筑前国紀行 (24年9月)
今回は私の地元・福岡地区の旅です。関西に住んでいる親友が福岡に遊びに来てくれたので、地元民だからこそ知っている隠れスポットを含め、さまざまな場所を案内しました。
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1日目:今宿海岸 筥崎宮
2日目:能古島 生の松原(元寇防塁)
福岡県庁 大濠公園
3日目:柳川 二日市
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まずは1日目と2日目の筑前国の旅の思い出を綴りたいと思います。
[キーワード]
・西鉄バス・都市高速・福岡市営渡船
・井手ちゃんぽん・博多ごまさば屋
今宿海岸
博多駅で友人と合流して向かったのが、福岡市西区の今宿です。福岡市地下鉄空港線とJR筑肥線は直通運転を行っており、博多駅から乗り換えなしで行くことができます(ただし地下鉄一日乗車券を使用する場合は、姪浜からの運賃を別途払う必要あり)。
筑肥線には私も乗る機会が少ないため、窓から見える海にドキドキしていました。
あっという間に今宿駅に到着。
駅のすぐ北側の海岸へ。
博多湾を眺めながらお昼を食べました。
またここ今宿は、明治大正期の婦人解放運動家・伊藤野枝の故郷でもあり、彼女のデビュー作『東の渚』(『青鞜』に掲載)はこのあたりの海岸の風景を詠んだものとのことです。
伊藤野枝は近年再び脚光を浴びており、長垂海浜公園に『東の渚』の詩碑を建てようというプロジェクトが始まっています。
筥崎宮
次に向かったのは筥崎宮。中洲川端駅で空港線から箱崎線に乗り換え、箱崎宮前駅で降ります。
実はこの日は放生会(ほうじょうや)期間中で、人混みが苦手な場所が苦手な私は行くのを躊躇していたのですが、友人に筥崎宮を紹介したかっため頑張って行くことにしました。
参拝を済ませ、放生会期間限定で公開される楼門の中へ。
実は私もこの中に入るのは初めてで、興味深いものをいろいろ見つけました。
筥崎宮名物のおはじきやちゃんぽんの展示もありました。
境内では蒙古襲来に関する遺蹟を多く見ることができるので、いずれ紹介したいと思います。
そしてこの日の夜は、中央区警固にある鰻屋さんへ。一足先に柳川気分を味わいました。
能古島
2日目のメインは能古島。私も初めての場所です。
まずは朝8時に博多バスターミナルを出発する312番能古渡船場行き西鉄バスに乗ってフェリー乗り場へ。
40分で終点・能古渡船場に到着。この路線に乗るのは私の一つの夢だったので、この時点で感無量でした。
乗船券を買って、少し周辺を散策。
福岡市営渡船「フラワーのこ」がやってきました!
船内には客室もありますが、ここはやっぱり外で景色を眺めたい…!
出航から10分で能古島に到着しました。
橋を渡ってバス乗り場へ…。
フェリーと路線バスの接続は非常に良く、渡船場到着から10分後にバス停を出発する便に乗ろうとしていたのですが、それとは別に臨時便が用意されており、5分ほど早く渡船場前バス停を出発しました。
島内の狭く曲がりくねった道を登ること10分、目的地最寄りのアイランドパークバス停に到着しました。
トトロに出てきそうな小道を抜けた先に…
文人・檀一雄の文学碑があります。
檀一雄(1912-1976)は本籍地が福岡県山門郡沖端村(現在の柳川市、北原白秋の実家の隣…!)というように福岡にゆかりが深く、最後はここ能古島で過ごしたそうです。
この場所からは海もよく見えました。
用事も済んだところで来た道を戻り、渡船場へ。
到着。運転士さんの技術にただただ圧倒された、短いバスの旅でした。
そしてフェリー乗り場近くにも檀一雄の文学碑があるということで、歩いて向かいます。
檀一雄の旧宅があった場所ということですね…。
フェリー乗り場に戻り、時間があったのでお土産屋さんで能古島らしいものを購入。
フェリーが来たので乗船。姪浜港へ…。
自分が博多湾上にいること、普段過ごしている福岡の街をこの場所から見ていることなど、とても新鮮に感じました。
到着…!片道10分ととても短いけれど、非常に心に残る船旅でした。
ちなみに、「フラワーのこ」の客室内には、刀伊入寇や蒙古襲来についての紹介もあり、かなりテンションが上がりました。
次の目的地へ向かうべく、渡船場前バス停へ。
愛宕浜営業所にはたくさんの西鉄バスが並んでおり、バスファンにはたまらないスポットでした(特に連節バスや復刻西テツバスなど)。
生の松原元寇防塁
能古渡船場から姪浜駅を経由して降り立ったのは、西区の小戸。佐賀県のソウルフードともいえる井手ちゃんぽんを友人にも食べてほしく、旅の行程に入れていました。正午少し前に店に着いて待ち時間なく入れたのですが、その後店内はすぐに満席となりました。平日でこれは、やはりすごい人気店なのですね…。
ここのちゃんぽんの魅力はたっぷりの野菜にとんこつ風味の美味しいスープ。並盛でもボリュームがすごいので、今回は小盛にしました。それでもお腹いっぱい…!
