☆12.一人旅が好きだと思い込んでいたけれど、実際は心が狭かっただけの話。
おはようございます。
「人生で一番美味しかった食べ物は?」
と問われたら、私は「新山口駅前の居酒屋で食べた焼き鯖寿司」って答えるんですけど、本当に思い出しても後にも先にもあの衝撃は忘れられないんですよね。あの旅行は職場の同僚F氏とふたりで行ったんですけど、「インハイの応援で山口行くけど行く?」って誘ったら100%断られると思うじゃないですか。そしたら「行きます」って言ってくれたんですよ。
あれが私としては初めてサシで出かけた旅行になりました。あれ以来誰かとする旅行の楽しさに目覚めたところはあります。当時埼玉の高校に勤めていましたが、店主から「どこからきたんですか?」と問われて同僚が「東京です」と即答した時に感じた変な気持ちや、夜中にホテルの部屋で話し込んでいたら返事が来なくなって、彼の方を見たら寝落ちてた時の馬鹿馬鹿しい感情が懐かしいです。
教え子のインターハイの応援に勝手に出かけたんですけど、その教え子も気がつけばパリ五輪の選手として活躍していて、いろいろな感情が押し寄せてきました。あれから彼にも私にもいろいろありましたが、いまだに関わりを持ってくれるのでありがたい限りです。
話がそれ……ていませんね。
今回は「一人旅が好きだと思っていたけれど実際は心が狭かっただけ」という話をしたいと思います。
自称「趣味は一人旅」
昔、私は「一人旅が趣味」だと言ってきました。四国一周、九州一周、伊勢湾一周……個人旅行で降り立ったことのない都道府県は山形を残すのみで、北は富良野から南は沖縄本島まで、あちこちを飛び回りました。
誰かといるのは煩わしい。一人の方が気楽だ、なんて言いながら、2010年からあちこち飛び回りました。今は全て削除しましたが、当時は旅動画も投稿していました。
そんな私に転機が訪れたのは2016年1月。当時の同僚たちと房総半島へ旅行へ行ったことでした。当時仲良くしていた面々と旅行しようという計画が持ち上がり、当時非常勤だったこともあって、入試業務を示し合わせて休んで出かけました。当時気にかけてくれたM氏発案で、私がレンタカーを借り、アクアラインを渡って房総半島へ。
渋滞こそありませんでしたが、アクアラインでUFOキャッチャーに意地を張った結果2時間以上滞在することになり、本来目的地であったマザー牧場に辿り着いた頃には昼下がり、夜は夜で後輩が深酒して一時は救急車を呼ぼうかという話にもなり、翌日の予定をキャンセルして海でまったりしながら東京湾フェリー経由で帰りました。今書いてても全く思い通りの予定を辿っていませんね。
記憶は楽しいところだけを覚えている
でも、当時は結構楽しかったんですね。貸別荘に男女2・2で泊まって、お酒飲みながら何かしら話して(全く覚えていません)、誰かと行く旅にハマったのはあれが最初だったなあと今からすれば思います。と同時に、当時は結構わがまま言ってたなあと恥ずかしい気持ちにもなったりなんかして。行程にフェリーを捩じ込んだのは私の趣味でしたし、誰も知らん音楽を車で流したり。ただただ嫌な奴だったのではないかと今では思います。
でもそんなメンバーともう一度旅をすることになりました。
同年3月、もう一人の同僚F氏を加えての伊豆大島旅でした。当時島旅の魅力に取り憑かれていた私が伊豆大島を激推しして、ペットが泊まれる貸別荘を発見したことで話が進みました。念願の船旅、0日目の夜は船で酒を飲み、翌朝大島温泉にみんなで浸って島を一周、危うくお昼ご飯を食いっぱぐれるギリギリのところでお昼を食べ、夜は貸別荘でBBQ。オフシーズンだったこともあってM氏のペットを外で遊ばせることもでき、本当にいい旅になったんですね。
(余談ですが、この時のメンバーのうち今でも親交があるのはF氏だけです。あとのみんなは綺麗さっぱり縁が切れました。人生ってそんなものですよね)
この2016年の立て続け旅行が、私の旅に対する価値観を大きく変えることになりました。冒頭のインターハイ旅行も2016年で、本当に大きな転換点です。思い返せば、この時の旅行は本当に楽しいことしか覚えていません。不思議なものですね。
その翌年には両親へのプレゼントという形で伊豆大島を再訪し(この時はあまりいい思い出ではありませんが)、さらに2020年3月、コロナの中で一瞬だけ規制が解除された隙を突く形でまた別の同僚と伊豆大島を再訪しました。何度行ってもあの島はたまらないですね。
