<鑑賞記録>トラブル・イン・マインド / ナショナル・シアター
1950年台のアメリカで、黒人の舞台俳優たちが、差別と戦いながら自由な表現を追い求める作品。60年以上前に作られた作品のリバイバル。
本当に面白かったです。なんつったって、衣装がオシャレ。美術も素敵だし。ナショナルシアターは、毎回美術が豪華ですごいなあ。
舞台稽古の話で、いわゆるバックステージ物なんですけど、50年台のアメリカの世相を反映していて、しかも現代に通じる部分があって、それがサラリと表現されていてアッパレでした。人種差別を扱う話は変に説教臭くなりがちだけど、全然そんなことなく、おしゃれにガツんと描いていたし。英語がもっと分かれば、色々面白い仕掛けがあるんだろうなあ。白人の演出家が、自分の差別感情を吐露するシーンは、胸にくる物がありました。
舞台が、壁に囲まれていたから、劇場の壁をそのまま使っているのかと思っていたけど、美術として新しい壁を建てていたと知って度肝を抜かれました。
カーテンコールの拍手も激アツで、今の時代にやる意味が大きい作品だと思ったし、演劇的だなあと思いました。ナショナルシアターライブで配信して欲しい。