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夫婦アカデミー賞2024|#夫婦アカデミー賞

こんにちは、ヒヅメです。

毎年夫婦でやっているイベント「夫婦アカデミー賞」2024年版を更新します。

映画を観終わったあとに「よかったねー」みたいな会話楽しいじゃないですか。あれの総決算を1年に1回くらいやりたいなということで、我が夫婦では「夫婦アカデミー賞」なるイベントを毎年開催しているのです。

なんかそうすると「さらに語りたい欲」が出るじゃないですか。でも観た映画が古かったり、Netflix落ちした準新作だったりすると、いまいち話題を共有しにくいんですよ。映画好き!ってほど映画フリークなわけでもないし。

そういう中途半端な欲求をnoteで埋めていく記事です。


夫婦アカデミー賞のルール

夫婦アカデミー賞は以下のルールで行われます。

  • 対象:2024年に夫婦で見た映画(新旧問わず)

  • 賞:作品賞、監督賞、主演男/女優賞、助演男/女優賞、作曲賞、新人俳優賞、オープニング賞、映像賞⇦NEW!、西島賞⇦NEW!、個人賞⇦NEW!

  • ノミネート数:各賞夫婦それぞれ3作品ずつ

  • 受賞方法:夫婦で同一の対象をノミネートした場合それを受賞とする。複数ノミネートがあった場合は夫婦の協議により1つを選ぶ。

なお、アニメーション賞は大賞作品が少なかったので今年は除外しました。

夫婦アカデミー賞2024 全部門ノミネート作品

最優秀作品は一番上に太字で記載。

作品賞

  • 雨に唄えば

  • 十二人の怒れる男

  • 96時間

  • 時計じかけのオレンジ

2024年は、私達夫婦がUNEXTに加入してしまったせいで、これまで見れなかった過去作品が目白押しとなりました。夫婦で映画を観るようになって数年、過去の名作というものにも手を出してみようと徐々に観始めましたが‥やっぱりめちゃくちゃ面白いですね。
作品賞は夫婦で唯一被った「雨に唄えば」。昨年の作品賞が「RRR」でしたから、私達夫婦は大衆向けミュージカル映画の最高傑作に非常に弱いようです。「雨に唄えば」はアクションこそ無いものの、ダンス一つ一つがアクションのようで飽きさせず、ずっと引き込まれていました。

監督賞

  • スタンリー・キューブリック(博士の異常な愛情)(時計じかけのオレンジ)

  • ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン(雨に唄えば)

  • デイミアン・チャゼル(セッション)

  • J・A・バヨナ(雪山の絆)

  • ロナルド・ニーム(ポセイドン・アドベンチャー)

過去作品を観ていてよく思うのは、こんな完璧な映画を作る人はさぞかし怖い人なんだろうなということです。しかも人権も法令順守も今より薄い世の中で、しかも映画界。まあ怖さというか、素晴らしい作品ゆえの徹底っぷりというのは今も昔もきっとそうなのでしょう。スタンリー・キューブリックは夫婦で別作品を挙げたものの2票ということで受賞。

主演男優賞

  • リーアム・ニーソン(96時間)

  • ジーン・ケリー(雨に唄えば)

  • ヘンリー・フォンダ(十二人の怒れる男)

  • ピーター・セラーズ(博士の異常な愛情)

  • マルコム・マクダウェル(時計じかけのオレンジ)

  • 神木隆之介(ゴジラ-1.0)

久しぶりに一致無しの乱立状態。そらそうですよ。こんなの優劣付けろってことがそもそも無理な話で。妻のごり押しでリーアム・ニーソンに決まりましたが、確かに一見冴えないおじさんがはちゃめちゃカッコイイ、しかも質実剛健風だけどスタイリッシュという、これまで僕が観た中ではありそうでなかった主人公像を演じきってくれた点をとっても受賞に相応しいと思います。

主演女優賞

  • 大沢一菜(こちらあみ子)

  • アネット・ベニング(ナイアド)

  • レオニー・ベネシュ(ありふれた教室)

男優賞に比べ、女性主人公の映画が少なかった本年。「こちらあみ子」のうっすらとずーっと怖い世界を乗り切ってくれた大沢さんが受賞。レオニー・ベネシュと迷ったのですが「こちらあみ子」は大沢さんでなければ全く違う作品になっていただろうと思わせる絶対的な魅力を感じました。

助演男優賞

  • アンソニー・クイン(道)

  • 若葉竜也(市子)

  • J・K・シモンズ(セッション)

  • アーネスト・ボーグナイン(ポセイドン・アドベンチャー)