修学旅行の引率をするようになったのがその後だったのは偶然とは思えないでいます。2022年にコロナで高3に延期になった修学旅行と、自分の学年の修学旅行の両方を引率して年2回修学旅行に行く経験をするとは今になっては信じられないですね。面白かったですが何をやっているんだろうという変な後ろめたさがありました笑
誰かといると何かが起こる。だから面白い
ともあれ、気がつけば「誰かと一緒の旅行」に楽しみを感じられるようになり、逆に一人の旅行には戻れなくなりました。何度か一人で旅行したことはありましたが、大体が旅先の知人と会っていましたし、本当に一人旅だと寂しさが勝ってしまうんです。病気退職した後に秋保温泉と八丈島に行きましたがこれもなんだかぼんやりした印象になっちゃって、今これを書きながら秋保温泉の旅行のことを思い出したくらいには印象が薄くなっています。そういえば行ったわ。
そして私の一人旅は、びっくりするくらいトラブルにあったことがありません。電車や飛行機の遅延もほぼなくて(一度新島行きの船が引き返したくらい?)、国外に出たこともなかったので、トラブルらしいトラブルに遭わずにここまできてるんですよね。元カノの旅行トラブル話をたくさん聞いていたので一緒に旅行したら何か起こるかと思ったけどそれもなくて。
そうした「何も起こらなかった」からこそ記憶に残らなかったりするのかなって。誰かと旅行していると、特にグループ旅行だと一人くらいしょーもないことをする人が現れるもので、それが楽しめれば勝ちみたいな感じなのでしょうねきっと。
でもそれは、面倒な出来事を楽しめるようになったからこその価値観でもあるのかなって思うんです。
と考えると結局、心が狭かっただけだったんだって思うんです。面倒ごとが嫌で一人が好きって言っていただけ。食わず嫌いをしていただけなんですね。家族旅行は高校くらいまでは毎年のようにしていましたが、釣り旅行だったので自由はなかったんですよね。楽しくなかったということはないんですけど、あれを旅行としてカウントできない自分は間違いなくいる。釣り旅行は一番遠いところで秋田まで行っていたので、旅に対する度胸というか、遠くに行くことに対する免疫がついたことだけは感謝してますけどね。
ただ、先述した通り誰かと旅行に行くのは何かしら印象に残って楽しいことばかり覚えているのですが、家族との旅行でいい思い出が一つもないのはなぜなのでしょうね。この辺もいずれ掘っていけたらと思ったりしています。
終わりに
以上、私の旅行の話でした。
なんと言いますか、「行こうよ」と言ってくれる人がいるのなら、めんどくさがらずに一度身を投げ込んでみると、新しい観点に出会えると思います。相手の視点も知ることができるし、やっぱり人と話すと新しい価値観が見つかりますからね。それがいいか悪いかはその時。どうせ一度きりなんですから、ほんの砂粒くらいでも行きたい気持ちがあるなら乗っかってみたほうが面白くなると思います。
伊豆大島行きたいなあ。
あの貸別荘、次は誰と行くんでしょうね。
あ、ちなみに貸別荘はこちらです。10人まで泊まれます。めちゃくちゃいいところなのでおすすめします。周囲に人家がないのでのびのびできますし、道一本挟んで海です(浜ではありません)。風がなければBBQもできるし、きれいな夕日と東京では味わえない星空をお楽しみください。予約の段階で手書きの書類を送らなければならないのと、島のスーパーの営業時間はかなり短いのでそこだけ注意。
ちなみに三度目の伊豆大島の時、夜のBBQで朝ごはん分まで食べ尽くしてしまい、翌朝は港で一軒だけ朝から営業しているお店で食べたりしました。今もやってるのかな?
金曜夜10時に竹芝出港、語らいながら寝に入って、翌朝5時に大島に着いて、レンタカーで30分駆け上がって大島温泉で朝風呂と朝ごはんを決める。最高の休日の始まりを経験できますよ。
ここまで読んでくださった皆様に、素敵な朝日が昇りますように。
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12月15日(日)10:00〜17:00、大宮にて朗読劇ワークショップを行います。講師に声優として朗読劇やボイスコミックで活躍された中村優里さんをお招きし、その日集まったメンバーで身体を動かしたり、簡単なゲームをしたり、セリフを読み合ったりします。そうした活動の中で、誰かの素敵なところをたくさん発見し合い、伝え合いましょうというワークショップです。中学生以上であれば誰でも参加OK。目の前にいる人のいいところを見つけるのは宝探しみたいで楽しいですよ!
参加申し込みはこちらのフォームから!
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