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【ホームの利を活かしてサバイブした山口】〜24-25 B3 第20節 山口パッツファイブvs徳島ガンバロウズ マッチレポート〜
GAME1
山口89-84徳島
(28-19,20-24,20-15,21-26)
スターティング5
山口:コラム・山口・プレストン・吉川・川上
徳島:ストックマンジュニア・アディリ・大﨑・ヘイモンド・マーティン
-1Q-
今節も試合の入りのディフェンスに失敗する徳島。
7.アディリのフリースローで1点を取った後、ディフェンスのポジションを取るのが遅れ、32.吉川に簡単にドライブを許す。
直後のディフェンスもスクリーンを使う11.山口へのマークが甘くなり、その隙を突かれて3Pシュートを喫してしまう形となった。
最初の2回のオフェンスでリズムを掴んだ山口は、徳島のドライブを素早い囲み込みでブロックすると、トランジションのオフェンスに持ち込んで15.プレストンや11.山口のペイント内からの得点を作った。
早めのタイムアウトを取らされた格好となった徳島は5.ストックマンジュニアの3Pシュートや速攻からのドライブで得点を挙げるものの、ディフェンスがどうにも嵌まらずに失点を重ねてしまう。
準備が遅いのか、山口のスクリーンプレーに対して簡単にズレが生まれてしまい、3Pシュート、ドライブ、ピックアンドロールといずれの攻撃も止めることができていなかった。
オフェンスもペイント内への飛び込みを積極的に狙っていくが、パスがズレたり、山口の手が出てきたりでうまくいかず、終盤にかけての時間で二桁のリードを許すこととなった。
山口は良いリズムを続け、9.重冨の3Pシュートで15点までリードを広げたが、終盤は徳島のゾーンプレスに二度捕まり、ターンオーバーから連続失点。もったいない形で点差を縮められてしまった。
それでもスタートダッシュに成功した山口が28-19と大きなリードを奪った。
-2Q-
2Qになると徳島のやりたいバスケがコート上で表現される。
ポストアップから15.プレストンのシュートを許した後、山口の8.末廣や21.マックスウェインJr.のペイントアタックを厳しいディフェンスで守り切ることに成功する。
そして、守り切った後は素早く敵陣にボールを運び、山口が戻り切れないうちに24.大﨑の2本のレイアップシュートで連続得点を挙げ、点差を詰めることとなった。
早い時間帯でファウルが溜まってしまった山口だったが、31.富田の3本のフリースローで持ち直すと、15.プレストンのインサイドでの得点を二度作り、再び点差を戻した。
オフィシャルタイムアウト明けは徳島がペースを掴む。
ゾーンディフェンスで山口に外からシュートを打たせて、そのリバウンドを確保すると、ハイロープレーから31.ヘイモンドが4得点を挙げ、山口に迫る。
山口は77.川上の3Pシュートの後、アウトサイドシュートが決まってこず、徳島の圧力を受ける形となってしまった。
その後も31.富田の3Pシュートが1つ決まっただけで、アウトサイドシュートの失敗、そしてペイント内を攻めればターンオーバーという厳しいオフェンスが続く山口。
その間に5.ストックマンジュニアのドライブや6.古河の3Pシュートによって同点に追い付かれてしまう。
ただ、ここで踏みとどまることができた山口は、オフェンスリバウンドを拾った31.富田がファウルをもらってフリースロー2つ揃えると、徳島のパスミスの後のオフェンスで31.富田が3Pシュートを成功。
最後の徳島のオフェンスも2.塚本に思うようなドライブをさせずに得点を許さず、終えることができた。
それでも、速攻を中心に山口を自分たちの土俵に引きずり込んだ徳島が48-43と点差を縮めるクウォーターとなった。
-3Q-
立ち上がりに31.ヘイモンドから32.マーティンへのアリウープダンク、5.ストックマンジュニアのドライブで立て続けに得点を奪う徳島。
一方の山口は3Pシュートが全く決まらない厳しいオフェンスが続く中、15.プレストンのオフェンスリバウンドによって獲得したフリースローと、ベンチから出てきた9.重冨の3Pシュートで踏ん張りをみせる立ち上がりとなった。
ただ、その後は7.アディリの3Pシュートが立て続けに失敗となった徳島を尻目に、山口が流れを掴む。
トランジションから9.重冨のジャンプショット、セカンドチャンスから31.富田の3Pシュート、そして9.重冨の3Pシュートで8-0のランを作った。
