ふらっと沖縄④〈海洋文化館〉
ひとりで行動していると、自分の足が向くところ向かないところがはっきりしてきて面白い。どこで足を止めるのか、何にカメラを向けるのか。アルバムを振り返ると、自撮りは1枚もないのだった。
2日目の朝、存分に寝坊し朝食を済ませ、海洋博公園へ向かう。言わずとしれた美ら海水族館も、だだっぴろいこの国営公園の一部。水族館は誰かといった方が面白い。ひとりで行くならここ。
海洋文化館。以下、サイトより抜粋。
沖縄を含めた太平洋地域における海洋民族の歴史や文化を紹介する施設です。ここに集められた展示物は1975年に開催された「沖縄国際海洋博覧会」の際に作られたものであり、1970年代のアジア・南太平洋地域の海洋文化を現代に保存し、伝えています。
「海洋文化」とは、母なる自然の「海」と日々を生きる「人間」とのやりとりを通じて育まれた心のあらわれとも言えます。海の魅力に誘われ、人々は海と共に生きようとします。そこに海と人とを結ぶ「船」が生まれ、さらに、未知なる同報と行き来を求めるのです。
当海洋文化館では、このような海を舞台に繰り広げられる人々の交流、すなわち「海洋文化」について、その文化・歴史を紹介します。
南太平洋に位置するフランス領ポリネシア、通称タヒチもこのエリアに属する。海洋文化館は、高校の修学旅行で訪れた事があったけれど、タヒチアンダンスを勉強している身として、じっくり再訪したかった場所。
入館すると、まずタヒチの巨大なダブルカヌーと対峙する。1階エントランス、展示はこのカヌーのみ。飲まれるような存在感。背筋がぞくぞくし、飲まれすぎて写真に収められず。
2階へ上がり、広い展示エリアを片っ端からじっくり見ていく。
葉を編んだり、かごを持ったり、踊りにもよく登場する生活雑貨たち。
打楽器。右側のイプはフラでよく使われる。
タヒチアンの伝統的な衣装。
タトゥー=富の象徴と認識していたけれど、単純な一言で語れない様々な歴史背景を持っていた。一度弾圧を受け禁じられて以降、伝統を完全復活させるために尽力した偉人がたくさんいる。今現在も。これはタヒチアンダンスも同じ。
海や山、太陽、水、植物。自然の万物に神様が宿っているとされ、敬う精神が文化として根付いている。神様へ捧げる踊りがあり、楽器の演奏があり、食事があり。身につける衣類にも、タトゥーにも祈りがこもる。
今年2017年に公開された「モアナと伝説の海」。モアナが乗っていたカヌーと同じタイプの船。風を受け、ロープで帆の向きを調整しつつ航海する。映画のなかに織り込まれたたくさんのタヒチの伝統や航海術は、ここでも感じることが出来る。
タヒチ中心になってしまったけれど、太平洋の島々の交流によってもたらされた文化、海洋民族として見る沖縄、とにかく海にまつわる歴史がつめこまれた博物館。あっというまに時間が経っていく。歴史は大人になってからの方が面白いのはどうしてだろう。
プラネタリウムも観られる。KAGAYAさんの「銀河鉄道の夜」。北十字から南十時まで映像での旅。美しい、ただその一言。ずっと機会がなくて観られなかったプログラム、まさか沖縄で出会えるとは。
海洋文化館は
①混雑していない
②歴史がたっぷり勉強できる
③プラネタリウム見放題。
入館料¥170は安すぎる。