
【苦しい試合を耐え切れるかどうか】〜24-25 B3 第17節 八王子ビートレインズvs山口パッツファイブ マッチレポート〜
GAME1
八王子75-83山口
(19-15,15-24,17-21,24-23)
スターティング5
八王子:サリバン・髙橋・伊藤・ドブラス・大城
山口:コラム・山口・プレストン・富田・吉川
-1Q-
キーとなる5.サリバンに対してこの試合も11.山口が完璧なディフェンスを見せる山口。
八王子の方も31.ドブラスの強さで15.プレストンに自由なプレーをさせず、山口のオフェンスを外回りにさせることでディフェンスゲームの立ち上がりとなった。
その中で、意図的に5.サリバンのポストアップを増やして打開を図る八王子。
山口はダブルチーム気味に対応せざるを得ず、そこのズレから得点を許すシーンを作られるが、やられる中でローテーションのアジャストをしていくことで徐々に対応できるようになっていった。
一方、序盤の八王子ディフェンスに対して打開策を見出せていなかった山口は、ベンチから出てきた77.川上が状況を変える。
緩急を生かしたドライブで八王子ディフェンスを切り裂き、連続得点を挙げ、逆転に成功した。
しかし、21.マックスウェインJr.のオフェンスでの立て続けの状況判断ミスから八王子の速攻をまともに受けると、26.ギル・ジュニアがスピードを生かして連続得点。
その26.ギル・ジュニアはラストプレーでも15.プレストンからボールを奪ってそのままフィニッシュを決め、八王子が7-0のランを作って再びリードを奪った。
-2Q-
26.ギル・ジュニアと31.ドブラスのインサイド陣で山口を押し込んで立て続けにファウルを獲得し、2Qも八王子が優位に進めるかと思われた。
しかし、その直後に4.コラムを中心に山口がペイントアタックにうまく対応をすることで八王子のターンオーバーが増えていってしまう。
八王子のオフェンスをストップした山口は21.マックスウェインJr.のフリースローと3Pシュート、31.富田のドライブと3本のフリースローで0-9のランを作って逆転に成功する。
14.伊藤や77.大金の2Pシュートで反撃に転じたい八王子だったが、31.ドブラスのポストアップを4.コラムの対面の強さとダブルチームでの対応によって防がれてしまい、苦しいオフェンスの流れが続いた。
ただ、5.サリバンとのツーメンゲームから99.大城が3Pシュートを沈めて流れを変えると、山口のシュートミスに漬け込み、速攻から13.東、26.ギルジュニアの連続得点で7-0のランをやり返し、点差を縮めた。
31.富田のシュートタッチが上がってこず、苦しいオフェンスの山口は、大黒柱の15.プレストンがチームを救う活躍を見せる。
99.大城のシュート成功後のトランジションで素早くボールを運び、フローターショットを沈めると、31.富田のシュートのリバウンドを奪い、バスケットカウントを獲得し3点プレーを成立させる。
さらに、32.吉川のパスに合わせてもう2点を追加し、1分半で7得点を荒稼ぎ、山口が八王子を突き放して前半を終えた。
-3Q-
後半立ち上がりも5.サリバンや10.髙橋のポストアップに対して見事なディフェンスを見せる山口。
ただ、フリーで放つ3Pシュートを全く決められず、10.髙橋のスリーや速攻から99.大城のドライブを許し点差を縮められてしまう。
3Pシュートが決まらないことで八王子がペイント内の対応だけをすれば良いという状態となり悪循環に陥っていった。
対する八王子は山口のペイント内のアタックをうまく防いで、26.ギルジュニアの2本のシュートで5得点を挙げ、逆転に成功する。
ただ、逆転されたこのタイミングでようやく11.山口に3Pシュートが飛び出し、流れが一変する。
5.サリバンに対する11.山口のディフェンスとダブルチームが見事に決まり、スティールから11.山口の3Pシュート、77.川上のドライブからのフィニッシュ、3Pシュート、32.吉川から15.プレストンへのアリウープダンクと、これまでの重苦しい展開が嘘のように山口が八王子に襲い掛かり、ビックランを作った。
26.ギルジュニアの活躍には手を焼いたものの、キーとなる5.サリバンのアタックは完全に封じ込めた山口が51-60とさらにリードを広げた。
-4Q-
4Qは9.重冨、8.末廣とベンチプレーヤーをコートに送った山口がディフェンスの強度を落とさず試合を進めていく。
シュートタッチには再び苦しむものの、オフェンスリバウンドによるセカンドチャンスから77.川上の3Pシュートと15.プレストンのバスケットカウントによる3点プレーで得点を挙げる。
二桁リードを奪われた八王子は6.髙橋、13.東、77.大金で高い位置からの追い回しを開始し、それが功を奏して山口のターンオーバーを続けて誘発する。
