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"B3 Research" 〜24-25 B3 第9節 トライフープ岡山vsアースフレンズ東京Z マッチレポート〜
第10節プレビュー
今シーズン初のバイウィークを挟んだ山口。
6勝10敗と借金4の状態で年内残りの8試合の戦いが始まる。
バイウィーク明け最初の試合はホームにトライフープ岡山を迎える。
岡山はここまで3勝15敗と非常に厳しい戦いを強いられている状況だ。11月も金沢・TUBC・しながわ・東京Zと戦って1勝7敗という戦績となっている。
岡山で注意すべきはそのオフェンス力にある。
ポイントガードの濱田は個人での突破力やアシスト力に長けており、岡山のオフェンスを支える存在だ。
横浜とのGAME2では、サミュエルとのコンビネーションを中心にオフェンスを構築。
東京Zとの試合では、マーフィーを使いながらドライブや自身のシュートで得点を生み出していた。
まず止めるべきは彼から始まるオフェンスだ。
山口では重冨や吉川がマークすることが考えられるが、彼らが濱田に対していかに自由にやらせないディフェンスを行えるかが、大きなポイントとなる。
その濱田に生かされるインサイド陣も、個々の能力は高い。サミュエル・マーフィー・ティミンズと少しずつ強みのことなる選手を抱えており、彼らの能力によってオフェンスにアクセントがつけられている印象だ。
アウトサイドシューター陣も多彩で、実績十分な向井・高畠、東京ZとのGAME2では7/9で3Pシュートを成功させた佐藤と警戒すべき選手は多い。
また、シーズン途中に加入したママドゥはスターターとして、自分で持ち運ぶこともできれば、シューターとして外から得点を挙げることもでき、加入早々重要な役割を担っている。
このように、岡山は強力なオフェンス陣を抱えており、止めることは難しい。
ただ、濱田に圧力をかけること、そしてペイント内でプレストンやコラム、パクセジンが優位に立つことができれば、失点を抑える見込みが立ってくるはずである。
一方、ディフェンスについては付け入る隙があると感じている。
東京Zとの試合を見る限り、岡山はマンツーマンディフェンスにおいて、相手のコンビネーションに対して、スイッチしてマークマンを入れ替える守り方を多用する傾向があった。
ただ、そのスイッチディフェンスが高い遂行力で実行されているとは言いきれないように感じた。
例えば、ボールマンに寄りすぎてしまってスイッチした後で捕まえるべき選手をフリーにしてしまうシーンや、スイッチした後のローテーションが遅く逆サイドの選手の簡単にフリーにしてしまうシーンが散見された。
また、スイッチした後のリバウンドにおいてチーム全員で参加する意識が高くない場面もあり、相手のビッグマンとスイッチした日本人選手での競り合いで、オフェンスリバウンドを許してしまうシーンもあった。
スイッチを多用する守り方は、東京Z対策として採用した可能性もあるが、山口戦も同じようなプランでくるのであれば、この小さな隙はついていきたいところである。
ここまで言及してきたマンツーマンディフェンスだけではなく、ゾーンディフェンスも積極的に採用してくる岡山に対しては、適切な状況判断が常に求められる。
強引にならずに良い選択を積み重ねることが勝利のカギとなるであろう。
GAME1
岡山78-84東京Z
(14-14,24-23,13-24,27-23)
スターティング5
岡山:マーフィー・濱田・ママドゥ・向井・ティミンズ
東京Z:武本・ヒルズマン・ランプキン・下田平・井手
-1Q-
序盤で先手を取ったのは岡山。
ボールを見事に回して19.ママドゥが3Pシュートを沈めると、東京Zの2-3ゾーンディフェンスに対しても、15.濱田や5.マーフィーがペイント内に進入し、得点を挙げ、さらには15.濱田がスリーを決めてリードを奪った。
ディフェンス面では、東京Zのピックに対して、スイッチをベースに対応。セカンドチャンスから得点を奪われるシーンはあるものの、全体的にはうまくいっていると言える守りを見せていた。
ただ、セカンドユニットの投入後にオフェンスが停滞した岡山。それを見て東京Zも、ゾーンにも見えるマンツーマンディフェンスから速攻につなげていく。
それを受けて岡山は1.サンバを投入。ビックラインナップで5.マーフィーをトップにしたゾーンディフェンスに変更を見せた。変更直後は34.池田にフリーでスリーを許したが、その後のペイント内のオフェンスは防ぎ、一定の成果を見せた。
最後は2.サミュエルのインサイドと34.池田のスリーで得点を取り合い、14-14の同点で1Qを終えた。
-2Q-
2Qの立ち上がりも互角の攻防が続く。
再び見せた東京Zのゾーンに対して岡山22.向井が簡単にスリーを決め、さらに2.サミュエルがリバウンドからコーストtoコーストでそのまま得点を挙げた。
