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ドネーション(寄付金)の嵐

学校のドネーション

小中学校には「学費」という名目の支払いは基本的にありません。
キャンプや遠足、行事への参加にかかる費用は請求されます。しかしドネーション(寄付)があります。ドネーションの金額は学校によりけりです。
デサイルと呼ばれる学校のランクが高いほど年間のドネーションは高く、低い学校はドネーション額が低いか、請求自体がありません。

デサイルが高い=学校の偏差値が高い
ではなく

デサイルが高い=学校周辺の住環境が良い
という事なので、デサイルが低い学校は貧困層が多く、寄付金の支払いは困難という図式になります。
なので、デサイルが低い学校ほど、教育省からの補助金が多く出ます。聞くところによると、授業で使うタブレットなども、全員分が無償でレンタルできるらしいです。
デサイルが高い学校は補助金の額が少ない為、不足分を保護者からの寄付金で補う必要があるという事らしいです。学費としないのは、寄付金だと税金のかかり方が変わるからだとか。
タブレットは数台レンタル用があるものの、基本的には持参する事を推奨されます。

うちの場合、小学校のドネーションは年間$280/1人ぐらい。中学は今年初めて請求されましたが、年間$370/1人でした。特に中学校はドネーションの内訳がある程度説明されてたのが良かったのです。
小学校、中学校共に成績表や普段の授業に関するレポートや学校との連絡ツールとしてアプリを使っている(使用アプリは学校により異なる)のですが、中学校が使用しているアプリは支払いの請求から決済までアプリ内でできるのが便利です。
ドネーションは義務ではないので、支払わないという事もできるのですが、アプリ内で請求がいつまでも残っているとプレッシャーを感じてしまうので、早々に支払いました。
学費と捉えると高すぎる金額ではないし、寄付金なので税金の還付を受ける事もできます。

学校のドネーションはこの年間支払いだけではなく、不定期に行われる「私服登校デー」でもゴールドコイン($1か$2)の寄付を求められます。
テーマはその時によりけりで、コインではなく物資の場合もあります。ここで請求される寄付は、学校ではなく小児がん基金だったり、最近だとサイクロンで被害があった地域への寄付だったりに使われます。慈善団体への寄付は、スーパーなどの入り口でやっていたり、自宅に団体のスタッフ(か、バイト)がやってきて募られる場合もあります。家とかに来るものよりは、気軽に寄付できる分、学校主催の方がありがたいかな。
あとPTA主催の寄付企画もあって、保護者から物資を集めてギフトボックスを作り、宝くじみたいにボックスの当選権を販売します。大体いつも1口$2ぐらい。
多分周囲の人は、親戚や祖父母、学外の友人などから募っているのだと思いますが、私は周囲に親戚がいないし、そういうのを友達に売るのは非常に苦手なので、いつも家族分だけ購入してお茶を濁しています。正直当たらなくていいから払いたくないって気持ちもあります。

でももっとキツいのがチョコレートのファンドレイズです。
もうすぐ中学校の方でこれが始まるんですが、NZのチョコレートメーカーに寄付用として申請すると、チョコレートバーを安価で仕入れる事ができる(多分そういう流れ)ので、それを各々が販売するのです。
大体1家族で1箱24個がベースとなります。1個$2で売るんですが、これもコロナ前は家に売りに来る子供がいました。購入する側だった頃は微笑ましくてつい買っていましたが、売る側となった今、絶対訪問販売はプレッシャーになるので、やるのも、子供にやらせるのも嫌だと感じます。
保育園でも小学校でもやってたので、多分NZ的にはファンドレイズの定番なんだと思います。夫の会社にチョコの箱を置いて、ファンドレイズの貼り紙作ったりもしてみましたが、意外と売れなかった。売れ残りは回収してもらえます。すごい家だと、1家族で4箱、5箱と売るとこもあるんですよね。セールスマンなのかな。
小中学校では、一番多く売った生徒の名前は集会で紹介され、チョコレートメーカー提供なのかわかんないけど、スクーターだったり自転車だったりちょっと良い商品がもらえます。商品かかってるとこも、すごく嫌。
中学校で救いだったのは、チョコレートを売るか、売らずに$24寄付するかという選択肢があった事。速攻で寄付してチョコレート販売の重荷から逃れましたが、売るか寄付かって選択肢もちょっと・・・どっちも拒否する選択肢もあったんですが、寄付そのものが嫌というわけでもないしね。
だから寄付じゃなく、「運営費として1家族$〇〇払ってください」って方がこちらもモヤモヤしなくていいんだけど、前述の通り寄付金の方が何かと都合が良いようです。