  • シャルル・ヴァネル(恐怖の報酬)

  • ライアン・ゴズリング(バービー)

主演に続き助演も夫婦で重複無し。毎年一番悩むのがこの助演男優賞なんですよね。素敵な人たちが多すぎる。今回受賞のアンソニー・クインが演じるザンパノは、優しいのに粗暴で不器用な、生まれた環境が厳しい流しの曲芸師なのですが、今よりずっと貧しさが身近だった時代ならではの、演技力を超えた表現力に軍配が上がりました。道‥すごいですよ。

助演女優賞

  • ジョディ・フォスター(ナイアド)

  • ジュリエッタ・マシーナ(道)

  • 黒木華(ヴィレッジ)

  • 杉村春子(東京物語)

  • シャーリー・マクレーン(チャンス)

改めてみると「様々な変な女一覧」と言えなくもないような。ジョディ・フォスターはヤバい女主人公をサポートする「まとも風な」ヤバい女という非常に難しい、けど「いるいる!こういう女性」というのを堅実に演じてくれていたと思います。ジュリエッタ・マシーナは「こちらあみ子」よりも半世紀昔の作品ですが、よくまあ知的ボーダーな子供をこの時代でここまで演じきれたものだと思います。黒木華も目立たない、一見悪女とバレない悪女をやらせたら国内若手ナンバーワンじゃないですかね。いやあ全員魅力的で映画に華を添えてくれました。

※ジュリエッタ・マシーナは助演女優と勘違いしたヒヅメがノミネートしましたが、主演だったようです。

作曲賞

  • 雨に唄えば

  • ティファニーで朝食を

  • バービー

  • ロブスター

  • 太陽がいっぱい

雨に唄えばの音楽の使い方は本当に楽しいです。やはり映画で「音楽を頑張ろう!」となればこういう使い方を目指すのが本流だと思います。その中で妻が挙げたロブスターはちょっと異色というか、音がもたらす演出という点でいい視点だなあと思わされました。

新人俳優賞

  • アラン・ドロン(太陽がいっぱい)

  • フランキー堺(幕末太陽傳)

  • アディル・フセイン(ガンジスに還る)

  • マルコム・マクダウェル(時計じかけのオレンジ)

  • アンソニー・クイン(道)

アラン・ドロン作品を初めて観ましたが‥さすがにカッコいいですねー。なんというか、太陽がいっぱいでしたよ。華やか。それでいて底抜けのおバカというか、憎めない感じが凄く良いです。その真逆としてフランキー堺の熟練な動作は凄く心地良いですね。アディル・フセインは、いわゆるボリウッド映画とは違う、凄く日本的な演技をされる俳優さんでした。世界はまだまだ広いですね。

オープニング賞

  • ありふれた教室

  • 雨に唄えば

  • 十二人の怒れる男

  • 博士の異常な愛情

  • 時計じかけのオレンジ

夫婦アカデミー賞オリジナル部門。「名作は最初の5分でもう面白い」という会話をしたのがきっかけで設立。優秀なアバンタイトルやオープニングを有した作品を称えます。

「ありふれた教室」のオープニングは、非常に丁寧に作られた画面やセリフで静かに始まります。近年はまず観客の心をつかむシーンから入るのが名作の鉄則ですが「パラサイト 半地下の家族」のように静かで一見説明的ではないオープニングでも、観客にその世界の雰囲気を的確に伝えていくと心地よいオープニングになります。そういう意味で「十二人の怒れる男」は僕としてオープニングの最高傑作なんじゃないかと思っています。よくあんな大量の登場人物を、ワンカットで、しゃべりだけで、きれいに観客の頭の中に入れ込んでくるもんだと驚愕しました。

映像賞

  • ガンジスに還る

  • 東京物語

  • 時計じかけのオレンジ

  • 晩春

  • 太陽がいっぱい

夫婦アカデミー賞オリジナル部門。今年から設立。やはり映画ならではの「綺麗な映画だったなー」っていうのも表彰したいじゃないですか。

初受賞作品は夫婦一致で「ガンジスに還る」。この映画は、同じくノミネートされている小津安二郎作品を彷彿とさせる一枚絵の美しさが際立っていました。まるで西洋の絵画かなと思わせる構図と光の陰影の中で、登場人物がバタバタと人間模様を演じる姿は非常に心地良いです。小津安二郎もに作品ノミネートされていますが、小津安二郎のような美しさを、カラーでここまで表現しきったというのも発展性を感じられて面白かったです。

西島賞

  • 雪山の絆(映画というより遭難記録映像)

