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"B3 Research" 〜24-25 B3 第2節 香川ファイブアローズvsさいたまブロンコス マッチレポート〜


プレビュー

前節のホーム開幕線で連敗を喫し、1勝3敗のスタートなった山口。
今節はアウェイでさいたまブロンコスと対戦する。

さいたまはホームで新潟、アウェイで香川とタフな4試合を戦い、2勝2敗のスタートとなった。
1節2節ともに1勝1敗という成績だったものの、4試合ともに強さを感じる試合を演じていた。

最も印象に残っているのは、ポイントガード陣の強烈さである。
中心は静岡から移籍してきた吉田だ。
戦況を捉える目、スピード、そしてシュートの決定力とレベルが一つ抜けているポイントガードだと言える。

吉田がベンチに下がっても、代わりに出てくる秋山がこれまたスピードと3Pシュートの決定力を持ったポイントガードである。

この2人を抱えていることがさいたまの一つの強さであると感じた。

また、彼ら以外にも注意したいのが全試合スタメンの志冨田である。今シーズン、福井から移籍をしてきた彼だが、試合をこなす度にチームにフィットしてきている印象だ。
直近の香川とのGAME2ではボールを持ち運ぶ機会も増え、21得点のステップアップを見せた。

もちろん、インサイド陣も強力で、ワトキンスはその強さでオフェンスリバウンドを何度も確保して、チームのポゼッションの機会を増やし、ビエリツァは強さだけではなく外からのアタックも持っており、止めるのが難しい選手だ。

吉田、志冨田、ビエリツァ、そして松井と新戦力が早い段階でフィットしているさいたまのオフェンス陣をどうやって止めにかかるのかが大きな注目点となる。

香川は敵陣からのゾーンプレスでさいたまのスムーズな持ち運びを制限し、クロックを減らした中でインサイドアタックを守り切るという方法を取り、勝利を挙げていた。

山口も、ゾーンプレスをどこかで採用してくるような気がするが、それがどのくらい通用するかは楽しみにしたい。

さいたまのディフェンス面や山口にとってはトラウマでもあるシットンや川邉の存在にも言及したいところであるが、長くなりすぎる予感がするため、この辺りにしておきたいと思う。

山口にとっては今節も厳しい相手ではあるが、アウェイで勝利を掴み取ることができるかは今後の試金石となる。

※第1節の新潟戦のレポートはこちら。


GAME1
香川79-88さいたま 
(13-22,16-24,21-25,29-17)

スターティング5
香川:チャップマン・高橋克・デイビス・満尾・近藤
さいたま:ワトキンス・松井・吉田・ビエリツァ・志冨田

-1Q-

試合の立ち上がり、両チームともにインサイドに対する激しいディフェンスで得点を与えない入りをみせる。
先制はさいたま。37.吉田がスピードで切り裂きファウルを受けてフリースローを決める。
香川もその直後に、16.満尾と5.デイビスのピックアンドロールから5.デイビスが最初の得点を挙げた。
互いに最初のスコアを挙げると、点を取り合う展開となる。
さいたまは37.吉田、51.ビエリツァ、16.松井の3Pシュート、香川は3.チャップマンの3Pシュートやダンクシュート、25.ダマのゴール下からの得点が生まれた。

このまま互角の攻防が続くと思われたが、終盤にさいたまが大きな流れを掴んだ。
香川のピックアンドロール、1on1からのオフェンスをいずれも完璧な対応でタフショットを強いると、リバウンドから速攻を繰り出し、得点を重ねた。
0.シットン、16.松井の3Pシュートや11.秋山のスピードを生かしたドライブアタックで0-12のランを作った。
香川はピックアンドロールでズレを作れず、ガード陣がミドルジャンパーを試みたところをさいたまのディフェンスに何度も手をかけられ、難しいシュートを打たされていた。

-2Q-

2Qに入ってもさいたまの勢いは止まらない。
香川のターンオーバーを生かしながら、11.秋山の連続スリー、0.シットンの3Pシュートで開始早々点差を広げることに成功する。
香川はピックを使いながら3Pシュートを放つものの、4.高橋の1本しか決まらずに思うように得点を挙げることができなかった。
中盤はさいたまのオフェンスも停滞していたものの、0.シットンがクロックぎりぎりの3Pシュートを決め切って18-35のスコアでオフィシャルタイムアウトに突入する。