楽しいファンドレイズとしては、スクールディスコがあります。PTA主催でホールにDJを呼び、ディスコパーティーをするのです。参加費はゴールドコイン。子供も楽しいし、こういうのはいいなって思います。

学校以外の寄付金集め

ファンドレイズというのが寄付金を集める為に何かを販売する行為なんですが、学校以外(習い事など)でベーキングしたお菓子を持ち寄って販売したり、ソーセージシズルの販売もメジャーです。ソーセージシズルは、太めのソーセージと玉ねぎを食パンに挟んでケチャップ・マスタードなどをかけるチープ版ホットドックって感じです。ソーセージなどはファンドレイズ用と申請するとメーカーから安く購入できるみたいです。
大体1個$2、子供も大好物なので、見かければ購入します。
販売する側としても何度か参加しましたが、1個しか買わないのに$20出してお釣りを受け取らない人がいたりして、寄付文化が根付いてるなってのはすごく感じます。
大概みんな好きなので、売れなくて困るって経験もないです。

一番困る訪問スタイル

コロナ渦でストップして嬉しかったのが、訪問で寄付を募られるスタイル。
インターネットの回線の訪問販売や宗教の勧誘も面倒くさいけど、寄付が一番断りづらいというのもあります。ちなみに、訪問販売、勧誘、寄付いずれも去年ぐらいからボツボツ再開されてて辛いです。
夕方とかに来るから、居留守使いづらいんですよね。明らかに生活音してて車が止まってて、子供が大声で「ママ誰か来てるよー!」って言いますからね・・・。

寄付の種類は様々で、固有種の保護、環境保護、海の保護、山の保護、国内外の恵まれない子供達へ、盲導犬育成などなど。
話を聞いてしまうと、断りづらくなってしまうんですが、私は断るって決めてるのに説明聞いちゃうんですよね。頭ごなしに断るってのができない。
なんで断るかって言うと、この手の寄付は全て定期月額払いだから。毎月毎月、慈善団体に寄付できるほどお金持ちではない。そして、動植物の保護、環境保護、子供へのサポート、障碍者へのサポート、そのどれかから1つを選んで他を排除するという考え方もできない。
大体最低額が月額$30からだったと思います。絶対無理って金額ではないけど、1年で$300超えるとなると、子供が3人いる普通の家庭が出せる金額ではないかな。だったら毎月$30貯金するよね・・・。

学校主催の方が払いやすいってのは、その時払って終わりで、継続性がない支払いだからというのと、小銭でできるからってのがあります。
試行錯誤して断りの定型文を作っていたのですが、最近はその定型文を乗り越える猛者が現れて、困っています。「興味ありません」と言えたらいいんですけどね。説明してもらって興味ないじゃ悪いなぁ。でも最初に断るのもできないんだよなぁっていう、自分の悪いところがモロに出てしまうところも、訪問スタイルが苦手な一因です。
最悪は「私には自由にできるお金がないので、夫と話してください」と逃げる。そして「夫は夜まで帰りません」と言う。夜に再訪する人は少ないですが、たまにいます。なのでこの断り文句使うと、夫からは「自分で断ってよ」と言われ、不評です。

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