本音は言えないのに、高い化粧品は置いてきてしまった日
おつかれさまです。
こんなやりきれない日があった背景には、仕事の関係で半年、平日関西ホテル暮らしが決まりそうだったことがあります
わたしは都内に住んでいて、23区と山手線が大好きなんだけど、7月あたりから関西に常駐の可能性が少しだけ、でもずーっと浮上していまして、それがとうとう10月頭からになる!と関係各所に大騒ぎしていたんです。つい先週まで。
でも具体的にいつ行くとか、何曜日はいないとか、そういうことが見えていなかったんですね、だからこそそれをきっかけにしてこっちにいる間に遊ぼうとか、逆に関西に遊びに行くね、とか、そういう話をいろんな人としていたの
いま好きな人はそんなこと関係なくなかなか返信がなかったし、わたしも連絡をしていなかったんだけど、でもとうとう関西が目前に迫った頃、先週かなぁ、関西に行くことになったからよかったら会いたい、と連絡をしてみた。
そしたら日取りがすぐに決まって、でも、日取りがきまったその頃には、急に常駐の話がなくなってしまっていて(週に限られた日数だけ関西に行く必要があるだけで)、昨日彼の家に向かうときにはもう、なんだか嘘ついたみたいになっちゃったな、なんて思っていた
他の人には会った瞬間嬉々として「実は関西なくなったのー!」なんて簡単に言えるんだけど、そんなつもりなかったのにずるいことをしてまで会う約束を取り付けたみたいでどうしても言えなかった。
彼と一緒にいる時間は本当に楽しくて、そりゃ、もう何回か会っているから少しくらいは気になるところとか、タイプじゃないところだってあるんだけど、それでもまだわたしには、この人と付き合ってみたいなとモチベーションがある
本当なら、もしチャンスがあったら、下に書くようなことを言ってみてもいいかな、と思っていた
「わたしはあなたのこと好きなんだけど、どう思ってる?」
「本当に楽しいからもっとたくさん会ってみたい」
「仕事ってどんな感じで忙しいの?ごめーんと思いつつ事情知らないから気軽に誘ってみてるけど、気を遣ったりしないでね」
とか、頭の中では何度も会話済みのやりとりなんだけど、案の定、言えない。
唯一言えたのは「なんかわたしに気遣ってたりする?」ていうなんか嫌な感じの言葉と、仕事の感じを確認する質問と、それくらいだった
実はそれ以外の全然関係ない会話の中の、わたしの何気ない一言でやたらかわいいと褒められたりしたけど、そっちよりもその直後の「たまに女の子みたいなかわいいこと言うけどそんなの男に言ってたらだめだよ」っていう、もちろんネットとか漫画とかそういうノリが前提の"おもしろ注意"みたいなことを言われたことのほうがちょっとだけ気になっている
いちいち分解して咀嚼するようなセリフじゃないとわかっているのに、でも好きな人に言われた言葉は細部まで理解したいと思ってしまうし、でもどうしたって些細な言葉に深い意志なんてあるはずないのにね。
そのときにはたまにってなんだ、とか考えなしに言ったってことは本音ってことかい、とかそういう返しはできるにせよ、今考えられるのは月並みな"女の子と思ってないの?"とか、翻せば"(わたしからみて)適当な人にはかわいいところ見せないほうがいいよ"とか、しまいには"自分にだけ見せてほしい"っていう妄想とか。
意味がないので、書いたことでこの話はもう考えないようにします
いかんせん、元彼と別れて3年、好きな人ができていないから、この人なら少し気になることも受け止めたいと思うし何か事件が起きて別れることになっても、そうならないようにする努力をしたいし、そうなったとしてもそれまでの期間を大切に思ったり、そういう存在がわたしに芽生え始めていることを全力で噛み締めたいと思っているんです
だから正直に、好きっていうこととか、思っていることを言いたかったのに、どうしてか直近、セックスした話をしてしまった。これはだめだ、って1年前に学んだはずなのに!
それをトリガーに、直近かはわからないけど相手のそういう話も聞いてしまって、こんな切ない気持ちになるのはほとんど初めてだったし、なんで好意のある異性に異性の話をしちゃいけないのかを身をもって知った(この話は別でまた吐き出したい)
帰り際、「わたしはね」と言いかけた言葉も、ずっと思っている"本音"のうちのどれかを言うはずだったのに、タクシーで帰るところでそんな置き土産みたいな話で立つ鳥跡を濁すのはいやだとか、脊髄じゃなくて頭で考えてしまってだめだった。
そのまま無言でとうとう帰る準備をしてタクシーが来る来ないだのの話に変えてしまった
わたしのことを表現する、かわいいとかおもしろいとか自分史上でもなかなか話が尽きないとかそんな言葉から受け取るものには、きっとわたし単体の魅力で完結することもあれば、ふたりの時間を心地よく思ってくれていそうだという想像の余地を残すこともある。
思ったよりもスキンシップを取る方だった彼の手も腕も足もぜんぶずっとそこにあればいいと思うのに、時間が止まっちゃえばいいと思うのに、なのにこれを言えないのは、わたしが一生、散々苦手としてきた「嫌われたくない」「重く思われたくない」やつらの気持ちとまったく一緒だっていう答えしかなくて、相変わらず自分を客観視できていないのかと家に帰ってから少し泣いた
お酒も入ってたし、大好きな時間が終わっちゃうのがとっても寂しくて、せっかく会う前に買ったクレドポーのメイク落としをお家に置いてきてしまった
タクシーのなかで気づいて、もう夜中だったけど、「ほんとにごめん、もし会えたらもらいたいけど、でも最悪捨てちゃっても大丈夫」なんて慌ててLINEした。
彼の前ではまだ、関西に行く前提でその日を過ごしてしまったもんだから、本音だけじゃなくそれも言えてないことだけで嫌だったのに、昔ながらのアクセサリー置いてくるみたいなことになっちゃったのも嫌だった。
物理的にちゃんと置き土産するなよ、しかもそれで捨ててもいいよ、なんて、どういう女なの?この状況はさ
今日、会社の同期が捕まったので作業がてらの電話のなかでこの話をしたんだけど、いろいろと間違ってるねなんて言われてその通りすぎて、でも一番ありがたかったのは、関西なくなったから遊ぼう、なんていつ言ってもいいじゃん、て言ってくれたこと
明日から正直に思ったことを伝える第1歩に、まずは「関西の頻度が少なくなって、全然東京にいることになったからまたすぐ会いたいな!」くらいのことを入れておこうか。
どう?これってそのまま言っても大丈夫なの?1週間は寝かそうと思うんだけど