Bitter Sweets Paradise
普段だったら行かないようなところに行こう、というテーマで、スイーツパラダイスという甘いもの食べ放題のお店に行った。全くスイートではない組み合わせ、おしゃれなカフェより鳥貴族が似合う女2人組。
彼女とは元々、仲間内の夏旅行の際、年1回会うくらいの付き合いだった。夏の旅行は恒例になりすでに10数回を超え、いまでは夏以外にも会う仲になった。だけど、やっぱり夏に会うのがいちばんしっくりくる。
仕事も好みの音楽や男性や食べ物もまったく違うのに、ベースの性格がとても似ているので居心地がいいのだ。よくいえば旅人気質、悪く言えば根無し草。定着を嫌うくせに、執着に悩まされるところも。
彼女の長い恋愛がちょうど終わったところだったので、甘いケーキを次々に平らげながらも自然とその話になった。理想や夢がないわけではなく、ファンタジーが好きな点では乙女側なのに、会話が身も蓋もなくあけすけすぎる上に声もでかいので、私たちの席だけ場末の居酒屋風情を醸し出していた。キュートでポップな店内、kawaiiだけで会話がたやすく成立しそうな若い女の子たちに囲まれた異分子。そしてもう、生クリームを大量に食べられる時代は終わったのだと、疲れた胃袋が教えてくれた。
その後、旅仲間2号(男・志垣太郎似)が偶然オフでつかまり、2年前に「罰ゲームでもないのに茨城までバンジー飛びに行ったモノ好き3人組」が再結集。全員、服装が似たようなストライプだったので大爆笑。勢いでビッグエコーに入り、フリータイムで5時間歌い倒した。マンウィズ、山口百恵、バックナンバー、エレカシ、高橋洋子、ミスチル、真心ブラザーズ、中島みゆきととにかく飛ばしまくり、ウルトラソウルの大合唱でピークに達し、疲れ果て、ほぼウィスパーボイスになりながらWINDING ROADで締めた。満身創痍。空腹と喉の渇きを癒すべく沖縄居酒屋になだれこみ、沖縄に思いを馳せながらひたすらまったりと過ごす。
男女間に友情は成立するのか、という問いすら成立しない3人組。留守中の鍵はいくらでも預けられるし、逆もしかり。今日はもし死んだら分骨して海に撒いてほしいという希望も合致し、相談までした。お互いに出会った時より確実に歳はとっているけれど、信頼を積み重ねてこれた年月をありがたく思う。
それぞれに忙しいので、半年に1回集まれれば良い方だ。夏の旅行が今回流れそうなので、次に会えるときは、季節が変わっているか一周近くしているだろう。平成も終わってるかもしれない。いつ会っても、時間があいても、また今日の続きみたいに会えるひとたち。話す内容はまったく甘くないのに、一緒に過ごせる時間はいつも甘くあたたかい。