落胆


ぼくには想像したくないことが
世界にはたくさん落ちている。

悲しい気持ちに焦がれてるあの子
たくさん手を差し伸べた
綺麗な海、楽しいお店
楽しいねと笑いあった

それでも悲しみは消えなくて
たくさんプレゼントした
美味しいご飯、かわいい人形
もっと、もっと頂戴。

悲しみを理由に
欲深くなるあの子
もうあげるものはないよ
そう伝えると
もう「ぼく」はいらない、と。

ああ、ぼくはあの子の欲求を満たす
道具にしかなれなかった
ああ、ぼくはあの子の本性を
見抜くことが出来なかった

いつもそう、ぼくはばかだ。
なめられては、使われてをくりかえす。

どうしたら、人の悲しみから
目を背けることができますか。
どうしたら、目の前の人が笑わないのを
直視することができますか。

ぼくの前で悲しい顔をする子がいることが
許せなくて、悲しくて
優しくしてつけこまれて。
ぼくの人生は人に翻弄されてばかりで
あきれてしまう。

人に優しくすることは罪ですか?

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