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【Google 広告】指名キーワードの配信を検討すべき12の理由

■検索広告における指名キーワードとは何か?

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一般的に"指名キーワード"とは、自社のサイト名・自社の固有サービス名・商品名・会社名といった固有キーワードを指します。指名キーワードと同じ意味で、ブランドキーワードと呼ばれることもあります。

弊社ギャプライズの場合は、「ギャプライズ」「GAPRISE」が指名キーワードに該当します。弊社の運営するウェブメディア名「MarTechLab」「運用型広告研究所」も広い意味では指名キーワードに含みます。

これらのキーワードは、そもそもユーザーから"会社"や"自社の固有サービス名/商品名"の存在を認識されているという特徴があります。そのため「広告費用を負担してわざわざ広告宣伝する必要があるキーワードなのか?」という疑問をお持ちの広告主様は多いはずですね。


■「指名キーワードって意味あるの?」に対する答え

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広告主様から「広告費用を負担してわざわざ広告宣伝する必要があるキーワードなのか?」という質問された際に、皆様ならどう答えしていますか?

私が考える"指名キーワードを利用すべきケース"として、思い浮かんだものを12個箇条書きにしてみました。早速ですが私なりの意見として紹介してみたいと思います。

《機会損失:検索結果の上位を取得できていない》
■1.SEOで1位を取れていない(SEOの観点)
■2.検索広告で1位を取れていない(広告の観点)

《情報探索:ユーザーが知りたい情報に辿り着けていない》
■3.指名で表記ゆれが起こりやすい
■4.ログインページに辿り着けない(UXの観点)
■5.柱となるサービスが複数ある(UXの観点)
■6.セール情報に辿り着けない(O2Oの観点)
■7.Googleマップから店舗に辿り着けない(MEOの観点)

《機械学習:指名コンバージョンのデータを役立てたい》
■8.スマート自動入札を利用したい(機械学習の観点)
■9.類似ユーザーリストを生成したい
■10.データを元にペルソナ分析に役立てたい
■11.間接効果を知りたい

《その他:ブランドを保護する》
■12.検索広告の結果が荒れている(ブランドセーフティの観点)



以下12個箇条書きにしてみたものを補足説明していきたいと思います。

《機会損失:検索結果の上位を取得できていない》

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SEMという言葉がありますが、SEMとは検索エンジンから自社サイトへの訪問者を増やすためのマーケティング手法です。
一般的には【SEM=SEO+検索広告(リスティング広告)】であるとされます。
実際に検索エンジンで指名キーワードを検索してみましょう。検索結果画面はどのような状況でしたか?
検索広告やSEOで自社サイトが掲載順位の上位を取得できていなければ、機会損失が発生しているかもしれません。このような場合は、指名キーワードの掲載順位を1位掲載になるように配信を検討すべきでしょう。以下2つのケースが該当します。

■1.SEOで1位を取れていない(SEOの観点)

「指名キーワードの検索結果において、SEOで上位を獲得できてない」といった状況では指名キーワードを検討すべきです。指名キーワードの検索ユーザーがもしたらサイトに辿り着けていないかもしれません。しっかりと指名キーワードを活用して足元を固める必要があります。 

■2.検索広告で1位を取れていない(広告の観点)

「検索広告上で、競合が検索広告を配信していて(掲載順位1位を取りに来ていて)競合サイトへ流れてしまっている」といった状況では指名キーワードを検討すべきです。
自社のユーザーが競合サイトへ流れてしまう可能性が高いので、積極的に検討すべきです。
現状問題なくても将来的に競合が広告配信してくる可能性もあります。先手を打っておくという意味でも検討すべきでしょう。

《情報探索:ユーザーが知りたい情報に辿り着けていない》

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検索結果の上位を取得できている場合でも、ユーザーが知りたい情報にスムーズに辿り着ける状況になっているか?ユーザーの気持ちになってみましょう。検索広告はほぼリアルタイムで「広告文・広告表示オプション・リンク先URL」の設定変更が可能です。議論が分かれるところではありますが、この特徴を利用して指名キーワードを利用するのは検討すべき価値があります。以下5つのケースが該当します。

■3.指名で表記ゆれが起こりやすい

「社名、サービス名の誤字が多く、ユーザーが誤った指名キーワードで検索していて自社サイトにたどり着けない」といった状況では表記ゆれキーワードの登録、部分一致による活用等を検討すべきです。
一度、検索語句レポートを確認してみてはどうでしょう。実態として表記ゆれがどこまでカバーできているか?確認できます。
Google広告やYahoo!広告の進化によって、表記ゆれのカバー範囲は広がったと言われます。
心配であれば先回りして「指名キーワードの表記ゆれキーワードを登録する・部分一致を登録する」といった対応も有効かもしれません。

■4.ログインページに辿り着けない(UXの観点)

「指名キーワードでサービスサイトのログインページを探しているけどなかなか辿り着けない」といった状況では指名キーワードを検討すべきです。広告を利用してログインページを見つけやすくするという変わった方法も取れます。
《活用例》指名キーワードのサイトリンク表示オプションでログインページを設定する etc
ログインページが見つからず、ユーザーが迷いに迷って何度も広告をクリックしているようであれば検討してみましょう。

■5.柱となるサービスが複数ある(UXの観点)

