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"B3 Research" 〜24-25 B3 第5節 湘南ユナイテッドBCvs徳島ガンバロウズ マッチレポート〜


第6節プレビュー

前節の岐阜との戦いも連敗となった山口。
4連敗で迎える今節の対戦相手は徳島ガンバロウズだ。

その徳島も非常に厳しい戦いが続いている。
開幕5勝1敗という素晴らしい滑り出しを見せたものの、TUBCとの1敗対決にホームで連敗。すると、前節の湘南戦にもアウェイで連敗。山口と同じく4連敗で迎える今節となる。

徳島が直近4試合で苦しい戦いを強いられている要因の一つとして怪我人の存在が挙げられる。

徳島を引っ張ってきた大きな存在だったコームズがインジュアリーリスト入り。シーズン序盤で外国籍選手の入れ替えを余儀なくされてしまった。

コームズの代わりにやってきたのが、山口の前に幾度ともなく立ち塞がってきたオリビエである。

今の徳島相手には、まず彼を止めるところから始める必要があると考えている。
湘南戦でも、ファーストチョイスは彼のペイント内からのシュートとなっており、GAME1では21得点、GAME2では19得点の活躍を見せていた。

GAME1では塚本、GAME2ではストックマンジュニアとのコンビネーションが特に強力で、オリビエを絡めたツーメンゲームに警戒が必要だ。

湘南戦の徳島はオリビエを止められた後の試合の進め方に課題を感じた。オリビエにボールを集めると高い確率で得点に結びつけてくれるため、逆に彼を止められてしまった時に攻守に渡ってリズムを失ってしまい、逆転を許していた。

オフェンス面ではアウトサイドシュートが全く入らなくなり、強引にペイント内へ攻め入って止められるというシーンがあり、ディフェンス面では戻りが遅れて、湘南の速攻を許してしまうというシーンが見られた。

戦い方としては、流れ関係なくシュートを決められる得点源があるか、ディフェンスで踏ん張り流れを引き寄せるかといった形になるのであろうが、そのいずれも見つけられていない2試合だったように感じた。

ディフェンス面ではゾーンやマンツーマンなど、色々な形を仕掛けてくるため、チームの作り方としてはディフェンスで踏ん張りたいイメージであろうと感じたものの、湘南のスピードの方が上回っていた。

山口としては、まずオリビエを止めること。これができて初めて戦いの土俵に上がることができる、そんなイメージの2試合となるであろう。

GAME1
湘南67-64徳島 
(10-15,10-21,25-11,22-17)

スターティング5
湘南:ヒューズ・フィリップス・内田・重冨・髙木
徳島:オリビエ・塚本・ジャワラ・若狭・マクスウェル

-1Q-

両チームともに特徴的なディフェンスシステムを披露する試合の入りとなった。
ホーム湘南は徳島のピックを使ったプレーに対して、高い位置ではブリッツを多用。ボールサイドで空いた選手には素早いローテーションでマークにつき、積極的な姿勢が目立った。
対するアウェイ徳島は最初のポゼッションからゾーンディフェンスを採用。湘南のドライブのコースを消し、アウトサイドからのシュートに仕向けていた。

最初に抜け出したのは徳島。セットした後の湘南の素早いプレスを受ける前に、0.オリビエのコーストtoコーストで得点を挙げると、ゴール下からのシュート、フリースローで立て続けに6得点を挙げた。
湘南はアウトサイドからシュートを打たされた結果、開始して4分得点を挙げられず、タイムアウトを取らされる展開になった。
タイムアウト明けは徳島がマンツーマンのディフェンスも採用しながらペースを握り続けようと試みる。
その中で、湘南最初の得点は44.丹野の3Pシュート。その後、2.ヒューズがゴール下の強さとスティール後の速攻から4得点を挙げ、ようやくリズムを掴んだ。
1Q最後まで、ディフェンス合戦が続く中、湘南はラストポゼッションで8.フィリップスのポストアップによりフリーになった44.丹野が再び3Pシュートを沈め、点差を詰めて終了。
序盤の湘南のオフェンスをシャットアウトした徳島が10-15とリードを奪った。

-2Q-

2Qの入りは湘南が3-2気味のゾーンディフェンスを採用して変化を見せたが、徳島は冷静にこれに対処。
ゾーンの間に立つ0.オリビエをうまくフリーにして得点を挙げると、リバウンド後の速攻から再び0.オリビエのフィニッシュでバスケットカウント。1分が経たないうちに5点のリードを広げた。
徳島は守備局面にて、マンツーマンでズレを作らず、スイッチ後のディフェンスも一人一人が厳しく対応していた。
湘南にタフショットに強いて、速いオフェンスにつなげ、さらに4得点。0-9のランを作って優勢を築いた。
この時間の徳島は24.大﨑がカッティングプレー、オフェンスリバウンドと積極的なリング下への進入からシュートチャンスを作り、得点を重ねていた。

