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消耗品だったオランウータン

上野動物園のオランウータンの
最後の一頭となったモリー

詳しくは下の記事を

それまでいたオランウータン達が
次々に他の動物園に移動して行く中
モリーが残されたのは〝高齢〟という理由

動物の移動には、たくさんの負担がかかる
檻に入れられ陸路、空路を行くわけだ

先ずは檻に入れるのに使われていた〝麻酔〟

麻酔を打つ事は動物にとってかなり危険だ

下の記事でモリーと一緒に紹介したジプシー

飼育下で世界最高齢という事で
日本だけでなく世界的にも名が知れる
オランウータンだ

ジプシーが亡くなったのは
2017年9月27日
推定62歳だった

ジプシーが亡くなった原因
それこそが〝麻酔〟だった

歯科治療のために打たれた麻酔
ジプシーは再び目を覚ます事なく
そのまま亡くなった

輸送のための麻酔
輸送中のストレスも大きな負担だが

生活環境の変化はそれが比でないほど
ストレスになる可能性がある
長年住み慣れていれば尚更だ

新しい環境への順応は
人間でも年老いて行くほど難しい

モリーの場合、結局12年の時を経て
多摩動物公園に移動したわけだが、、、

ズーストック計画を受け
上野からオランウータンが各地に移動して
モリーが1人になったのが1993年
当時41歳 野生の寿命に達していた

実は、上野動物園では、モリーを含め
32頭のオランウータンを飼育してきた

しかし

モリー以前に飼われてきたオランウータンは
数ヶ月〜長くて2年と
今では考えられないくらい短命であった
中には、来園して数日で亡くなる個体もいた

オランウータンが亡くなると
次のオランウータン、次のオランウータン
まるで消耗品のように
野生の赤ちゃんオランウータンを
動物園で飼育して行った

GAIN(大型類人猿情報ネットワーク)
の情報をまとめると次の表になる

動物園で飼育されていたオランウータン

どのオランウータンも2〜3歳と幼いうちに
命を落としている

この子は、
1912年に来園のオランウータンの写真
と言う事なので登録番号8番の子だろう

珍しい上に愛らしいオランウータンの赤ちゃん
やはり当時も人気があったのかも知れない

オランウータンは本来
高い樹上で生活している
ある本では
オランウータンの赤ちゃんを入手するには
先ず母親を撃ち殺して
木から落ちてきたところを子どもだけ連れ去る
しかし、母親に抱かれながら落ちる子どもは
落ちた事で無傷ではいられるとは限らない

前途のように輸送にも
大変な負担がかかる

オランウータンの赤ちゃんを入手する
その裏にはたくさんの
オランウータンの母子の犠牲がある