正体
煙が揺らめいている
薄暗い部屋の傍ら
床に灰を散らす
酔いどれのMr.XXX
待受は若い女かと思えば
なんたるや老婆で
涙ながらに紡ぎ出す言葉に
思わず夢中になる
全員が彼を視線で覆い
死角ができたところで
本番(パーティー)が始まった
「どうやら雨が降り出したようだ」
亭主の一声で彼は立ち上がり
勘定をして立ち去った
湿りきった部屋を見渡すと
誰しも項垂れている
青ざめた人々は泡を吹いていた
慌てて店を飛び出しつつ
状況を整理した
全員がMr.XXXに殺されたのか
その筋が1番正しそうだ
とりあえず逃げないと
一目散に走った
ふと1台の車が留まり
窓ガラスへMr.XXXが笑いかけている
慌てすぎてすっ転んだ先
水溜まりがあった
そこにはMr.XXXが笑いかけていた