ただいまを言いに、また来年も。
長崎県、新上五島町。
つい最近知った日本列島のほぼ西の果てにあるこの島は、とってもおもてなしの心にあふれた場所だった。
応援しているトレイルランナーの川崎さんが地元でレースを開催する。勢い余って参加を決めたが、そんなきっかけがなければきっと、この島のこともこの島の人たちのことも知らなかったのだろう。
そう思うと、なんだかとても寂しくなる。そのくらい、この島で過ごした2日間は濃密で、地元のような優しさと暖かさがある居心地のよい町だった。
新上五島町は、長崎県 五島列島の北に位置する人口約17000人の町。
島の特産は、さつまいもからできたかんころもちと、椿油を使ったトゥルトゥルの五島うどん。
そして何より鮮度抜群で脂の乗ったお魚たちである。
長崎空港から高速船で揺られること2時間弱。
フェリーにはステンドグラスとたくさんの椿が散りばめられ、るんるん気分の一方、船は風の影響を大いに受け、危うく酔いかけるところであった…(どこでも寝るくんなので睡眠でカバー✌︎)
島に着くとそれらしき人たちがたくさんいて、普段知っているレースとはまた違った規模感にソワソワ。多分あの人たちもみんな一緒だな〜と思いながら、港を後にした。
町民の底力を感じたおもてなしの前夜祭
待ちに待った前夜祭は、2日間のメインイベントと勘違いしてしまうレベルだった。(勘違いではなくそうなのかもしれない)
何より忘れられないのは、島の寿司職人たち。
ノリノリでお寿司を握る可愛さに、愛を感じずにはいられない。
なんせみなさん本業は違くて、この大会に向けてお寿司研修を受け、練習し、挑んでくれているというのだからびっくりである。
ノリノリの職人さんたちも、きっとおさかな愛にあふれた人たちなのだろう。バックサウンドの寿司食いねぇにノリながら、手際よく握る握る。
曲は違うが私のこころはおさかな天国や〜という感じだった。(おかげでレース中も頭の中では寿司会ねぇがエンドレスリピートであった。)
止まらない止まらない。結果、1kg増量しました✌︎
メニュー表も用意されていて、島のお店の美味しいご飯もたくさん!贅沢にも心ゆくまで堪能させていただきました。(かもめ亭さんのチキン南蛮もまた止まらぬおいしさだった…)
まさか山頂で食べれるとは
レースはというと、昨日の前夜祭を超える感動がまた待っていた。
コースは海沿いのロードを走り、番岳、浅子山を縦走し城山エイドを超え、番岳へ戻る約18kmのコース。
適度に苦戦しつつも、城山間にたどり着くとそこに見えたのは…
お す し !!!
(写真撮りそびれた〜)
山頂でお寿司とは、こりゃ聞いたことがない。
握りたてかつ、お寿司もつけてくれてびっくりするほど元気がでちゃう。
選手もみんなハイテンション。喜び大爆発である。
これはこれは忘れられない味…来年もまたいただきたい(!)
他にも、一口サイズで焼かれたかんころもちや(焼くとさらにもちもちで最高の補給食)、塩を美味しく感じられる絶品チーズケーキ『塩あんのう』など盛りだくさん。
近くにいた選手たちと、『んも〜さいこうっ!』と微笑み合う。(よき時間)
なんとか粘って、島の高校生やご家族、おじいちゃんおばあちゃんも元気に応援してくれたおかげでびっくりするほど楽しかった。いや、正直ほんとにびっくりした。こんなずっと楽しいレースは初めてかもしれない。
そしてゴールして待っていたのは、五島うどんと海鮮丼。『いくらするんですか?』と言いたくなるくらい豪華な品々を、無料で思う存分いただいた。
おかげで身体もこころも満タンに。
これでもか!最後の後夜祭
最後に待ち受けていたのは後夜祭。ここでも新鮮なお刺身が食べ放題であった。毎食お腹いっぱいまで食べてるはずなのに、手が進んだ。そして、天ぷらやカレーも本当に美味しかった🍛
おまけに
今回行った新上五島町は、とても自然豊かで文化も残った町だった。
車でドライブして行った奈良尾のあこう樹。
樹齢650年のこの木は、神社の鳥居の参道を開けるように幹が分かれており、木の幹から根を垂らしていてとても幻想的だった。生命力とパワーを存分に感じた。木が好きな我々にはもってこいだった。
島の至る所で見かけた椿。
なんと日本でも有数の椿油の産地らしく、あの有名なSHISEIDOのシャンプー、TSUBAKIにも椿油を提供しているらしい。ちょうど使っていたので親近感!
こんなに透明で、そこが見える海を見たのはなんだか久しぶりな気がする。
エメラルドグリーンの海は本当に綺麗で、奈良尾の温泉の方から見た真っ青な海もとても印象深かった。
サウナに入りながら、島出身の方々も『今日の海は青いね!』と日常を楽しんでいた。
そんなこんなで、素敵な出会いとご縁によって気づいたらまた来たいに変わっていたこの町。
次行くときは、ただいまといいたいナ!