タイムアウトを取った徳島は山口にフローターを打たせるように仕向けて、ディフェンスを成功させると、15.若狭のディープスリー、31.ヘイモンドのドライブで連続得点を奪う。
ただ、山口も徳島のゾーンに対してうまくフリーを作り出すと、31.富田と4.コラムの3Pシュートを成功させ、得点を重ねた。
中盤以降、9.重冨を中心にシュートタッチを改善した山口が68-58と二桁のリードを奪った。
-4Q-
4Qも最初に得点を挙げたのは徳島だった。
オフェンスリバウンドから6.古河がフローターを沈めると、31.ヘイモンドがインサイドでファウルを獲得し、フリースローを揃えて連続得点を挙げた。
対する山口は見事なゾーンアタックから15.プレストンを使って得点を奪うと、5.ストックマンジュニアからボールを奪い、4.コラムの3Pシュートが連続で決まり、8-0のランをやり返しリードを広げた。
タイムアウトを取った徳島は、直後のスローインから31.ヘイモンドが真ん中をぶち破りバスケットを獲得し、3点を返す。
ただ、この局面のディフェンスで耐えることができない徳島は、ゾーンプレスが機能せず31.富田に簡単な3Pシュートを許すと、スローインから4.コラムにも3Pシュートを許し、連続失点。
せっかく獲得した31.ヘイモンドのバスケットカウントを生かすことができず、リードを17点まで広げられてしまった。
大きくリードを広げた山口は6.松田と18.上間をコートに送りながら、9.重冨のドライブと15.プレストンのフェイダウェイシュートで得点を追加。リードを18点としてオフィシャルタイムアウトに突入した。
しかし、タイムアウト明けは山口の拙攻が立て続き、流れが徳島に移る。
時間を使わず早いタイミングでの3Pシュートが失敗、そして自陣での不用意なパスを奪われてフリースローでの失点&32.吉川がファウルアウトとなってしまう。
そして、徳島の方に、岐阜戦でも見られた決死のオールコートプレスが発動。
すると、これが見事に嵌まる。
9.重冨に難しいパスをさせてそのボールをカットすると、5.ストックマンジュニアが3Pシュートを沈め、3分足らずで2-12のランを作り、8点差まで追い上げた。
残り2分を切って8点差と迫られた山口は、その後もオフェンスは全くうまくいかない。
ただ、時間を使うというミッションだけは何とか達成し、ディフェンスではインサイドに人をかけて徳島の得点を2点に抑えて残り10秒の攻防まで持っていった。
最後まで諦めない徳島は、スローインから31.ヘイモンドのドライブで2点を返すが、最後の山口のポゼッションではボールを奪いかけるもシュートまでは持ち込めず、タイムアップとなった。
大量リードで奪った貯金を何とかやり繰りして逃げ切りに成功した山口。連敗を5でストップする大きな1勝を挙げた。
-試合後の感想-
私自身が別の現場に行ってたこともあり、本日は手短に。
徳島の土俵に引きずり込まれる時間もあったが、それに40分間付き合わず、決めるべき時にシュートを決められたのが良かった。
それから、スタッツを見ると山口の圧倒的なオフェンスリバウンドの数が目を引く。
徳島のオフェンスリバウンドが2に対して山口が18も獲得しているのだ。
そのため、フィールドゴールの確率は徳島が52.9%と38.3%の山口を大きく上回っているものの、シュート数に徳島51本、山口81本と差が生まれる結果となった。
今日試合はオフェンスリバウンドから攻撃回数を多く作り出したことが山口の勝因である。
最後に、この試合最大の明るい材料は9.重冨のシュートタッチが戻ってきたことである。
年始の欠場から、調子が上がっていなかった印象だったが、この試合はミドルジャンパーだけでなく、3Pシュートも好調で14得点の活躍をしてくれた。
まだまだ彼の力はこんなものではないと思うので、引き続き苦しい時にチームを助けてくれるプレーに期待したい。
GAME2
山口100-93徳島
(24-23,29-20,11-12,11-20,11-11,14-7)
スターティング5
山口:コラム・山口・プレストン・吉川・川上
徳島:ストックマンジュニア・青木・大﨑・ヘイモンド・マーティン
-1Q-
7.アディリに替えて11.青木を起用してきたGAME2の徳島。
インサイドを狙った序盤の二度のオフェンスがうまくいかず、15.プレストンのタップ、77.川上の3Pシュートで先手を取られてしまったが、切り替えてアウトサイドから放った3Pシュートを11.青木と5.ストックマンジュニアが決めて何とか試合に入った。