タイムアウト明けは香川が少しずつ反撃に転じる展開に。13.高橋にドライブのコースを与えるチームオフェンスを成功させると、3.チャップマン、4.高橋も2点シュートを決める。
さいたまは、37.吉田、0.シットンの3Pシュートが落ちる中で、ピックアンドロールやポストアップでインサイドにオフェンスの焦点を当て、51.ビエリツァや1.ワトキンスの得点を作った。
終盤は香川3.チャップマンの3Pシュート、さいたま16.松井のミドルジャンパーなどで両チーム得点を挙げ、29-46とさいたまのリードで折り返した。

-3Q-

3Qの序盤はインサイドに対するディフェンスが厳しい中で、アウトサイドからのシュートが決まり切らない展開となる。
ただ、オープンな状態の3Pシュートをさいたま51.ビエリツァ、香川3.チャップマンが決めると、互いに得点ペースが上がっていった。
香川は16.満尾が自身のアタックから4得点、25.ダマのフリースロー、13.高橋の3Pシュートで得点を挙げる。
一方のさいたまは16.松井、0.シットンの3Pシュートといった長距離砲で得点を挙げていった。
終盤は香川のシュートが落ちる中で1.ワトキンスのインサイドの強さと37.吉田のスピードで得点を重ね、さいたまが50-71とリードを広げた。

-4Q-

両軍ともに序盤に立て続けにファウルを吹かれた4Qは、香川が敵陣からのゾーンプレスでペースを握りにかかっていった。
ゾーンプレスがうまくハマり、13.高橋のフックシュート、9.請田・13.高橋の3Pシュートなどで確実に点差を詰めていく。
さいたまは11.秋山、37.吉田のツーガードでゲームをコントロールしにかかるが、シュートを決め切れず厳しい流れになっていた。
ただ、オフィシャルタイムアウトの直前、香川に痛いターンオーバーが連続で出てしまい、ファストブレイクから11.秋山が簡単に得点。
たまらず香川はタイムアウトを請求するも、13.高橋のアタックはうまくいかず、ピックアンドロールから51.ビエリツァのゴール下の得点を許し16点差に。
このオフィシャルタイムアウト直前の数ポゼッションが香川としてはもったいなかった。

ただ、タイムアウト明けに香川は執念の反撃を見せる。再びオールコートでのゾーンプレスを発動。アンスポを誘発するなど、さいたまのオフェンスを止め、素早い得点に繋げていった。
敵陣のスティールから13.高橋の3Pシュートが決まり、7点差まで迫ることに成功する。
ただ、1.ワトキンスのオフェンスリバウンドからの得点を許し、請求したタイムアウト明けのエンドインプレーで痛恨のターンオーバー。スティールした11.秋山が独走から得点を挙げ、万事休す。
最後まで、ハードなディフェンスをやめない香川だったが、時間が残されておらず試合終了。
香川の反撃を受けたさいたまが何とか逃げ切りに成功し、79-88で先勝となった。

-ひとこと-

前半の香川のオフェンスをストップしたさいたまのディフェンスが印象に残る試合だった。
秋山、吉田の2人のガード陣は強烈。止めるのはなかなか難しい。


GAME2
香川68-64さいたま 
(17-18,16-26,21-13,14-7)

スターティング5
香川:チャップマン・高橋克・デイビス・満尾・近藤
さいたま:ワトキンス・松井・吉田・ビエリツァ・志冨田

-1Q-

序盤は互いにテンポの速いオフェンスから積極的にシュートを放つも、シュートがなかなか決まらない展開となる。
この試合の序盤は特に顕著だったが、さいたまは86.志冨田がボールを持ってオフェンスを作るシーンが試合をこなす度に増えていっている印象である。
試合としては、香川がディフェンスリバウンドからの速攻で連続得点を挙げてから少しずつ動き出す。