エネルギーを補給したところで、明治通りを西へ歩き着いたのはこちら。
そう、元寇防塁のある生の松原です…!
博多湾岸には蒙古襲来時の石築地(防塁)が所々に残されており、それを当時の姿に復元したものがここ生の松原地区の元寇防塁です。
岬に立って見る松原はこんな感じ。
この日は9月半ばなのに気温33度を超えるというものすごく暑い日だったのですが、ここは海風があり松の木の日陰もあり、とても涼しく居心地が良かったです。
松原を少し西へ行くと、突然鳥居が。
実はこの奥の下山門に壱岐神社があり、そこの一の鳥居なのです。参道の先には海…!すごい絶景です。
名残惜しいですが博多湾とはこれでお別れ…上陸して神社へ。
生の松原の地名の由来は神功皇后だったんですね…!
バスで姪浜駅に戻り、天神へ向かいます。
赤煉瓦文化館・県庁・大濠公園
姪浜駅から都市高経由のバス(526番)に乗って天神北で降り、天神の端っこへ。
到着したのは福岡市赤煉瓦文化館。
日本生命保険九州支店として建てられたもので、設計は辰野金吾ら。中洲から天神に向かうバスから見える建物で、ずっと気になっていましたが入るのは初めてです。見学は無料。さっそく中へ。
明治時代を感じられるデザインですね…。
現在は、一部の部屋を文化活動等で使用することができるそうで、この日も多くの人が利用していました。
水鏡天満宮の横を通って昭和通りから明治通りに出、バスで東へ向かいます。ちなみにここにはあのアクロス福岡もあります。
そして到着したのは博多区にある福岡県庁。
ここの11階に、誰でも無料で入ることのできる展望フロアがあるのです。
西側展望室からは博多湾。
東側展望室からは大野城方面。
カフェも併設されており、街を眺めながらかき氷を頂きました。
せっかくなので東公園の亀山上皇にご挨拶。
やはり「敵国降伏」ですよね…!
県庁前からバスに乗り、再び天神方面へ。福岡城の横を通って…
着きました、福岡市民の憩いの場・大濠公園です!
大濠公園の歴史は黒田長政の福岡城築城に始まり、昭和初期にここで勧業博覧会が開催されたことをきっかけに公園として整備されました。池の周囲の歩道はランニングコースにもなっており、パラ陸上のメダリスト・太宰府市在住の道下美里選手の練習拠点としても有名です。
観月橋を渡って浮見堂まで行ってみました。
ちょうど良い時間になってきたため、夕食を食べに中央区舞鶴へ。
お目当てはここ、博多ごまさば屋です。以前食べたごまさばがとても美味しく、気に入っているお店です。
どのメニューも美味しそうなのですが、私は選びきれず前回と同じごまさばを。友人は刺身定食にしていました。無料のアジの南蛮漬けもあります。
安い値段で美味しい海鮮を食べられるとだけありかなりの人気店で、お昼は開店前から行列ができます。平日の夜はそこまでありませんが、開店時刻に行かないと多少待つことになります(夜は予約もできるようです)。なお、日曜日は基本定休です。
お腹がいっぱいになったところで、私たちは宿へ。
西鉄福岡(天神)駅から特急列車に揺られること50分…
柳川に到着しました!
50分と聞くと遠いな…と感じるかもしれませんが、特急だと停車駅が少なくかなりのスピードで走るので、乗っているとあっという間です。ただしラッシュ時はかなり混雑するので、座りたいのであれば始発駅からでも早めにホームで並んでおくことをおすすめします。
※西鉄電車はどの種別の列車でも運賃のみで乗車できます。
というわけで、次回は福岡旅行3日目・筑後国紀行をお届けします。お楽しみに!
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〈利用した公共交通機関〉
1日目 ・福岡市地下鉄(一日乗車券600円)
・JR筑肥線
2日目 ・西鉄バス
(福岡市内1日フリー乗車券1,200円)
・西鉄電車
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