山口は徳島のドライブを警戒するディフェンスを披露し、3Pシュートは決められるものの、ドライブに対してはうまくローテーションをすることができていた。
ただ、オフェンス面でアウトサイドからのシュートを決め切ることができず、得点が伸びない時間が続いていた。
その中で、タッチダウンパスでうまく得点を繋ぎながら、11.山口と31.富田が3Pシュートを連続で成功させ、ようやく良いディフェンスを良いオフェンスに繋げることができた。
立ち上がり以降も、2Pシュートの形を全く作ることができない徳島は3Pシュートに活路を見出す。
成功率の上がってこない山口を尻目に31.ヘイモンドが連続で沈め、うまくついていく形を作った。
最後は9.重冨と15.若狭が3Pシュートを決め合い、24-23と互角の1Qとなった。
-2Q-
2Qに入ると、山口が21.マックスウェインJr.の1on1を強調し、有利を築いていく。
31.ヘイモンドを押し込んでポストプレーから4得点、3Pシュートで3得点、スティールからのダンクで2得点の計9得点を叩き出した。
対する徳島は2.塚本のドライブと強引なトランジションから7.アディリの3Pシュートで得点を作る。
しかし、オフェンスの勢いがついた山口は、15.プレストンと9.重冨の3Pシュートでさらにリードを広げ、ディフェンスでも、徳島の速い展開を減らすことに成功。
11点のリードでオフィシャルタイムアウトとなった。
タイムアウト明けは徳島が31.ヘイモンドの得点の後、高い位置でスティールを奪い、連続得点を挙げる。
ただ、15.プレストンの個人技と21.マックスウェインJr.のシュートタッチの良さによって得点を挙げて、山口がリードをキープする。
徳島も7.アディリの3Pシュートなどで追い縋るが、山口のオフェンスリバウンドがこの試合も威力を発揮し、17.パクセジンのリバウンドによるセカンドチャンスから11.山口のジャンプショット、そして32.吉川の3Pシュートで二桁のリードを奪って前半を終えた。
-3Q-
両チームともオフェンスのリズムを作ることに苦戦する3Qの立ち上がり。
徳島は山口のスティールに度々遭い、ターンオーバーでオフェンスを終えることが多く、山口は15.プレストンのところでうまく相手を押し込めず、厳しいシュートも増え、決め切れないという印象だった。
互いにフリースローのチャンスを決め切れず、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスで1本ずつシュートを決めただけで、あっという間に終盤に差し掛かっていく。
6-6のスコアで迎えた残り2分の攻防では、山口が15.プレストンのオフェンスリバウンドの強さと21.マックスウェインJr.の3Pシュートで得点を挙げ、徳島は時間が少ない中の7.アディリのタフスリーと32.マーティンのバンクスリーで得点を取り合う展開となった。
徳島がディフェンス面で15.プレストンへの対応を改善した一方、山口は徳島のボール回しに対してよく足を動かしうまくパスコースに手を出すことに成功した構図となった3Qは、11-12で徳島が1点だけ上回る結果となった。
-4Q-
最終クウォーターは9点のビハインドを背負う徳島が良い入りを見せる。
7.アディリのペイントタッチから15.若狭がコーナースリーを沈めると、8.末廣のドライブに対して見事なコース取りでオフェンスファウルを誘う。
さらに、山口のディフェンスをうまくいなして3分経たないうちに4つのファウルを誘発し、オフェンスリバウンドの奪取から15.若狭がバスケットカウントを獲得し、一気に3点差まで詰め寄った。
リードこそしているもののいきなり劣勢に立たされた山口。
この試合好調の21.マックスウェインJr.の1on1に託すが、ファウルを獲得しながら、そのフリースローを決め切れず、返しのポゼッションで7.アディリの3Pシュートを許し、遂に同点に追いつかれてしまう。
ただ、直後のディフェンスリバウンドから速攻を繰り出し、31.富田の3Pシュートを作り、ファウルをもらって3本のフリースローを成功させ、再び勝ち越す。
さらに、21.マックスウェインJr.がリバウンド・ルーズボールで奮闘を見せ、速攻から15.プレストンがバスケットカウントを獲得してオフィシャルタイムアウトを迎えた。
タイムアウト明けは再び山口が徳島のドライブにうまく手を掛けられるようになり、厳しい3Pシュートを打たせてディフェンスに成功する。
