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宇都宮健児氏、小池都知事に公開質問状でコロナ対策の責任を問う

 東京都知事選の終盤戦を迎えた7月1日、宇都宮健児候補は小池百合子都知事が進める都のコロナ感染症対策についての公開質問状を提出した。先月27日に実施された都知事選挙候補者のChoose Life project討論会で「都のコロナ対策はうまくいっているか」という問いに、小池知事はただ一人「○」の札を挙げている。しかし、宇都宮氏は都の対策には多々疑問があるとしており、その責任を追及していく構えだ。

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 宇都宮氏から小池知事への公開質問は8点ある。以下その要旨。

質問1「オリンピック開催の支障となるため、感染者数を低く抑えるよう検査件数を抑えていたのではないか」

質問2「東京アラート解除の翌12日に都知事選への出馬を表明した。発令と解除は、政治的都合を優先し、恣意的に判断されたものではないか」

質問3「現場の実態を把握した上で“必要な検査が行われている”と答えているのか」

質問4「なぜ、厚労省が求めるPCR検査体制についての回答を提出していないのか」

質問5「要請者数が増加する中、“十分な対策が取られている”という根拠は何か」

質問6「6月30日に公表した新たな指標が、数値基準を設けられていない。このようなやり方で科学的根拠に基づく対策がとれるのか」

質問7「歴代都政と小池知事は保健所の統廃合、人員削減を図ってきた。これについて“正しかった”としているが、今後は増やす必要があるのではないか」

質問8「オリンピック延期決定の前日、どのようなやりとりがあったのか。どのような指示をしたのか説明を求める。あなたは3月23日の時点でオリンピックが延期されることを知っていたのではないか」

 宇都宮候補はこれら8つの質問について7月3日午後3時までに回答するよう求めている。

 東京都知事選における最大の争点となっているのが新型コロナウイルス感染症拡大の対策だ。経済的な打撃が著しい中、宇都宮氏は今後の経済活動をしていく上でもPCRの抜本的な強化が必要と訴える。一方、小池知事は感染防止や公務優先を理由に街頭演説はせず、ネットを中心とした消極的な選挙活動のみを展開。これまで定例記者会見などで自身が行ってきた都政への評価を問われても、「都民が評価すること」として明言は避けている。

 宇都宮氏はこうした公開質問状の提出に踏み切った理由について、「本来ならテレビ討論などで議論したかったが、番組がないためこのような記者会見を行わざるをえなかった」と説明する。記者から期限までに回答がなかった場合の対応について聞かれると、「現在進行形で東京都としては最大の課題。回答できないわけがない。もし、これに回答できない場合は、私たちとしてはおかしいと思わざるをえない」と指摘。さらに、「数字を操作しているということがあったとしたら、やってはいけないことだ。情報公開という面から見ても大変な問題がある。政治家としての資質を疑う」と語った。3日の期限後には再び記者会見を実施し、経緯を公開する考えを示した。

 小池知事の姿勢を追及する声が高まる一方、有権者たちは、大手メディアが都政を検証する質問を十分にしてこなかったことに対しても多くの疑問を投げかけている。東京の未来を決める都知事選の中、問われているのは報道のあり方も同じだ。

 宇都宮候補が提出した公開質問状の回答期限までにどう回答するのか。今後の都政を占う意味においても、小池知事の責任を追及する手を緩めてはならない。

 


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