同じ指名キーワードでも「○○ x 買取」「○○ x 販売」といったように指名キーワードと掛け合わせキーワードの組み合わせによって、ユーザーが訪問したいページが異なる場合があります。この場合は、キーワードx広告のリンク先URLの設定を工夫することで利便性を高めることで対応したり、サイトリンク表示オプションを利用するのも一つの手です。
《活用例》
キーワード「○○ 買取」→広告リンク先URLは買取ページへ
キーワード「○○ 販売」→広告リンク先URLは販売ページへ
※○○には指名キーワードが入る

蛇足ですが、買取総合ページ側がSEO1位を獲得している場合は、販売総合ページを検索広告側で掲載順位1位を取得する。といったように《SEO+検索広告》の合わせ技を行っている広告主も見られます。

■6.セール情報に辿り着けない(O2Oの観点)

「CMでセールを知ったユーザーが指名検索しているのに、なかなかセール情報に辿り着けない」といった状況では広告を利用してセール情報への誘導を促す、といった活用事例もあります。
《活用例》
キーワード「○○ セール」→広告リンク先URLはセールページへ
※○○には指名キーワードが入る 

■7.Googleマップから店舗に辿り着けない(MEOの観点)

「Google マップ上で店舗の場所を地図検索しているユーザーが店舗ページを見つけられていない」といった状況では指名キーワードにてローカル検索広告の表示を狙うといった調整も狙えるケースもあるかもしれません。(珍しいケースだとは思います。)
《活用例》
指名キーワードでローカル検索広告を有効にしてビジネス情報を表示させる
蛇足として、実際にGoogleマップ上で「スキンクリニック」と検索すると大量に「○○(地名)スキンクリニック」が検索結果として表示されます。
指名検索された時にローカルビジネス情報に辿り着けるかな?と念の為、Google マップで実際に指名キーワードを検索しておきましょう。

《機械学習:指名コンバージョンのデータを役立てたい

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指名キーワードの性質上、コンバージョンデータを効率的かつ大量に収集しやすい傾向にあります。収集したコンバージョンのデータを参考にして、広告運用に活かせるという観点からも、指名キーワードの配信は有用性が高いといえます。以下4つのケースが該当します。

■8.スマート自動入札を利用したい(機械学習の観点)

「指名キーワードを配信した結果、より多くのコンバージョンから、より多くのシグナルを学習させることでスマート自動入札の精度を高める」といった目的でも指名キーワードは検討する余地があります。
特に目標コンバージョン単価制の導入にあたっては、1 か月以上の長い期間に 30 回以上のコンバージョン(目標広告費用対効果の場合は 50 回以上)を獲得していることが推奨されています。
指名キーワードの配信によりコンバージョンデータを収集して、学習効率を高めるという発想は有効だと考えられます。

■9.類似ユーザーリストを生成したい

類似ユーザーリストとは、元となるユーザーのリスト内の共通の興味関心や特徴を元に、類似する見込み顧客のユーザーリストを自動生成する仕組みです。自動生成にあたっては、精度の問題をクリアする必要があり、コンバージョンデータを始めとして、一定数以上の過去の配信実績データが必要となります。そのため、指名キーワードを配信してコンバージョン数を増やすことで【コンバージョン済みユーザーの類似ユーザーリスト】をより早い段階で自動生成されると予想されます。
特に議論が分かれるところではありますが、試してみる価値はあるかもしれません。

■10.データを元にペルソナ分析に役立てたい

データ収集目的で指名キーワードを配信して、指名キーワードから得られたデータを分析することで「これまで見えていなかった顧客像を捉える」「顧客の傾向の変化を捉えられる」といった展開も考えられます。
ロイヤリティの高いユーザーのペルソナを設定する際に、指名キーワードのオーディエンスデータ(年齢/性別/世帯収入)を参考にすると良いかもしれません。また、去年と今年でオーディエンスデータの傾向に変化が見られないか?比較分析する、といった試みも面白いと思います。指名キーワードから得られた情報を元に、キーワードや広告文を見直す、マーケティングに役立てられないか?検討してみてはどうでしょうか。

■11.間接効果を知りたい

Google広告の機能「検索アトリビューション」を利用すると、コンバージョン経路を確認することができます。他のキャンペーンで初回クリックしてから、後日指名キャンペーンでコンバージョンしたユーザーを把握することが出来ます。(これはキャンペーンパスと呼ばれます。)
また、YoutubeチャンネルとGoogle広告アカウントをリンク(連携)することで、「チャンネルの動画を再生したユーザー」が、指名キーワードにどのくらい流れてきたか?参考までに確認することも可能です。間接効果をすべて取得出来るわけではないので、過信は禁物ですが、一部参考にしてみてはいかがでしょうか。

《その他:ブランドを保護する》

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■12.検索広告の結果が荒れている(ブランドセーフティの観点)

「指名キーワードの検索結果で、悪質なPPCアフィリエイトによる広告出稿が行われていてブランド毀損のリスクが高まっている」といった状況が該当します。
PPCアフィリエイトは、効果効能の誇大広告、ユーザー心理を過剰に煽るようなLPが多いため、放置しているとブランド毀損に繋がります。
また、類似ケースとして「オーガニック検索結果が自社のネガティブな情報で溢れている」場合があります。ネガティブな情報に触れる前に、広告で正しい今の情報を伝えるといった、緩和策が考えられます。こちらも検討する余地はあるのかもしれません。

《おわりに》

「指名キーワードの配信を検討すべき12の理由」について触れていきました。もしも同じような質問を受けて回答に困った際には、ぜひこの記事をシェアして頂いて、クライアントと意見交換してみてはいかがでしょうか? 

樋爪(@yasuyuki_ad)のTwitterでも日々業務を行う中で得た気付きをツイートしています。

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