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"B3 Research" 〜24-25 B3 第11節 さいたまブロンコスvs金沢武士団 マッチレポート〜


第12節プレビュー

前節は新潟とのアウェイゲームに臨んだ山口。
新潟のロスターが厳しい状況の中で、悔しい1勝1敗となった。

勝率5割に戻すことができなかった中で、ホームにさいたまブロンコスを迎える。

さいたまとは10月に対戦し、アウェイで2連勝を飾っている。山口にとっては今シーズン初めてのリターンマッチとなるが、さいたまの前節の戦いを見る限り、その時の印象は忘れた方が良さそうである。

さいたまはその山口戦での連敗から厳しい状況が続いており、前節が始まるまでは6勝12敗と大きく負け越していた。

しかし、前節の金沢との連戦で今シーズン初の同一カード連勝を達成。良い流れで山口へ乗り込んでくると思われる。


先ほど、前回対戦の印象は忘れた方が良いと述べたわけだが、オフェンス力が強みのチームであるとの印象は変わらなかった。
ただ、選手の起用は序盤戦とは大きく異なっており、スターターは11.秋山、14.佐藤、28.川邉と昨シーズンより在籍している日本人選手たちで固めていた。

そして、その彼らが躍動した金沢との2連戦だった。

11.秋山はそのスピードとここぞというところでの3Pシュートで2試合合計29得点の大活躍を見せた。

28.川邉はスタッツの上では大きな貢献を果たしたとは言い切れないものの、鋭いドライブからのアシストと金沢のキーマンである7.グリーンを抑えるという役割を十分に果たし、チームを支えていたのが印象的だった。

そしてこの連戦でfireしたのが14.佐藤である。
GAME2の後半は少し金沢に警戒を強められ、シュートを放つシーンが少なくなったものの、2日間続けて元々持っていた力を発揮。

GAME1は3Pシュート成功率が62.5%で今シーズン二度目の二桁得点となる20得点、GAME2は3Pシュート成功率75%で9得点を挙げた。

シーズン序盤の山口との対戦時は調子が上がらずに苦しんでいた14.佐藤。その後もなかなか力を発揮することができなかったようだが、遂にこの金沢戦でトンネルを抜け出した感がある。

山口としては、14.佐藤の3Pシュートには最大級の警戒が必要と思われる。

もちろん、前回対戦時のプレビューで名前を挙げた他の選手たちも健在で、どこからでも得点を挙げられる力を持つチームだ。

中でもチーム全体として3Pシュートを積極的に放ってくるため、その点をまずは警戒し、ロースコアのゲームに持ち込みたい。

3Pシュートを警戒しつつ、前回対戦時のようにペイント内を制圧するという難しいミッションが求められる試合となるが、ディフェンスの規律をしっかり守ることができれば、それも十分に可能であると考えている。

この2連戦はどちらが自分たちのペースに相手を引き摺り込むことができるかという点に注目となる。


GAME1
さいたま89-80金沢 
(27-23,18-19,22-11,22-27)

スターティング5
さいたま:シットン・ワトキンス・秋山・佐藤・川邉
金沢:グリーン・市橋・國分・髙橋・コッツァー

-1Q-

試合の入り方に成功したのはさいたま。
最初のオフェンスで0.シットンが簡単に3Pシュートを沈めると、11.秋山のディフェンスからボールを奪って連続得点。
30.髙橋にシュートを決められるものの、28.川邉のドライブからキックアウトパスを受けた14.佐藤がコーナースリーを決め、10-2の滑り出しを見せた。
早い時間にタイムアウトを使わされてしまった金沢だが、23.國分のトランジションスリーで悪い流れを切ると、42.コッツァーのフローター、7.グリーンの連続スリーが決まって、一気にビハインドを挽回した。

その後は互いに得点を取り合う展開となるが、さいたまの3Pシュートの好調さが目を引いた。
チームとしてスクリーンをうまく作ってスペースを生み出しているが、それにしても0.シットンと14.佐藤のシュート精度の高さは素晴らしかった。
一方の金沢は新加入の22.ペトロフのインサイドの強さと左手のシュートタッチの良さで得点を重ねていたのが印象的だった。
3Pシュートの精度で上回ったさいたまが27-23と先手を取る1Qとなった。

-2Q-

2Qに入り、ラインナップの高さを強調しゾーンディフェンスを採用したさいたま。
ディフェンス面では、金沢2.東野にドライブや3Pシュート、アシストを次々と許し、決してうまくいっていたとは言えない展開だったものの、オフェンス面では1.ワトキンスが3Pシュートや高さを生かしたペイント内のポイントを重ねることができていた。
オフィシャルタイムアウトの直前には金沢7.グリーンとさいたま1.ワトキンスが3Pシュートを決め合って3点差のままオフィシャルタイムアウトに突入。