ただ、頼みの綱の21.マックスウェインJr.の1on1が不発に終わり、その後のスローインを立て続けに失敗してしまうと、速攻をファウルで止める形となり、31.ヘイモンドのフリースローで点差を詰められる展開に。
それでも、21.マックスウェインJr.に託す山口は、
その21.マックスウェインJr.が期待に応え、ポストアップからのリング下のシュート、そしてフリースローで4得点を挙げ、8点のリードとなった。
連敗を止めたい徳島は、ここから決死のゾーンプレスと速攻を繰り出して最後の粘りに出る。
すると、これが功を奏し、31.ヘイモンドの3Pシュートとドライブからのバスケットカウントで6得点。1分以上を残して2点差まで詰め寄った。
時計の針を進めたい局面で徳島に二度の速攻を許し、さらにフリースローを決められなかった山口。
敵陣にボールを運べず8秒バイオレーションを取られた後、31.ヘイモンドに3Pシュートを許し、試合は振り出しに。
最後のポゼッションも21.マックスウェインJr.の1on1、そしてオフェンスリバウンド後のスローインを11.山口の3Pシュートに託すが、いずれのショットもリングに嫌われ、前へ出ることができず。
75-75の同点でオーバータイムにもつれることとなった。
-OT1-
山口にとって今シーズン初のオーバタイム。
オフェンスはやはり21.マックスウェインJr.と15.プレストンのローポストアタックとなる。
その選択は何とか成功し、彼らのオフェンスリバウンドによって4得点を挙げる入りとなった。
一方の徳島は2.塚本のドライブや、速攻を繰り出してのファウルドローン、そして7.アディリの3Pシュートでようやくリードを奪った。
32.吉川のドライブの後、得点が止まり、リードを許した山口は15.プレストンとのツーメンゲームから31.富田がゴール下に飛び込みバスケットカウントを獲得。再び前に出る。
互いに譲らない死闘はその後もペイント内から得点を取り合って、11-11の痛み分け。決着がつかず二度目のオーバタイムへ突入した。
-OT2-
徳島ボールで始まったダブルオーバータイムは、7.アディリのドライブに対する11.山口の素晴らしいディフェンスからスタートとなった。
返しの山口のポゼッションでは、15.プレストンのオフェンスリバウンドから32.吉川が3Pシュートを沈める。
さらに31.ヘイモンドのドライブを21.マックスウェインJr.が完璧にブロックすると、11.山口のコーナースリーが決まり山口が6点のリードを奪う。
ただ、これでは終わらないこの試合。
タイムアウトを取った徳島は2.塚本とのピックアンドロールから32.マーティンのシュート、そして速攻から31.ヘイモンドのシュートで追い縋る。
山口は前日に続いて圧倒的なオフェンスリバウンド力でセカンドチャンスを作り、32.吉川と21.マックスウェインJr.のドライブ、そして15.プレストンの押し込みでリードを7点に広げた。
厳しくなった徳島は2.塚本のスリーを作るものの、それを決め切れなかったため、ファウルゲームに突入。
大きなリードがある山口は、32.吉川が1本、31.富田が2本のフリースローを決めて勝負あり。
50分間に及ぶ激闘はホームの山口が徳島を振り切って100-93で勝利。上を目指すシーズン終盤の戦いに踏みとどまる連勝を掴み取った。
-試合後の感想-
振り返るポイントを絞り切れないほどの激闘だった。
21.マックスウェインJr.と15.プレストンの活躍によってリードを奪っていた中で、彼らのプレーに託したものの、クロージングがうまくいかなかった4Q。
良くない流れでオーバータイムとなってしまったが、最後は11.山口や32.吉川といった日本人選手の得点を積み重ねられたことが勝因の一つとなった。
また、この試合はホームの利、後押しの力を感じることができたゲームでもあり、山口一丸で掴んだ勝利とも言える。
オーバータイムにかけての雰囲気は、画面越しではあるものの、非常に素晴らしかったように感じた。
オフェンスの音を止めて、声援と手拍子だけで後押しするポゼッションの判断や、MCさんの煽り、それに応えるブースターと、会場全体が勝つための雰囲気を作っており、私としてはようやくホームを感じることができた試合だった。
チームとして一つ階段を登ったような連勝おいとなり、ここから反撃を開始していく上で、反省点もあれど、弾みのつく勝利となったと言えるであろう。