すると、オフェンスに良い流れがつながり、13.東と77.大金の連続スリーで8点差に迫り、オフィシャルタイムアウトに突入した。
タイムアウト明け最初のディフェンスで、互いにターンオーバーを誘発し合う中、山口は32.吉川のドリブルを起点に4得点、八王子は26.ギルジュニアの3Pシュートと77.大金のフリースローで4得点を挙げる。
ボールを運ぶのがやっとの山口は、8秒バイオレーションを複数回取られてしまい、八王子の流れになりつつある中で、ディフェンスによって何とか凌ぐ時間が続いていた。
高い位置で追い回すディフェンスは成功している八王子だが、徐々に時間が少なくなっていく中で、立て続けに放つ3Pシュートが決まらない。
最後の手段でファウルゲームを仕掛ける八王子に対し、山口はフリースローの成功率が100%とはいかないものの、八王子のシュートを2Pシュートに仕向けることによって、被害を食い止めて、勝利に近づいていく。
本日大活躍の26.ギルジュニアのバンクショットスリーには肝を冷やしたが、9点あったリードをうまく使って、逃げ切りに成功した。
-試合後の感想-
ポイントに挙げた5.サリバンに対するディフェンスがうまくいったことがこの試合最大の勝因である。
先週の金沢とのゲームもうまく生かして同じ文脈でプランを立てられたことが大きかったのではないだろうか。
結果的に5.サリバンにフィールドゴールを一つも許さずフリースローによる2点だけ、31.ドブラスも6得点に抑え、八王子のポイントゲッターを完全に封じ込めた。
逆に26.ギルジュニアに27得点、77.大金、99.大城に二桁得点を許すことになったが、その点は八王子が見事だったと言うべきであろう。
試合前に立てたであろうプランを見事に遂行できたことが素晴らしかった。
反省点はオフェンス。特に4Qの八王子の追い回しに対応できなかった部分は試合を壊すことになっていてもおかしくなかった。
高い位置からのプレスに対する準備ができていなかったようにも見えたので、今日の八王子の対応をしっかり咀嚼して明日のGAME2に繋げてほしい。
GAME2
八王子92-80山口
(17-17,21-21,24-24,30-18)
スターティング5
八王子:サリバン・髙橋・伊藤・ギルジュニア・大城
山口:コラム・山口・プレストン・富田・吉川
-1Q-
昨日大活躍の26.ギルジュニアをスターター起用してきた八王子。ただ、序盤は山口15.プレストンのインサイドの強さが生きる展開となる。
自身のシュート後も含め、オフェンスリバウンドを確保してリングにねじ込むプレーで6連続得点、さらにトランジションから11.山口のスリーが決まり、2-9の滑り出しを見せた。
このタイミングでタイムアウトを取った八王子は、4.コラムに3Pシュートを許したところから反撃を開始。
26.ギルジュニアとのピックアンドロールを起点にズレを生み出し、10.高橋のスリー、26.ギルジュニアと10.髙橋のペイント内からのシュート、5.サリバンのポストアップからのレイアップで9-0のランを作り、一気に点差を縮めた。
ただ、山口も32.吉川のプレーで再び前に出る。
3Pシュートと15.プレストンのアリウープダンクをアシストし5得点を生み出した。
終盤は八王子が昨日の試合で効果を発揮した6.髙橋、13.東、77.大金のプレスで山口からターンオーバーを奪いながら、5.サリバン、6.髙橋、31.ドブラスでペイント内に進入し、連続得点を挙げて同点に追いついた。
-2Q-
1Q終盤の良い流れを継続する八王子。
6.髙橋が9.重冨を置き去りにしてレイアップを沈めると、26.ギルジュニアからポストアップからゴール下への飛び込みで連続得点を挙げる。
一方、9.重冨起点のオフェンスがうまくいかず流れを失った山口は、ファウルトラブルも重なり、26.ギルジュニアと31.ドブラスに押し込まれる展開に。
26.ギルジュニアの3Pシュートや31.ドブラスのポストから失点を許し、8点のビハインドを背負った。
苦しい情勢が続く山口。31.ドブラスと17.パクセジンのマッチアップは後手に回っている印象ではあるものの、八王子のパスミスやトラベリングといったターンオーバーに救われる形でさらなる失点を回避する。
その中で、77.川上がタフショットの3Pシュート、ドライブでのファウルドローンからフリースローを揃え、5得点を挙げ、何とか耐え凌ぐ展開が続いていた。
オフィシャルタイムアウト明けに5.サリバンをコートへ戻した八王子は、ハイポストで彼にボールを持たせることからオフェンスを作っていった。
そのまま入れ替わってフィニッシュもあり、ダブルチームにくれば、空いた選手を使うことでシュートの形を作る。結局は5.サリバンがそのままフィニッシュを行うシーンが多く、一人で7得点を叩き出した。