タイムアウト明けは互いにシュートを打ちきれず、スコアが動かない時間が続いた。
さいたまは1Qから一貫して7.グリーンに対しては日本人選手をマークにつけており、この時間帯は86.志冨田がファウルも使いながらうまく守っていた。
ただ、膠着状態を先に打開したのは金沢だった。
速攻から7.グリーンがファウルをもらってフリースローを2本揃えると、30.髙橋が22.ペトロフをうまく衝立に使ってペイント内へ進入し、そのままシュートを決めて逆転に成功した。
逆転を許したさいたまはタイムアウトを取り、11.秋山にオフェンスを託す。すると、その11.秋山が2本のドライブから4得点を生み、さらにはラストポゼッションで3Pシュートを沈める大活躍で応えてみせた。
一進一退の攻防が続いた2Qが終わり、45-42とさいたまが3点のリードとなった。

-3Q-

後半はまたしても得点の取り合いとなる。
さいたまはスクリーンをうまくセットして14.佐藤にシュートを打たせる形を作る。
託された14.佐藤は高精度で次々とシュートを決めていき、3Q序盤で8得点を挙げる活躍を見せた。
一方の金沢は30.髙橋とのピックアンドロールから42.コッツァーのシュート、そしてアウトサイドから7.グリーンと23.國分が3Pシュートを決めて8得点を挙げた。
さらに23.國分がドライブからバスケットカウントを獲得し3点を挙げて2点差に詰め寄った金沢。

しかし、そこからさいたまが金沢を圧倒することとなる。
ここもさいたまに火をつけたのは11.秋山と14.佐藤だった。
まずは11.秋山が速いタイミングからの3Pシュートを成功させると、14.佐藤がアウトサイドシュートをフリに使ってペイント内へ進入し、そのまま得点を挙げる。彼らに続くように0.シットン、51.ビエリツァ、37.吉田も続いてチーム全体に勢いがついた格好となった。
ディフェンス面では金沢のペイントへの進入を0.シットン、51.ビエリツァを中心に体を張って防ぎ、12-0のランで締めくくって3Qを終えた。

-4Q-

14点のビハインドを背負った金沢は、7.グリーンにボールを集めて状況の打開を図る。
3Q後半に止まってしまったスコアについては彼のジャンプショットと、30.髙橋の2本の3Pシュートによって動かせるようになったものの、ディフェンス面で51.ビエリツァと1.ワトキンスの高さを抑えられず、ペイント内からのシュートで失点。
さらには16.松井にも3Pシュートを許してしまい、得点差を詰めるには至っていなかった。
しかし、ゾーンディフェンスの採用が少しずつ効力を発揮し、さいたまのオフェンスを外回りにさせられるようになると、点差を詰めるチャンスがやってくる。
そのチャンスを30.髙橋と22.ペトロフの3Pシュートと7.グリーンのドライブから得点につなげると、79-71と一桁点差に持ち込んでオフィシャルタイムアウトへと突入となった。

しかし、さいたまの方もタイムアウト明けはペイント内への進入から持ち直すことに成功。
1.ワトキンスの高さ、37.吉田と28.川邉のドライブによって着実に得点を積み上げていった。
それでも懸命に戦う金沢は7.グリーンの内外からのシュートと22.ペトロフのペイントへの進入から得点を奪うが、その後の23.國分のゴール下のシュートと7.グリーンの2つのタフショットは決め切れず、反撃はここまで。
最終盤に7.グリーンのシュートをクリーンに打たせなかったさいたまが89-80で逃げ切りを果たした。

-ひとこと-

11.秋山、14.佐藤、28.川邉と昨シーズンから在籍している日本人選手の活躍がチームを引っ張ったさいたま。
14.佐藤は今シーズン最多となる20得点の大暴れ。今シーズン二度目の二桁得点といよいよ本領を発揮してくるのか、明日のゲームの活躍にも要注目だ。


GAME2
さいたま86-82金沢 
(26-21,17-18,24-25,19-18)

スターティング5
さいたま:シットン・ワトキンス・秋山・佐藤・川邉
金沢:グリーン・市橋・國分・髙橋・コッツァー

-1Q-

デザインされた見事なセットオフェンスからさいたま14.佐藤の3Pシュートで幕を開けたGAME2。
序盤は得点の取り合いとなった。
さいたまは11.秋山の積極的なアタックからの得点、金沢は7.グリーンのドリブルから30.髙橋・18.市橋・23.國分の3Pシュートなどで得点を挙げた。
その後も、3Pシュートが両チームに生まれ、速いタイミングでの仕掛けも目立っていたことで、ハイスコアゲームとなっていった。
金沢はやはり7.グリーン。彼の突破力と周りを引きつける引力によってチーム全体のスコアを生み出していった。さいたまはどこからでも3Pシュートが飛んでくる怖さがあり、1Qだけでも、11.秋山、14.佐藤、37.吉田、51.ビエリツァと4選手にスリーが飛び出しリードを奪った。
連勝を目指すさいたまが26-21と5点リードとなった。

