【短編小説】王子様のおともだち
この国の王子には侍童という従者がつく制度がある。王子が七歳になった時に、父である王の側近の子弟から、優秀で近侍にふさわしいと判断された少年が選ばれる制度である。侍童は、少年時代は学友としてともに学びながら身の回りの世話をし、王子が成人してそれなりの役職を得れば、側近として政治に携わることになる。王子を支え、守る重大な務めであり、この上なく名誉のある仕事である。貴族はみんな我が子を王子の侍童にしたくてたまらない。侍童になれば出世街道間違いなしだと言われている。
このたび第一