジェラルドのゴール下の得点が生まれ、0-7のランを作り再びリードを奪う。
14.佐藤と53.森もそれに続き得点を挙げ、0-11のランで1Qを締めくくり、17-22で立川のリードとなった。
-2Q-
互いにターンオーバーがあり、落ち着かない展開の入りとなった2Q。
42.フォトゥと2.ブルーナーが3Pシュートを決め合った後で、岐阜の2.古賀と7.高橋が躍動する。
積極的にペイント内に飛び込んで、ゴール下のシュートを決めて、6得点を挙げる活躍を見せた。
対する立川は15.イングラムの強さで岐阜を押し込み、ゴール下から3得点。そして、2.ブルーナーのオフェンスリバウンドからのタップで得点を追加した。
立川の4点リードで迎えたオフィシャルタイムアウト明けも、立川が2.ブルーナーのオフェンスリバウンドから4得点を挙げて、流れを掴みかける。
ただ、外国籍選手以外の得点が伸びず、停滞感が漂うと、4.エドソムワンのゴール下の得点と24.卜部のオフェンスリバウンドから、11.ローガンの得点、そして42.フォトゥのドライブからの得点が岐阜に生まれ、点差が詰まる流れとなった。
最後は、21.フィッツジェラルドがフローターを沈めて終了となったが、僅差の2Qは岐阜が2点上回り、34-37と立川3点リードとなった。
-3Q-
後半の立ち上がりは、4.エドソムワンのスティールから2.古賀がイージーシュートを決めて岐阜が良い入りを見せる。
ただ、立川も10.福田、32.秋山が積極的にゴール下へ飛び込んで5得点、そして32.秋山がトランジションスリーを沈め、日本人選手の活躍でリズムを掴む。
その立川は、直後に11.ローガンに3Pシュートを沈められるも、20.甲斐の激しいマークでオフェンスチャージングを取り、32.秋山、21.フィッツジェラルドで得点を重ね、点差を広げていく。
岐阜はフリーで放つ3Pシュートが決め切れず、10点差まで広げられてしまうことになったが、終盤に11.ローガンのシュートタッチの良さで再び反撃に転じる。
ペイント内でのバスケットカウント、3Pシュートで6得点を挙げて試合をつないだ。
一時は立川がリードを確実なものにするかと思われた3Qだったが、52-56と4点リードにとどまった。
-4Q-
4Q先に点を取ったのは岐阜。
4.エドソムワンがゴール下で強さを発揮して2点を獲得する。
両チームともにアウトサイドのシュートを決め切れず開始2分半でこの4.エドソムワンの2点のみという展開だった。
立川は3.町井の左手ドライブで4Q最初の得点を挙げると、2.ブルーナーのオフェンスリバウンドからのシュート、32.秋山のドライブで得点を挙げ、5点のリードを持ってオフィシャルタイムアウトへ突入する。
タイムアウト明けは立川が21.フィッツジェラルドにボールを集め、流れをものにした。
彼がローポストの位置でボールを持つところからオフェンスが始まり、ボールを回しながら最後は彼がシュートを打つという形だった。
そのシュートが連続で決まり、5得点を挙げる。
ディフェンスでは岐阜のインサイドアタックに対して激しいチェックや2.ブルーナーのブロックショットで岐阜の攻撃を封じた。
さらに32.秋山がドライブアタックを決めてチームの勢いに続き、2桁リードを確保し、勝利を確実なものにした。
岐阜は2.古賀、7.高橋、13.岩松でファウルゲーム気味にプレスを仕掛け、最後の反撃を見せるが、立川に確実にフリースローを決められてしまい、万事休すとなった。
4Qオフィシャルタイムアウト明けに勝負を決めた立川が65-78で先勝を飾った。
-ひとこと-
立川の外国籍はやはり強烈だった。
岐阜攻略のポイントは、状況打開のための仕掛けを見せてきた時にちゃんと受け流すことができるかだと感じた。
その辺の話はGAME2も見た上でプレビューとして書くことにする。
GAME2
岐阜89-70立川
(21-14,23-21,22-11,23-24)
スターティング5
岐阜:古賀・エドソムワン・コート・ローガン・岩松
立川:ブルーナー・町井・福田・フィッツジェラルド・秋山
-1Q-
試合開始から立川21.フィッツジェラルドが躍動。多彩なパターンからいとも簡単にシュートを決め、いきなり6得点を挙げる。