対する東京Zも4.ランプキンのミドルショットと7.ベンレヴィのスティールからの得点でやり返す。
その後は互いにオフェンスが少し停滞。
特に東京Zのディフェンスが印象的で、3.スペンサーを先頭に強度の高いマンツーマンディフェンスを披露し、反撃のチャンスを作った。1.ヒルズマンがファウルをもらいながらタフショットを沈め同点に追いついてオフィシャルタイムアウトに突入した。
タイムアウト明けの岡山は1.サンバを投入し、再びビックラインナップに。すると、31.高畠のタフスリーと、オフェンスリバウンドから5.マーフィーの得点で再びリードを奪う。
しかし、東京Zもディフェンスリバウンドの確保、ペイント内でのスティールから速攻を繰り出し連続得点を挙げ、岡山に流れを掴ませない。
最終盤は得点の取り合いとなり、岡山は1.サンバのスリーと2.サミュエル、33.ティミンズのインサイドでの得点。東京Zは1.ヒルズマンの2本のスリーとフリースローで得点を挙げた。
一進一退の攻防が続いた前半を終えた38-37と岡山の1点リードとなった。
-3Q-
3Qの序盤も互いに得点を取り合う展開。
東京Zは岡山のスイッチディフェンスのズレをついた攻撃やオフェンスリバウンドによるセカンドチャンスで得点を挙げた。中でも、28.井手が2本のスリーを沈めチームを引っ張った。
岡山は15.濱田のスリーやスティールからの速攻で得点を挙げた。
その中で、シュート精度が落ちない東京Zが中盤以降、少しずつリードを広げる展開となる。
51.金本のコーナースリーの後、1.ヒルズマン、4.ランプキン、3.スペンサーのペイントアタックが高精度で決まり、得点を積み重ねることに成功。
すると、ディフェンスの足もより動くようになり、素早いローテーションで岡山のターンオーバーを誘発。0-9のランを作ってリードを奪った。
岡山は東京Zのターンオーバーの後のオフェンスでターンオーバーを返してしまったり、シュートを決め切れなかったりして、流れを逸してしまった点が痛いクウォーターとなった。
東京Zが流れを掴み、51-61と10点リードで3Qを終えた。
-4Q-
4Q序盤は互いにディフェンスが光る展開。
岡山、東京Zともに相手のポストアップに対して、激しいチェックで自由を与えず、シュートを防いでいた。
その中で先に得点を取ったのは岡山。
2.サミュエルの力強いドリブルでファウルを奪い、フリースローでスコアを動かすと、東京Zにスリーを打たせ、ディフェンスリバウンドを確保し、速い攻撃から22.向井、31.高畠が連続スリーを沈め7-0のランという入りを見せた。
タイムアウトを取らされた東京Zだったが、直後の厳しいオフェンスで1.ヒルズマンのドライブから7.ベンレヴィがコーナースリーを決めて、何とか流れを断ち切る。
すると、岡山のディフェンスをストップした後に、7.ベンレヴィがサイドから再びスリーを沈め、8点差に広げ返してオフィシャルタイムアウトに突入。
リズムを掴んだ東京Zはタイムアウト明けも猛攻を見せる。直前の連続スリーをフリにして7.ベンレヴィがドライブから4得点、そしてボールを回して51.金本がスリーを決めて得点を重ねた。
対する岡山も2.サミュエル、33.ティミンズのインサイドの強さと31.高畠のスリーでギリギリのところでついていく粘りを見せる。
ただこの後、3ポゼッション差の中で、素早くシュートまで持っていくことができなかった岡山。
セカンドチャンスから19.ママドゥのスリーが決まったものの、残り2分強から互いの1回ずつのポゼッションで計50秒ほどを使ってしまい、勝利が厳しくなってしまった。
結局、3ポゼッション差のままファウルゲームに持ち込むが、東京Zに確実にフリースローを決められて試合終了。
どちらが勝ってもおかしくない展開の中で、
攻守が噛み合った時間で大きくリードを広げた東京Zが岡山を振り切って先勝を飾った。
-ひとこと-
序盤はスイッチディフェンスがうまくいっていないように見えた岡山だったが、少しずつアジャストしていったのではないかと思う。
だからこそ、4Qの7.ベンレヴィの大爆発はとんでもなく大きかった。
GAME2
岡山76-81東京Z
(17-19,20-23,21-16,18-23)
スターティング5
岡山:マーフィー・濱田・ママドゥ・向井・ティミンズ
東京Z:武本・ヒルズマン・ランプキン・下田平・井手
-1Q-
両チームともにGAME1と同じスターターで臨んだGAME2。立ち上がりから一進一退の攻防が繰り広げられた。
先行したのは岡山。ドライブやポストプレーでのペイントタッチを起点にオフェンスを展開し、22.向井や19.ママドゥの3Pシュート、33.ティミンズのゴール下、15.濱田のストップジャンパーなどで得点を挙げた。
