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父、腰骨骨折。要介護2へ。

一時期は、日本の夏を超えるのは難しいのかもと危惧していた父でしたが、無事9月の訪れを迎え、容体も安定しているようで安心していたところ、母から「父が腰骨を骨折した」との連絡がありました。

骨折の原因は、手すり付きのイスに座ろうとして、座面ではなく手すりに腰を下ろしてしまった事が原因のようですが、おそらくそうだろうって感じ。
日中から腰痛を訴えてはいたようですが、もともと腰痛持ちでもあった為、普段使用しているコルセットを巻いて就寝。
しかし、あまりの痛みに耐えきれず、病院嫌いの父が自ら救急車を呼ぶように頼んだそうです。

かなりビックリしましたが、母の日頃の介護疲れが心配でもあったので、入院する事になったのはかえって良かったかなと感じていました。
この時点では介護レベルは1か、要支援ぐらいだったと思うんですが、室内杖や車いす、介護用ベッドのレンタルサポートはあったものの、人的サポートはまだ入っていなかったので、単純に体が小さい母が父を支えるのが大変という事もありました。
加えて、トイレの失敗が増えた事などから、掃除洗濯などの回数の増加、父が心配なあまりの不眠と、けっこう母自身が心配な状況でした。

当初の予定では、骨がつながるまで(おそらく1ヵ月ぐらい)の入院でした。病院嫌いの父は当然帰りたがったのですが、医師を含め周囲からは、「この状態での介護は絶対大変」と反対されていました。
もちろん、私も反対でした。

しかし、入院した父は「もう自分は退院できない」と思い込んでしまったらしく、早く死ぬ為と称して食事の一切を摂らなくなってしまったそうです。
TVを見るわけでもなく、日がな1日天井を見つめる毎日。
食事をして体力をつけて、リハビリ始まったら退院できると話しても、「この状態で退院するのはかえって迷惑がかかる。早く死にたい」と言うばかり。

とは言え、病院で絶食しても栄養剤を点滴されるだけで、死ねるわけではないのですが・・・。
点滴はおとなしくされているので、わかっててアピールでやってるのか、これしかないと思ってやってるのか、ちょっとわからないところです。
病院側も、食べないのは自己責任って感じなのか「食べた方が良い」と言う話はするようだけど、食事食べてなくてもお膳下げちゃうらしいんですよね。
総合病院なので、肝硬変で受診しているのと同じ病院だったんですが、外科の先生はカルテの連携が取れていないのか、病状の説明を逐一母からしなければならなかったようですし。

その辺の病院への不満(とは言え、父のわがままもあるので何とも言えないけど)や父がかわいそうという気持ちが募り、母は入院2週間で退院させる事を決めました。
母の背中を押したのは、ケアワーカーさんとの会話だったようです。

市のケアワーカーさんは母の話を親身になって聞いてくださり、退院させたいという話をすると、すぐに介護認定の見直し、今の病状にあったベッドへの交換、巡回看護の手配など提案してくださり、「できる限りの事をしましょう」と言ってくださったそうです。
つまり、入院1週間過ぎぐらいからは、ほぼ退院に向けて動いていたと言っていいでしょう。

母から電話を受け、「退院したら、たとえ介護が無理となっても再入院の受け入れはしてもらえないと思うよ」と念押ししましたが、母の意思が固い事もあり、最後には受け入れました。
これが私がもっと近くに住んでたらね。いいんだけど。

父も退院を知るとパッと顔色を輝かせて、少し前向きになってきたそうです。
退院して最初の1ヵ月ほどは、毎日2回は巡回看護師さんや介護士さんが訪れ、おむつ交換や更衣介助、体調の確認などをしてくれます。
母はまだ仕事をしている為、母が不在の時にそういった事をしてくれるのがとても助かるのはもちろん、やはり成人男性のおむつ交換というのは、慣れていない人にとってはかなり体力を使うのだそうで、最初からその点はケアワーカーさんにとても注意(無理しない)されていたそうです。
もちろん、1日のうちで何度かは母がやらなければならない時もあるんですが、何回かだけでも誰かがやってくれるというのは、とても助かるらしいです。

また、退院時にかなり体重が減っていた事から、肝臓への負担より、まずは体力をつける為になんでも良いから食べたいもの、飲みたいものを口にしてよいとの事で、少しずつですが食事もできるようになってきました。(と言っても、1日に食べる量はまだ少量だけど)
入れ歯作り直しの為の歯科の先生も訪問できてくれるし、肝臓の方も訪問でお医者さんが来てくれるようになりました。
また、この訪問医師は入院時の病院とは異なるんですが、母にはこちらの先生の方が話しやすいようです。
訪問看護の方は、確か総合病院から手配して来ていただいていると思います。
骨折の方で総合病院に行く事もあるけど、介護タクシーってものがあるんですね。普通のタクシーより割高だけど、家を出るところから介助してもらえるので助かっているそうです。

今は看護師、介護士の訪問回数は少し減っていますが、その代わりリハビリ療法士の方が来てくれているようです。何より、母が相談したい時に、すぐにプロの方に話を聞いていただけるというのは、心の負担が大きく軽減しているように感じます。

また、この介護の様子ですが、毎日ネットでチェックできます。
私も家族専用のサイトから、訪問いただいた介護士さんや看護師さんからのレポートを読む事ができ、食事量や病状、会話の様子などを知る事ができるようになりました。

ここまでしていただいて、訪問看護師さん、介護士さん、リハビリ療法士さんには本当にお世話になっています。
お礼をしたいところなのですが、品物などは受け取ってもらえないそうです。
市のケアワーカーさんをはじめ、こういったサポートがなかったら退院させられなかったし、父も母も共倒れになっていたかもしれません。
いつかはめぐってくる親の介護問題。海外に住んでいる自分はどう立ち回れば良いのか、今も「自分の親の介護に直接関われない」という心苦しさはあるけど、助けられてなんとかなっているなと感じます。

私は周囲より親の年齢が上なので、この手の問題が出てくるのが早かったのもあるかな。
50代、60代の移住者の方だと、子供も成人してたりして、親の介護の為に帰国する人もチラホラ聞きます。

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