対する岐阜は前日から一転して外からのシュートタッチが好調だった。
13.岩松、11.ローガンの3Pシュート、そして13.岩松のジャンプショットが決まり、8得点を挙げた。
その中で、7.高橋とのきれいなピックアンドロールから23.サンブが得点を挙げると、24.卜部のスリー、プレスから24.卜部のスティールが生まれ、速攻から42.フォトゥのシュートと岐阜が立て続けに得点を挙げる。
ディフェンスでも、立川のペイントアタックに対して、チーム全員のプレスが徹底できており、立川の攻撃をシャットアウト。
10-0のランを作り、最初の流れを掴んだ。
アウトサイドシュートの好調さから攻守にリズムが生まれた岐阜が21-14とリードを奪った。
-2Q-
2Qも岐阜が完璧な入りを見せる。
3人目の動きでフリーになった11.ローガンがスリーを沈めると、立川14.佐藤のリングアタックを防いだ後のカウンターで13.岩松がレイアップを決めて、開始早々に5得点を挙げる。
タイムアウトを取らされた立川は、岐阜のゾーンに対して14.佐藤が3Pシュートを決めるが、流れを変えるには至らない。
岐阜は素早くボールを回して、ゴール下の4.エドソムワンが4得点、そしてコーナーから24.卜部が3Pシュートを決めて、さらにリードを広げる。
しかし、立川も53.森のドライブからの得点の後、2.ブルーナーが3Pシュートで盛り返す雰囲気を作り出す。
すると、岐阜の3Pシュートが外れた後で21.フィッツジェラルドのインサイドの得点と18.森本のコーナースリーが決まり、立川が一桁点差に戻してオフィシャルタイムアウトを迎えた。
タイムアウト明けも若干立川が優勢に進めていた。
しかし、岐阜がゴール下ギリギリのところで圧力をかけ、立川のシュートは決まらずに点差が詰まらないでいた。
すると、終盤にこの試合好調の13.岩松がスピードで立川ディフェンスを翻弄し、ゴール下へのダイブと3Pシュートの5得点を挙げる活躍を見せた。
2Qを終わって44-35と岐阜が9点のリードとなった。
-3Q-
3Qは両チームのディフェンスが勝り、なかなか得点が入らない時間が続く。
岐阜はゾーンとマンツーマンを使い分けながら、高い位置から圧力をかけ24秒バイオレーション2度奪うなど、ディフェンスからもう一度流れを掴もうという姿勢を見せていた。
その中で、11.ローガンが抜群のシュートタッチで4得点を挙げ、流れを自チームへ呼び込むと、プレスから24.卜部がボールを奪ってそのまま得点、さらには7.高橋のドライブで6-0のランを作った。
終盤にも、7.高橋がスティールからそのままレイアップ、そして42.フォトゥのスティールから7.高橋がゴール下まで運んで23.サンブのダンクと躍動した岐阜。
立川を圧倒し、66-46と引き離すクウォーターとなった。
-4Q-
4Qは速い攻撃の応酬で得点を取り合う展開となった。
立川はスティールから21.フィッツジェラルドの2得点、そしてタッチダウンパスから14.佐藤のレイアップで得点を挙げた。
岐阜は7.高橋とのツーメンゲームから23.サンブ、2.古賀のドライブと3Pシュートによって7得点を挙げた。
さらに、2.古賀と11.ローガンにも立て続けに3Pシュートが生まれ、岐阜がとどめとなる得点を決めていった。
オフィシャルタイムアウト明けは、ここまでシュートタッチに苦しんでいた立川15.イングラムが高い位置でプレスをかけて連続でターンオーバーを誘発。奪ったボールを3.町井と15.イングラムがきっちりリングに沈め、ようやく良い流れが生まれた。
15.イングラムはその後も3Pシュートを決めたが、岐阜の方も42.フォトゥ、24.卜部が3Pシュートを決め返し、リードをキープする。
最後までよく足が動き立川を翻弄した岐阜が89-70と完勝を果たし、連敗を4で止め、シーズン2勝目を挙げた。
-ひとこと-
高い位置からも積極的にディフェンスで仕掛け、そこで作ったリズムをオフェンスにも繋げる。
これが岐阜の目指すバスケだというのがよく伝わってきた試合だった。
13.岩松、24.卜部が本領を発揮してくれば、当然厄介なチームだよねという印象である。