さいたまは16.松井の3Pシュート、51.ビエリツァの
フリースロー、香川は3.チャップマンのバスケットカウント、9.請田のフローターで得点を奪い合う。
終盤に差し掛かるところでは、両チームともにメンバーを交代したことで、再びディフェンスの強度が上がり、仕掛け合いとなる。
スティール、ターンオーバーも出る中で、香川は5.デイビスと9.請田の得点、さいたまは11.秋山の5得点が生まれ、互角の攻防が続いた。
17-18でさいたま1点リードの1Qとなった。

-2Q-

2Qの序盤も一進一退の攻防が続く。
ディフェンスの強度が高い中で、25.ダマの4得点で香川が先手を取るが、さいたまも苦しいところで11.秋山が3Pシュートを決める。
その中で、先に流れを掴んだのはさいたまだった。香川のピックアンドロールに対して、86.志冨田と25.ベニのトラップからのダブルチームで13.高橋を捕まえてバックコートバイオレーションを奪う。
すると、オフェンスでも流れが生まれ、1.ワトキンスのオフェンスリバウンドから0.シットンのミドルショット、そして86.志冨田の連続3Pシュートが成功し、0-10のランを作った。

オフィシャルタイムアウト明けも86.志冨田、37.吉田の3Pシュート、37.吉田のドライブアタックでさらに加点するさいたま。
香川はインサイドで何とかファウルをもらいフリースローでつないではいるものの、さいたまのディフェンスを前にクリーンなシュートチャンスを作ることに苦慮していた。
86.志冨田の13得点1アシストの大活躍。そして、37.吉田の7得点と1.ワトキンスの3つのオフェンスリバウンドなど、ディフェンスも含めてさいたまの良いところが出た2Qとなり、33-44と2桁以上のリードを奪った。

-3Q-

ホームでの連敗は避けたい香川。
後半開始から13.高橋をコートに送ると、彼と25.ダマのツーメンゲームから得点を量産する。
トップの位置から行うピックアンドロールで25.ダマの得点を作ると、今度は13.高橋が自らペイント内に切れ込んでフローターを決め続ける。
得点を決めた後には、そのままの流れで敵陣からゾーンプレスを敢行。時間を使わせて自陣でのマンツーマンディフェンスに移行するやり方がハマり、じわじわと点差を詰めていく。

さいたまは、1.ワトキンスのオフェンスリバウンドや37.吉田の決定力で何とか得点を挙げ、中盤以降はゾーンディフェンスも見せながらリードをキープする。
ただ、終盤に登場した10.岡田に3Pシュートの成功を含む5得点1アシストの活躍を許し、1点差まで迫られてしまう。
最後はさいたま28.川邉がオフェンスリバウンドに飛び込んで得点を挙げたが、54-57と香川が猛反撃を見せたクウォーターとなった。

-4Q-

クウォーター間で立て直しを図ったさいたまは、0.シットンのポストアップからのバスケットカウント、86.志冨田のミドルショットで幸先よく得点を挙げる。
一方の香川もビッグマンのインサイドアタックでファウルをもらいフリースローで得点を着実に挙げていく。
試合が動いたのは、残り7分を切ったところのポゼッション。
香川のゾーンプレスに対して、さいたま86.志冨田がトラベリングの反則をしてしまう。そして、直後のオフェンスで、16.満尾のドライブから中で合わせた5.デイビスがバスケットカウントの3点プレーを成立させ、オフィシャルタイムアウト前に香川が逆転に成功する。

タイムアウト明けは、香川のディフェンスが光る展開。3.チャップマンと5.デイビスが相手のビッグマンをシャットアウトし、ガード陣も素早いローテーションで外からのシュートを打たせない守りを見せる。
フリースローを決め切れず得点を重ねられないものの、さいたまに得点のチャンスを与えず時間を消化していく。
4Qの残り8分34秒から54秒までさいたまに1得点も与えない鉄壁の守りで勝利を引き寄せた香川。
68-64で前日のリベンジを果たした。

-ひとこと-

志冨田まで本領を発揮してきて、さいたまのオフェンスはもう止められないかと思ったが、後半の香川のディフェンスはそれを完璧に打ち砕いてみせた。
ただ、負けはしたもののさいたまもディフェンスで崩れない強さを見せた。

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