-2Q-

37.吉田と2.東野の熱いマッチアップで始まった2Qは、22.ペトロフが立て続けに得点を挙げる入りとなる。22.ペトロフは右利きながら左手でも柔らかいタッチのフィニッシュができる選手で、ペイント内での争いに勝ち、両手から1本ずつシュートを決めてみせた。
対するさいたまはその37.吉田が積極的なアタックを見せ、51.ビエリツァとのコンビネーションからの3Pシュートとトランジションでの素早いプッシュからのジャンプショットで得点を挙げた。
その後は22.ペトロフと42.コッツァーのハイロープレーをさいたまがうまく防ぐなど、少しずつさいたまがリードを広げにかかる展開に。
ただ、金沢の方もペイント内への仕掛けで、うまくファウルをもらって、フリースローで得点をつなぎながら、30.髙橋のジャンプショットを決めて、引き離されずについていくことに成功する。
終盤はさいたまが高さのミスマッチを生かして0.シットンでのスコアを目指すも、23.國分がうまく制限をかけることで失点を防ぎ、22.ペトロフのペイント内での動きの巧みさやフリースローで金沢が追い上げる展開を作る。
それでも、7.モーガンが一瞬の隙を見逃さずに3Pシュートを沈めると、ラストプレーでオフェンスリバウンドから16.松井のゴール下のシュートが決まり、点差を戻して終了となった。

-3Q-

3Qの出だしはさいたまが流れを掴む。
11.秋山と1.ワトキンスのツーメンゲームを中心に1.ワトキンスのオフェンスリバウンドから14.佐藤のスリー、1.ワトキンスのペイント内の得点、0.シットンのポストアップから11.秋山の飛び込みで7-0のランでスタートとなった。
入り方に失敗した金沢だが、タイムアウトと42.コッツァーのオフェンスリバウンドからの得点で何とかしのぐと、さいたまのターンオーバーからの速攻で7.グリーンが得点を挙げ、試合を再び五分に戻した。
ただ、さいたまも素早いトランジションから積極的なリングアタックを見せてシュートチャンスを作り、さらには0.シットンと1.ワトキンスの3Pシュートも生まれ、順調に得点を重ねていた。
一方の金沢は、引き離されそうになったところで3Pシュート攻勢を発動。30.髙橋、7.グリーン、18.市橋で計4本のシュートを立て続けに決め、ギリギリ一桁点差をキープして試合を進めていった。
終盤には2.東野にも3Pシュートが生まれ、一時は13点まで開いた差を3点まで戻して3Qを終えた金沢。一進一退の攻防が続き、勝負は残り4Qを残すのみとなった。

-4Q-

4Qは一転して、互いにシュートを放つも決め切れない重苦しい展開となる。ペイント内のチェックも厳しく、得点が生まれたのは開始2分で7.グリーンの3Pシュートだけだった。
その中で、先にリズムを掴んだのはさいたま。1.ワトキンスが速いタイミングの3Pシュートを沈めると、11.秋山と51.ビエリツァのコンビネーションで5得点を挙げ、リードを広げた。
ただ、どこまでいってもついていくこの試合の金沢は、ここでも粘りを見せ、30.髙橋のドライブからのフローターが成功、さらに42.コッツァーとのボール渡しの中でフリーになった7.グリーンが3Pシュートを沈め、3点差のままオフィシャルタイムアウトへ突入する。

タイムアウト明けは、互いに2点ずつを取り合った後で、金沢が見事なボール回しから18.市橋が3Pシュートを沈め、同点に追いつくことに成功する。
その後、決まれば逆転という3Pシュートを2本放つことができた金沢だったが、そのシュートを決め切れず、2点ビハインドの状態で残り30秒強のオフェンスへ。
タイムアウトを取ってバックコートから7.グリーンに運ばせることを選択した金沢。そのままゴール下へのドライブに成功し、左手でシュートを放つが惜しくもリングに嫌われ、ファウルゲームに突入。
11.秋山が2本フリースローを決めて4点差とするが、直後に7.グリーンが3Pシュートを決めて再び1点差に。
ただ、シュートを決めた直後のリアクションでテクニカルファウルのコールがあり、その1本も含めて計3本のフリースローを16.松井が沈め、さいたまが4点のリードを奪う。
金沢にとっては、あまりにも重くのしかかった2ポゼッションの差、最後に11.田中がスリーを放つが決まらずに試合は終了。
86-82でさいたまが逃げ切り、今シーズン初の同一カード連勝を達成した。

-ひとこと-

最後の最後まで競り合った試合だったが、
金沢がリードを許すまではさせなかったさいたまが勝利に値した。
この2試合で、ほぼ全ての選手が活躍し、良い流れで山口に乗り込んでくることとなる。
10月の対戦時以上に警戒が必要になりそうだ。

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