対する東京Zはスティールからの速攻で4得点、ピックアンドロールから4.ランプキンのゴール下など、速い攻撃を中心に得点を挙げた。
中盤を過ぎたところまでは岡山がリードを奪う展開。ただ、終盤にかけて東京Zが反撃に転じた。
岡山のオールコートディフェンスに対して素早く持ち運び、1.ビルズマンがそのまま得点を決めると、ディフェンスリバウンドからトランジションオフェンスにつなげ、1.ビルズマンの3Pシュートを成功させた。
ディフェンスでは34.池田から始まるマンツーマンの対応の中でペイント内への進入を防ぎ、岡山のスコアを止めてみせた。
序盤から中盤までは岡山。終盤は東京Zという1Qは17-19で東京Zが2点上回った。
-2Q-
2Q序盤は3Pシュートの応酬となる。
岡山がボールを回して91.佐藤が2本の3Pシュートを決めると、東京Zも1.ヒルズマンが苦しい体勢から連続で3Pシュートを沈める。
27-27の同点の局面でタイムアウトを取った東京Zは、11.向後のオフェンスリバウンドから1.ヒルズマンが3本目のスリーを沈めると、さらに7.ベンレヴィが力強いドライブからシュートを決めて5点リードでオフィシャルタイムアウトへ。
放されたくない岡山は、東京Zがゾーンディフェンスに変更したところを逆手に取り、77.小池がスリーを沈めると、33.ティミンズがゴール下で高さを発揮し、タップシュートで得点を挙げる。
ただ、ディフェンス面においては、ガード陣の高さで上回る東京Zのオフェンス陣を止め切ることに苦戦。
前日よりもスイッチを我慢し、マークマンに責任を持ってついていくことを意識しているようには見受けられたが、東京Zのオフェンスを制限するには至らず、1.ヒルズマンのドライブ、51.金本と4.ランプキンのピックアンドロールから得点を許した。
終盤には、クロックダウンの中の28.井手の3Pシュート、15.濱田のジャンプシュートで得点を取り合い、37-42と東京Zのリードで前半を終えた。
-3Q-
3Qの立ち上がりはオフェンスのやり合いの展開となる。
岡山は、スイッチ・ローテーションのタイミングとヘルプの距離感がアジャストできておらず、どうしても自分たちからズレを作ってしまい、東京Zにフリーでシュートを打たれているように見えた。
一方の東京Zはマンツーマンとゾーンを併用しながら撹乱を目指すが、マンツーマン時に逆サイドがフリーになるところ、そして15.濱田や19.ママドゥのドライブ力に上回られて、失点を許していた。
ただ中盤以降、少しずつ岡山のディフェンスがアジャストしてきたのか、東京Zのターンオーバーが増え始めるようになってきた。
そこからオフェンスにつなげてペースを自分たちのものにしたい岡山だったが、自分たちもターンオーバーでお付き合いをしてしまったり、東京Zに簡単に速攻を許したりと、大きな流れを掴むには至らなかった。
とはいえ、同点に追いつくことには成功し、58-58で3Qを終えた。
-4Q-
4Qは両チームともチームで形を作った3Pシュートが成功するという良い入りを見せる。
東京Zは岡山のスイッチのズレを見逃さず逆サイドから1.ビルズマンのフィニッシュ。
岡山はピックを生かしてオフボールでフリーになった91.佐藤が連続でスリーを成功させた。
前へ出た岡山だったが、東京Zもスティールされかけたオフェンスを何とかつなぎ、14.下田平がスリーを成功。
さらに、リバウンドから速攻で持ち運び1.ビルズマンがファウルをもらってフリースローで再逆転を果たし、東京Zの1点リードでオフィシャルタイムアウトへ突入。
タイムアウト明け直後のフリースローを2本揃えた東京Zは、岡山のペイントアタックを4.ランプキン中心に2度ストップし、素早くオフェンスに転じて28.井手がスリーを決めて点差を6に広げた。
その後、この試合好調の91.佐藤のスリーで追いすがる岡山だったが、2.サミュエルのペイントアタックをゾーンディフェンスで封じられると、28.井手にドライブとミドルジャンパーから4得点を許し、7点ビハインドで残り1分強の攻防へ。
またまたゾーンの外から91.佐藤のスリーで得点を挙げた岡山は、東京Zのオフェンスファウルで獲得したポゼッションでうまく攻め切れず時間を使ってしまったものの、セカンドチャンスからのフリースローで2点差に迫る。
残り40秒からの東京Zのポゼッションは、28.井手がコントロールし、時間を使う。そして、深い位置でフリーになっていた1.ビルズマンがこの日7本目のスリーを時間いっぱいで沈め、勝利を決定づけた。
最後の岡山のスリーポイントは決まらずにそのまま試合は終了。
接戦をものにした東京Zが76-81のスコアで連勝を飾った。
-ひとこと-
91.佐藤の大爆発を生かすことができなかった岡山。彼を上回った1.ビルズマンが素晴らしかった。
紙一重の2試合であったが、細かいところで少しずつ東京Zが岡山の上をいったという印象だった。