オフィシャルタイムアウト明けもペースは徳島。湘南のペイント内へのアタックを徹底して封じ、オフェンスでは2.塚本、8.ジャワラが3Pシュートを決めてさらに点差を広げる。
湘南は8.フィリップスのゴール下と88.重冨のスピードを生かした速攻で4得点。その後はポストアップから3Pシュートを作るが、91.髙木の1本の成功にとどまりこのクウォーターも10得点しか挙げることが出来なかった。
ディフェンスのやり合いという展開の前半は徳島が上回り、20-36と16点のリードを奪った。

-3Q-

3Qの出だしは湘南がペースを掴む。
徳島にやられた前半のディフェンスをやり返すように、ペイント内のスペースを消し、外からのシュートを強いる形を作る。そして、88.重冨と8.フィリップスを中心に速攻から得点を重ねた。
開始から7-0のランを作り、徳島にタイムアウトを取らせることに成功した。
何とかして湘南の3-2のゾーンを破り、ペイント内へ進入したい徳島だったが、2.ヒューズという壁を前に、ペイント内に入った後も苦労が多く、2得点にとどまっていた。

その中で、湘南は前半苦労していたアウトサイドからのシュート精度が改善。88.重冨のスピードで相手を切り裂き、フリーの91.髙木、12.内田が連続でスリーを決め、一気に3点差まで迫る。
すると、終盤に21.鎌田がディフェンスの間をすり抜けるドライブからシュートを沈めて逆転に成功。この試合初めて湘南が前に出る。
ただ、徳島もラストポゼッションで、2.塚本のパスを受けた6.古河がコーナースリーを沈め、再逆転。
湘南がディフェンスから猛追を見せながら、何とかリードをキープした徳島。45-47の2点リードとなった。

-4Q-

4Qは一進一退の攻防が続いた。
16.石井、8.ジャワラ、44.丹野の3Pシュートの入れ合いから6.古河、21.鎌田のペイント内の進入しての得点が生まれ、リードチェンジを繰り返す展開。
互いにディフェンスの強度も落ちず、ディフェンスが上回るポゼッションも多かった。
その中で、徳島は0.オリビエのインサイドでの支配力を生かし、苦しんでいたオフェンスを打開。2ポゼッション続けて得点を挙げ、54-56とリードを保ってオフィシャルタイムアウトへ突入する。

しかし、タイムアウト明けの湘南は、インサイドでボールを持つ0.オリビエや8.ジャワラを3人、4人で囲み、守り切ることに成功。
そこから速いオフェンスにつなげ、16.石井の3Pシュートと21.鎌田と2.ヒューズのフォローで7-0のランを作り5点リードを奪う。
負けられない徳島は16.石井の3Pシュートのリバウンドを確実に獲得し、2.塚本と0.オリビエのコンビネーションで4得点を挙げ、1点差に迫る。
逆転のチャンスが来た徳島だったが、最後の2回のポゼッションは8.ジャワラ、0.オリビエの3Pシュートの選択。しかし、2回とも決め切れず試合は終了。
前半は徳島、後半は湘南という試合展開の中、わずかに湘南が上回り、67-64とロースコアの試合を制して先勝を飾った。

-ひとこと-

互いにディフェンスで仕掛け合う見ていて面白い試合だった。
後半になって改善された3Pシュートの精度とドライブでアクセントをつけ、後半だけで10得点を挙げた21.鎌田の活躍が、ディフェンスゲームの中で湘南勝利のポイントとなったように思う。


GAME2
湘南80-61徳島 
(17-18,18-18,17-9,28-16)

スターティング5
湘南:ヒューズ・フィリップス・鎌田・丹野・髙木
徳島:オリビエ・ストックマンJr.・ジャワラ・大﨑・マクスウェル

-1Q-

GAME1からスターターを変更した両チーム。
ホームの湘南は44.丹野がボールを運びながら、91.髙木が積極的にアタックを見せていた。
一方の徳島は5.ストックマンJr.がゲームをコントロールし、0.オリビエとのツーメンゲームを中心に組み立てていた。
序盤は0.オリビエが止まらず徳島が前へ出る展開となったが、3-2のゾーンで対応を図った湘南が少しずつ追い上げる展開に。
スコアの面では湘南は91.髙木の2本の3Pシュートと2.ヒューズの力強さで獲得した2本のバスケットカウントがチームを引っ張った。
徳島は0.オリビエが12得点とチームを牽引。また、スタメン起用の5.ストックマンJr.は0
オリビエへの3本のアシストとドライブからの2得点で貢献を見せた。
17-18と徳島が1点をリードするクウォーターとなった。

