自分で治そうと思っている人は治る
総合病院で働いていた時にいろいろと辛かったことはあったけれど、
よく覚えているのが、
膝がパンパンに腫れているおばあちゃん患者さんから、
「看護師さん、膝が痛くて、痛くて、どうにかしてください!」
と泣かれた時だった。
「じゃあ、痛み止め飲みますか?湿布しましょうか?」
としか、言えなかった。
その頃は、変形性膝関節症の方は、加齢のよるものだから、
手術するしかないと思っていたし、痛み止め、湿布でケアしていた。
だから、2012年に、天城流湯治法と出会った時は衝撃的だった😵
病院を退職した後、
『30年休みなく働いたから、1年間は好きなヨガを好きなだけして過ごそう!』
と決めて、ヨガのインストラクターの養成講座に入り、
週に5〜6日練習していた。
元々、右の股関節と足関節に可動域制限があるのに、無理やり、蓮華座を組もうとしていて、右の膝を痛めていた。
その時に、友人の勧めで、杉本錬堂師匠の痛みのワークショップに参加した。
20人くらいの方がいて、膝痛の方、腰痛の方、肩痛の方など、参加されていた。
錬堂師匠はどんどん、その方たちの痛みを楽にしていった。
膝痛なのに、膝の関節には触れずに、その周りの筋肉や腱を骨から剥がすように
緩めていくと、可動域が広がり、痛みも楽になっていった。
私の膝痛も、下腿の外側の腓骨の骨から、筋肉を緩めることで、楽になった!!
『膝痛なのに、筋肉を緩めるだけで簡単に楽になるんだ!!』と驚いた。
そして、錬堂師匠が教えてくれた。
「人に治してもらおうと思っていると治らない。
自分の身体を治すのは、1番は自分の手、2番が母の手、3、4がなくて、
5番目がセラピスト。
自分で治そうと思っている人は治る。
自分の身体をよく触ること。
自分の身体と対話すると身体が教えてくれる。」
『自分で治せるんだ!自分でケアできる!』
と聞いて、もうすぐに、習いたい、弟子になりたいと思った。
『私は痛みを訴えていた患者さんを楽にしてあげたかったんだな……』
と思う。
2012年9月に奈良県十津川村で開催された天城流指導者養成講座に参加して、
弟子になった。
最初は手技がなかなか出来なくて、先輩の弟子仲間に、根気よく教えてもらった。
その頃はデイサービスで看護師として、働いていたから、利用者の方のリハビリを
かねて、天城流湯治法で筋肉を緩めていた。
弟子になってから、9年が過ぎた。
今でも、なかなか、膝痛や腰痛が自分でケアできる、楽になるということを実感してもらえることが難しいことがある。
「自分でするより、マッサージしてもらいたい。」
「手が痛くて、自分で出来ない」
「その時は楽になるけど、自分ですると楽にならない。」
そうなんだけど、自分で自分の身体をケアしてあげることが一番大切なんですよ
と何度も伝えるけれど。
錬堂師匠は、
「粛々淡々と自分のすべきことをしていくだけ」といつも、言われる。
全然、良くならなかったと言われることもあるけれど、
40年前に手術してずっと痛くて、腫れてた傷跡が楽になったり、
乳がんの手術後にずっとつっぱり感があって、腕が上げにくかったのが上げれるようになったり、
半年、腰痛で膝を付いて、歯磨きをしていた同級生がスタスタ歩けたり、
そういうことがあると、天城流湯治法をもっともっと、知らない人に伝えたいと思う。
私自身が天城流湯治法で救われたから。
あの時、膝痛楽にならなかったら、ヨガのインストラクターになってなかったかもしれないし、身体もあちこち、悪くしていたかもしれない。
「歳のせいだから、もう、治りませんよ。」
と呪いをかけられた方に、諦めないで、
自分の身体を先ず、触れてみること、痛いところに触れてみることをして欲しい。
自分の身体は自分で治そう、楽にしよう。