  • 西部戦線異状なし(なんで死んじゃったんだよ賞)

  • 恐怖の報酬(命の儚さ賞)

  • 市子(プロポーズが素敵)

  • ゴジラ-1.0(死んだわ‥の表情)

  • 時計じかけのオレンジ(ラストの咀嚼シーン)

夫婦エミー賞から移籍してきたオリジナル部門。脚本や演出を超えた演技が発生することを「ドライブ・マイ・カー」の主人公(西島秀俊)が「二人の間で何かが起きていた」と評したことから西島賞として設立。優秀なシーンを生み出した俳優たちを称えます。

「雪山の遭難」は辛そうでしたねー。「八甲田山」もそうですけど、雪山の撮影って過酷ですし、過酷であるがゆえに演技を超える瞬間ってあると思うんですよ。もはや映画というより遭難記録映像または遭難観察ドキュメンタリー映画とでもいうような迫真の演技でした。

個人賞

  • 宮松と山下(香川さんの演技の最高傑作)

  • THE MONDAYS(今後の邦画が目指すべき道筋を示した)

  • 龍が如く 劇場版(北村一輝よく頑張った)

  • 東京物語(今はなきあの頃のお母さん)

  • 黄龍の村(おびんたわら様お前かい)

  • 60ミニッツ(休憩という概念をアクション映画に導入)

  • 西部戦線異状なし(カットがかっこよすぎる)

  • ゴジラ-1.0(佐々木蔵之介の演技がやっちゃってて良かった)

  • ポセイドン・アドベンチャー(仕事出来すぎなのにかわいそう)

  • 首(為やん‥)

  • 大学は出たけれど(途中なのに映画として完成されている)

  • ロブスター(親に失礼だろ!がその通り)

夫婦エミー賞から移籍してきたオリジナル部門。やはりたくさん作品を観ていると「受賞はしなくても一言称えたい!」っていう作品が出てくるので今年は設定してみました。

例えば「THE MONDAYS」なんて例年なら作品賞だってノミネート圏内だったと思うんですよね。日本人だからこそ成り立つ日本の映画って感じが良いです。近年のインド映画が自分たちの文化の特異さ面白さに気付いてそれを映画にしているように、邦画もゴリゴリのローカルを極めていけばいいなと感じました。「宮松と山下」の香川照之も良いですね。イロモノを自ら楽しんでいるタイプの俳優さんかと思いますが、こういう演技をしてくれるのを待ってました。さすがです。

あとがき

昔映画好きの友人がやたらと過去の名作を持ち出して「〇〇は素晴らしい」みたいなことを言ってるのがなんか苦手でした。「そんな古い映画持ち出して、うるせーやつだな」みたいな。ところがですね、過去の名作はやっぱり名作なんですな。なぜかというと、過去も駄作が毎年五万と生み出されてきた中で、今日も語り継がれる珠玉の一作だからなんですよ。選び抜かれまくり。今年は白黒映画も多かったし、中にはサイレント映画まで観ちゃいましたけど、まあびっくりするほど色褪せない面白さ。加えて昔の映画は今のルールとは異なる演出も多いのでびっくりさせられ具合も楽しいです。あと「道」のようなその時代を描いたものは、演じる俳優も制作側の人間もその時代に近い世代の人間なので迫力が違いますね。最近はデジタルリマスター版も多いので映像も音声も綺麗な状態で観られるので本当に感謝です。さて来年は何を観ようかな。

2024年に観た作品一覧

(順不同)

  1. ヴィーガンズ・ハム

  2. スーパーマリオBROS

  3. 黄龍の村

  4. 雨に唄えば

  5. THE MONDAYS

  6. 60ミニッツ

  7. 宮松と山下

  8. アメリカン・フィクション

  9. バービー

  10. 晩春

  11. 市子

  12. village

  13. こちらあみ子

  14. ゴジラ-1.0

  15. ナイアド

  16. 正欲

  17. 十二人の怒れる男

  18. FALL

  19. ロブスター

  20. 雪山の絆

  21. ティファニーで朝食を

  22. コンクリート・ユートピア

  23. カラオケ行こ!

  24. ポセイドン・アドベンチャー

  25. 時計じかけのオレンジ

  26. 大学は出たけれど

  27. 96時間

  28. セッション

  29. 西部戦線異常なし

  30. 幕末太陽博

  31. 俺たちに明日はない

  32. 東京物語

  33. ありふれた教室

  34. 恐怖の報酬

  35. 博士の異常な愛情

  36. チャンス

  37. 龍が如く

  38. 太陽がいっぱい

  39. ガンジスに還る

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