-2Q-

2Qも0.オリビエと27.マックスウェルのインサイドの得点で徳島が先に得点の形を作る。
湘南も88.重冨がドライブから8.フィリップスのゴール下、16.石井の3Pシュートをアシストする活躍を見せ、ついていく形を作る。
一進一退の攻防が続くが、湘南のピックプレーに対するディフェンスが少しずつ効果を発揮。ダブルチームやスイッチなどの仕掛けを多用しながら2本のスティールを獲得。スティール後も素早い攻撃につなげ、12.内田が3Pシュートを決め、逆転に成功してオフィシャルタイムアウトに突入する。
タイムアウト明けも、88.重冨と8.フィリップスを中心に湘南が襲いかかる。2.ヒューズをベンチで休ませている中で、8.フィリップスがインサイドで奮闘。ポストアップの形から右手のフィニッシュで得点を挙げると、88.重冨がスピードで切り裂きリバースレイアップを沈めて、この試合最大の6点リードを奪った。
一方の徳島は3Pシュートが決まらず、戻りが遅れて湘南に走られるという嫌な展開が続いていたが、2.塚本の独力のフローター、27.マックスウェルのフリースローで点差を詰め、ゾーンの外でフリーになった15.若狭が3Pシュートをようやく沈め、再びリードを奪った。
互いに小さな流れを掴み合い、35-36のスコアで前半終了となった。

-3Q-

後半も徳島は0.オリビエを中心にオフェンスを組み立てる。0.オリビエの得点や0.オリビエが空けたスペースに27.マックスウェルが入り込んで得点を挙げるが、湘南が徐々に対応を見せ、次第に流れが湘南へ移っていく。
0.オリビエへのダブルチームから連続スティールでオフェンスを止めると、強引なインサイドアタックもゴール下に人をかけて守り切ることに成功。すると、徳島のオフェンスのリズムが失われ、アウトサイドからのシュートが全く入らなくなる時間に入っていった。
湘南も、91.髙木の3Pシュートの成功の後、なかなか得点が挙げられない時間が続く。
しかし、終盤に88.重冨のドライブからのアシスト、そして2.ヒューズのスティールからの速攻で得点を挙げ、ラストポゼッションでは、失敗気味のオフェンスを2.ヒューズのダンクで何とか得点を挙げることに成功。
湘南が徳島を9得点に抑え、52-45と逆転を果たしたクウォーターとなった。

-4Q-

徳島2.塚本の見事なステップバックスリーで幕を開けた4Q。9.内藤もゴール下への飛び込みで続き、徳島が点差を詰める入りを見せる。
対する湘南も2.ヒューズがゴール下の門番として徳島に立ち塞がり、さらなる失点を防ぐと、8.フィリップスのポストアップからの左手、88.重冨のジャンプショットで再びリードを広げる。
徳島のタイムアウト明けにハイロープレーから失点を許すが、ゾーンの外から8.フィリップスのスリー、ペイントアタックから5.ジョンのシュート、リバウンドを拾ってからの速攻で21.鎌田のシュートが決まり、7-0のランを作ってオフィシャルタイムアウトに突入する。
徳島はタイムアウト明け直後に7.アディリのスリーで得点を挙げるが、その後が続かない。頼みの0.オリビエのアタックも2.ヒューズ、8.フィリップスを中心にペイント内を堅く閉ざされ、3Pシュートでの打開もうまくいかず苦しいオフェンスが続いてしまった。
ディフェンスでも、91.髙木に2本のスリー、88.重冨にドライブで真ん中を破られ失点。
最大22点の差が開き、後半は自分たちのペースを作ることができなかった。
最終スコアは80-61。後半に圧倒した湘南が前日に続き、勝利を飾った。

-ひとこと-

徳島は人が揃わないというエクスキューズはありながらも、0.オリビエが止められた時に、攻守に渡ってリズムを失ってしまい、そこから立て直すことができないでいるように見えた。
序盤の5.ストックマンJr.とのツーメンゲームは脅威だったし、良くない流れで踏ん張る術を見つけられればといったところだろうか。

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