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初ライブ、あっという間だった

あれからもう3週間以上。ちょっと前に、簡単な振り返りをnoteに書いたけど、もう少し詳しくライブ当日のことを振り返っておこうと思う。

人生初の弾き語りライブはあっという間に終わってしまった。その場にいた人から「長げーな、まだ終わらないの?」と思われたかもしれないけれど、やってるほうからすると本当にあっという間。ライブの終盤で「あれ、2、3曲やり忘れちゃったかな」と思うくらいだった。

緊張が解けて「あぁ、ようやく体が思うように動くようになってきたぞ」と思えたのは、確か4曲目の途中あたり。それまではコードを押さえる左手がおぼつかず、声も上ずったりフラットしすぎたり、うまくいってないことは分かるのにどうにもできず背筋が冷えた。

調子が出てきたおかげで5曲目はドンッとした心まで持ちで演奏をスタートさせられた。しかし、ライブ後に録音を聞いて愕然とした。ブルーフハープが酷すぎた。

前にnoteにも書いたし、MCでも話した通りブルースハープ歴は3週間ほど。わからないことが多いが、練習してきた通りにやるしかなかった。実際、練習した通りに吹いた。だが、どうやらブルースハープが壊れていたらしく、音程がズレて鳴ってしまう穴が一箇所あったのだ。ちょっとしたパッキャマラドパオパオ状態。演奏している本人は「ちょっとのことじゃ動じないぜ」というモードに突入していたので、音程がずれていてるような気がしても「気のせいに違いない」と無視して演奏を続け、ブルースハープを吹いた部分がとんでもないことになってしまった。

ライブ翌日に調べたところ、ブルースハープの音程がズレる、音が出なくなるのは「あるある」なのだそう。多くの演奏者は「ブルースハープは消耗品」だと考えているのだとか。本体内部の金属弁がデリケートなつくりなうえに、唾液が付着したり、吹き口から入ったホコリが溜まっていたり、そのまま使い続けることで変質して本来の音を出せなくなってしまうのだという。

ブルースハープが消耗品だということは、楽器の構造を知っていれば分かるはずだが、恥ずかしながらそんなことは何も考えていなかった。分解して洗浄すれば直ることもあるようだが、試したもののダメだった。消耗品だと分かっていたら、寿命ギリギリの楽器で人前には立たなかっただろう。ジャンク品や中古を買い集めて「わーい」と喜んでいたのがバカみたいだ。無知って怖い。お客さんに聞き苦しい思いをさせてしまい、申し訳ないことをしてしまった。


そんな5曲目で、嬉しいサプライズもあった。普段応援している女子フットサルチームの選手たち数人がライブを見に来てくれていたのだが、曲の終盤で彼女たちが応援フラッグを掲げてくれたのだ。サッカーの応援席でゲートフラッグを掲げるような、もしくはアイドルのライブで「ピースして」と手作りうちわを振るが如く、バンッとフラッグがあがった。これは完全に予想外。

サポーター席で太鼓を叩き、チャントを歌い、チームや選手を応援するためにこれまでいくつもの横断幕を作ってきた。基本、手作り。選手のために旗を作るサポーターは珍しくないが、選手に旗を作ってもらったサポーターは相当レアなのではないだろうか。身に余る幸せ! 驚き、喜び、照れくささが一気に押し寄せて、感情がグニャグニャになり、サビラストの歌詞を間違えて変な演奏になってしまった。曲が終わり「動揺しちゃったよー」と言い訳したけれど、シンプルに未熟者である。

演奏はグダってしまったが、一連の出来事をきっかけに会場の空気が一気に和んで、より演奏しやすくなった。すでにライブは半分終わっちゃってたけれど。こういう空気を一曲目が始まる前から作れるようにならなきゃ、だ。


その後は、前にも書いた通り「あれ、もう終わり?」みたいな感じでライブは順調に進行。しっとりした9曲目でいったん本編を切り上げて、「ドマのマスター・廣井さんの要望で」みたいな言い訳をして、アンコール代わりのアップテンポなカバー曲「太陽おどり」で締めくくった。掛け声や手拍子もいただいて、エンディングの印象は良かったと思う。「おまけ」のつもりだったけど、準備しておいて良かった。こんなにウケがいいのであれば、今後は定番に組み込むつもり。

当日のセットリストはこんな感じでした。ライブ前に紹介した内容から変更なし。

2024年5月4日(土)澤井一 ライブ・イン・DOMA
1.俺は俺の歌を歌う
2.きみのために僕は祈る
3.はずれくじの棒っきれ
4.春夏秋冬(カバー)
5.愛しのシュガー
6.大和田橋を渡る
7.笑っていよう
8.風のたより
9.大切なもの
10.太陽おどり

この前のnoteにも貼り付けたけれど、ライブ動画をもう一度。

本番直後は、手応え以上に反省点が気になってしまい、来てくれたお客さんたちに感謝を伝えて回るなか、「なんか、ごめん」みたいな空気を漂わせてしまった。まったくもって悪いライブではなかったけど、めちゃくちゃいいライブだったかと問われるとなんとも言えないような、そんなどっちつかずな感じ。サッカーやフットサルに例えるなら「8対8の引き分け」みたいな、ゴールは決まったけどその分失点もしている……的なライブだと思っていた。

でも、その日のうちに本番の録音を聞き直してみたら、ゴールが決まったと思っていたところがそうでもなかったり、失敗したと思った部分が案外大丈夫だったりで、結果「5対4でシーソーゲームを制して辛勝」みたいなライブだったと思えた。あくまでも自分基準だけど。いつか圧勝できるミュージシャンになりたいし、常にそういうライブを期待してもらえるようになるのが目標である。

ライブ直後は堂々としていたい。自分に厳しく謙虚で控えめなのも悪くないけど、こちらが反省モードだったらさつきまでのお客さんの拍手が嘘になってしまう。気を遣わせるのも、気を遣われるのも最悪だ。そうならないようにするために、納得がいくパフォーマンスをして、堂々と「ありがとう」と言えるミュージシャンでありたい。

見に来てくれたみなさんと!

ライブ後は、事前に予告していた通り「澤井一の弾き語りライブの今後を考えるシンポジウム」を開催した。その模様は、また別に書くつもり。自分ひとりで考えているだけでは見逃してしまう気づきがたくさんあった。シンポジウム、やって良かった。あと、神戸から車で片道7時間かけて私のライブを見に来てくれた2人組がいたことも、機会を改めて書く予定。

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