一方の山口は、ファウルができない状況のため、八王子の2Pシュートは割り切りながら自分たちが得点を挙げることで、八王子についていく形とする。
32.吉川の3Pシュート、4.コラムのポストアップからのフィニッシュ、21.マックスウェインJr.のミドルショット、31.富田のドライブからバスケットカウントと、各選手の逞しいプレーで得点を挙げた。
ラストプレーでは、スクリーンから31.富田の3Pシュートを作り、31.富田がそれを決め切ることで同点に追いついて前半終了となった。
-3Q-
1Qの最初のプレーと全く同じ形で4.コラムの3Pシュートを作った山口は、そのシュートと32.吉川の3Pシュートが決まり、幸先の良いスタートを切る。
対する八王子も5.サリバンのポストアップからシュートを作り出し、彼のバスケットカウントと10.髙橋のジャンパーで得点を挙げる。
その後は互いに得点を取り合うハイスコアの展開となる。
山口は素早く敵陣に持ち運びながら、31.富田の3Pシュート、32.吉川のドライブと3Pシュート、15.プレストンのゴール下のシュートで得点。
対する八王子も10.髙橋のジャンパー、14.伊藤の3Pシュート、99.大城のドライブと日本人選手の活躍で得点を挙げる。
得点を取り合う展開から先に抜け出したのは山口。
八王子のペイント内へ進入するパスにうまく手をかけながら、速攻を繰り出し、32.吉川のドライブからのフィニッシュや15.プレストンのフリースローなどで0-10のランを作った。
引き離された八王子はタイムアウトを請求して流れを変える。
フリーになった6.髙橋が3Pシュートを沈めると、5.サリバンのディープスリー、5.サリバンのミドルショットで8-0のランを作り、再び試合を振り出しに戻した。
-4Q-
4Qは八王子がペイント内に効果的に進入し、確率の高いシュートを放つことでリードを奪う。
5.サリバンのジャンパー、31.ドブラスのゴール下、6.高橋のドライブ、スティールから77.大金のフィニッシュと、2Pシュートだけで得点を積み重ねた。
山口の方は、5.サリバンと31.ドブラスのインサイド陣に対して、ペイント内のスペースを取ることができず、苦しいオフェンスが続いた。
8.末廣の3Pシュートはあったものの、それ以外のシュートは決まらず、11-0のランを作られて10点のビハインドでオフィシャルタイムアウトへ突入した。
オフィシャルタイムアウト明けも、32.吉川とのマッチアップで優位に立つ6.高橋がポストアップからの連続得点と、13.東の飛び込みに合わせるアシストで6得点を作り、八王子がさらにリードを広げる。
苦しくなった山口は、速いタイミングでのシュートによって追い上げを見せる。32.吉川のアシストから15.プレストンの得点、4.コラムの3Pシュート、15.プレストンのフリースローで6点差まで迫る。
しかし、反撃はここまでとなった。
望みを託した3Pシュートを決められず、ドライブによる2Pシュートで得点は挙げるものの、八王子が着実にフリースローで得点を重ねることで逃げ切り体勢を整えた。
的確なオフェンス選択で確率の高いシュートを作り続けた八王子が4Qで山口を突き放し、92-80で前日のリベンジを果たした。
-試合後の感想-
八王子が前日からの修正を見せたGAME2
5.サリバンのポストアップを昨日以上に様々な位置で行い、11.山口を押し込んで得点を重ねていったのが印象的だった。
もったいないミスも多く、その点で山口に粘りを与えてしまっていたが、勝利に値するのは八王子の方だったと思う。
山口の方は力負け。
八王子に立ち上がりからインサイドを強調され、ファウルが嵩んで苦しい対応が続いた。
それでも八王子のミスに漬け込んで、苦しいシュートを決めることで3Qまでは耐えられたが、最後に力尽きた形となった。
最後に力尽きた要因としは、プレータイムのシェアができなかったことが挙げられる。
77.川上は非常に大きなシュートを決めてくれるなどチームに貢献をしてくれたが、それ以外のベンチから出てくる選手のステップアップが足りず、スターターに負担がかかってしまったと言える。
また、4Qは八王子に色々なところの優位性を生かされて、的確にオフェンスを構築されてしまっていたが、それを真正面から打ち破ろうとしていたのが、結果的にはうまくいかなかった点だった。
こういった展開では、開き直って強引なダブルチームや敵陣からの追い回しでオフェンスの破壊を試みるといったスペシャルなプレーが必要だったように思う。
とはいえ、終始ギリギリのところで踏ん張っていた試合だった中で、3Qまで耐えられていた部分は次に繋げたいところだ。
次節は首位横浜とのアウェイゲーム。
2025年の4試合をうまく生かして今日の試合を取り返す1勝に期待したい。